7月24日通り (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1691
感想 : 235
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287539

感想・レビュー・書評

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  • 借りたので気軽に読んで、さくっと読みおえた。恋愛系だが、なんだか切なく、浮いた感じでもないところが個人的にはすき。

  • 連チャンの恋愛小説。
    ときめきに飢えてるのかしらん。ついぞ花見にも行かずじまいだった今年の春です。
    ウーム渇いてますねェ。

    吉田さんの爽やか?恋愛小説。
    物語が淡々と進んでいきます。

    各章のタイトルがミソ!
    最後に全て繋がった時、このお話がもっと好きになりました。
    分析自体も私自身なかなか当てはまってしまい(笑)アイタター

    「間違えたくない」の気持ちはわかりすぎるくらいわかってしまい…
    身に積まされるものがありました。

    最後の主人公の殻を破った決断はとっても良かったと思います。
    結果はどうであれ!間違えたってイイジャナイ!(と、自分に言い聞かせる)

    あと、改めて文章のうまい作家さんだなァと、思いました。
    吉田修一さん。

    女性の心情も違和感なく描ききっているし、引用文然りハッとさせられるような言い回しが多々有りました。

    正直今までそこまで思ったことはなかったのですが、こういう何気ない日常を描く物語に作家の文章力が光るものですね。
    停電の描写も美しく見事でした!
    (その文才わけてほしひ…)

    星は4つか3つか迷った結果、3つに。
    何故だろう。と、考えた結果、好きな登場人物がそんなにいなかったからかなァと。
    憧れの先輩やら、亜希子さんやら、イケメン弟とかあまり好きじゃないの。

    物語としては結構好きなんですけどね。
    限りなく4に近い星3つです。

  • 主人公が、間違った道を選ぶか、間違わないように生きる道を選ぶのか。物語のラストシーンでその価値判断が主人公にとっての分岐点になったのかどうかというところにこの作品の主題があるのだと思いますが、そんなことより、自分の住む街をリスボンの街並みに重ね合わせるという発想がすごくインパクトがあって、それだけで読む価値があったなと感心しました。

  • 自分のことをあまりにも冷静に判断している主人公小百合。名前からくるイメージは清楚なお嬢様というこのギャップ。高校時代の憧れの先輩か、自分のレベルに合って一緒にいると落ち着く相手を選ぶのか。最終的には憧れの先輩を選ぶんだけど、おそらく先輩からは選んでもらえないであろう予想がつく。自分の殻をやぶることで、周りのものに振り回されてきた自分から抜け出していける、新しい自分へのステップアップですね。
    けしてハッピーエンドな感じではないんだけど、希望を持つ事ができる作品でした。

  • すごく好きな恋愛小説だった。

    主人公の小百合はすごく繊細で、読んでいて何度も胸がぎゅうっとなにかにいたぶられたようで苦しかった。うまくいってほしいのに、うまくいかなくてもやもや。私も、聡史や亜希子みたいにきらきらとした存在じゃないから、どちらかといったら絶対的に小百合寄りの恋愛をするのかな、なんて思ったりもした。

    あとがきを読んで、初恋もまだの小娘が言うのもなんともおこがましいけれど、恋愛観において、吉田修一さんと考えがなんとなく似ているように思えてドキドキ。

    だから、この先吉田修一さんのような女性観を持った男性に出会いたい、だなんてちょっとばかかなぁ。

    『わたしたちはどんなことでも想像できる、なにも知らないことについては。 』

    この言葉に免じて、こんなばかな考えを許してほしいです(笑)

  • 薄いカルピス。

  • 普通のOLが憧れだった昔の先輩に会って恋に落ちて…という話かと思っていたがそうではなく。昔の先輩は格好いい外見はそのままだけど、昔の彼女(既婚)とくっついたり、フラれたら主人公に告白したりと情けない。主人公が東京に向かう段になって昔の彼女が離婚。その彼女のところに先輩が行くだろうと分かっていながら主人公は新幹線に乗る。「間違ったこと」をした先に何があるのか、という話な気がする。

  • バスの中での描写がとても綺麗だっ た。共感する部分も多くてお気に入り の1冊。

  • パレードで陰鬱な気持ちになったあと、手にとった本は偶然にも吉田修一ふたたび。

    読んでみたら、こんどは元気でた!

    やっぱりワタシ前向きになれる話が好きであるよ。

    明日もがんばろー。

  • 選ぶにあたって特に意識していたわけではないけど、この小説「桐島、部活やめるってよ」の登場人物の「その後」的な、かつ「ここは退屈迎えに来て」のイケてる椎名くんが東京に出てたら、そして椎名くんを慕う女の子が地元に留まっていたら、というような話。この二作品(「桐島」は映画鑑賞)との対比で読めたのは味わいが深まって良かった。

    主人公は、地方に留まり就職したぱっとしない女性で、東京で就職した憧れの先輩と、その元彼女の衛星のような扱いをされていて、更に、今のところ地元の大学にいて将来定まっていない、主人公の美形の弟とその彼女の成り行きを主人公に絡ませてたりする。構成巧み。面白かった。

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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