ボトルネック (新潮文庫)

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  • 本 ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287812

感想・レビュー・書評

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  •  米澤穂信さんの作品、今度は何を読もうと考えたとき、5552さんの印象強いコメントを思い出して本書と出会うことができました。ありがとうございます。


     本書は、米澤穂信さんが学生時代に書いた青春小説が翻案となっており、作家としてデビューしてから5年後に書き起こしたそうだが、読んでみるとそれも肯けるような気がして、おそらく主人公とリアルタイムに近い時期に、このような内容を執筆したら、更に目も当てられない、それこそ魔が差したようなものになっていたのではないかと思われた、理論的に言われれば言われるほど、反発したくなるものが潜むような物語であった。

     また本書からは画期的なアイディア一つだけで、こうも新しい視点で青春の光と影とは何たるかを教えてくれて、しかもそれがかなり絶望的なものでありそうなことには、きっと我が意を得たりと、当時の米澤さん自身、もしかしたら感じていたのかもしれない、ということから、敢えて私も彼の術中にハマった態で書いてみようと思う。


     冬の曇りがちな日本海の天気や、どう見ても両親に問題のありそうな家庭環境で育ってきた、主人公「嵯峨野リョウ」の生きる世界は、これだけで既に相当重苦しいのに、更に彼が巻き込まれた地での孤独感は(実際に我が事のように考えると気が狂いそうになる)、そこでの妙に陽気な「サキ」の言動とも相俟って、皮肉な対比を為しながらも苛つかせるには充分すぎる設定でありながら、極め付けは、彼にとって最も重い十字架を背負うような出来事として、彼が唯一心を通わせていた「諏訪ノゾミ」に関する、あの事であろうと思われて、そこに、ある画期的なアイディアが加わることで、米澤さん曰く『鋭利な刃物で切るような話にするつもりが、鈍器で何度も殴るような話になった』、その結果、若気の至りをこうまでして痛々しく描いた話になったのではないかと思われた。

     それでも、物語に何度も登場する『どうしようもない』や『夢の剣』は、本当にそうなのだろうかと思わずにはいられなくて、リョウ本人が自ら実感した至らなさを反省し悔やむのは分かるが、それがリョウ自身の人間性の全てを否定しているわけではないことに気付くことができないのは、家庭環境の影響だと言われれば元も子もないけれども、少なくとも後者に関しては、決して夢ではなく人間の心に存在していてもおかしくない、夢どころか、至極現実的なものであるし、おそらくそれは本編を読めば実感できるのだが、そうしたところも全て引っくるめて若気の至りということなのだと言われれば、現実を更に思い知るという意味合いとして、そうなのかもしれないし、それは彼自身が自分に対して抱くコンプレックスとも重なるようで、何ともやり切れない思いとなったことであろう。

     そこで私は本書を再読してみて、何か仄かに潜ませたものはないかと探してみると、ミステリとしての完成度の高さも窺える、大胆な伏線が早い段階で潜まれていること以外にも、気付いたことがあったのである(あくまでも個人の見解です)。

     というわけで、ここから先は本格的なネタバレとなるので、ご注意下さい。










     それは私の中で何か言いようのない違和感のようなものが、ずっと付きまとっていた感覚であり、本書のよく似た二つの世界にしても、そこで起こる事実が正反対のものとなった条件として、別の世界から迷い込んだ、本来であれば存在しないものが介入したこともあるのならば、サキの二回目のそれについてはリョウが来なければ防げなかったのかもしれず、そこにこそリョウ自身の存在価値が潜まれているのではと感じたことには、おそらくリョウが来なければ、結局のところ同じ末路を辿っていたことになるのではないかと思ったことで、リョウだけが責められる謂れは無いということを書きたいのである。

     しかし、サキの場合は他のいくつかの出来事も良い方向に変えているではないかと、思われた方もいらっしゃるかもしれないが、それについてはどうでもよくて、肝心なことは『リョウの力で良い方向に変わったことが一つでもあること』なのであって、それによって彼自身が感じていた、『どうしようもないなら、受け入れるしかない』という思考法も絶対的なものでは無くなるのかなと思ったことで、実はこの世に絶対的なものなんて存在しないということを、米澤さんは暗に含ませながら、微かな光を読み手に示していたのではないかと思う。

     とは書きつつも、本編の彼の末路は途轍もなく厳しいものがあり、私としては上記したことを彼に教えたいのだけれども、結局戻ってきてしまったら意味が無くなるのかもしれない、ただ、それを読み手は知ることができたから、読み手にとって希望の光は感じられたのかというと、そんな単純なものでは無いのかな? といった感じで、何とも評価の難しい作品だと思ったのが正直なところ。

    • 土瓶さん
      すでにうろ覚えなんですが、カメラを持ってるサイコっぽい女子が怖かった印象です。
      すでにうろ覚えなんですが、カメラを持ってるサイコっぽい女子が怖かった印象です。
      2025/01/13
    • たださん
      ええ、土瓶さんのレビューも拝見いたしまして、東尋坊でのあの話はまさにホラーですよね。確かに「目が合いました」って、その状況を伝えるポイントの...
      ええ、土瓶さんのレビューも拝見いたしまして、東尋坊でのあの話はまさにホラーですよね。確かに「目が合いました」って、その状況を伝えるポイントのずれた感じがリアルに怖いです。

      おそらく彼女に全く触れなかったのは、無意識に拒絶反応を起こしていたからだと思いますが、世の中の不条理を垣間見た気持ちにもなって、こうした存在が決してフィクションと思えない感覚は、好き嫌いは兎も角として、作家としての表現の幅の広さではあるのかもしれませんね。
      2025/01/13
  • SF青春ミステリーというのかな。
    金沢の街が舞台。
    東尋坊の断崖から墜落し、目覚めた先は自分が不在の世界だった──

    あの時こうしていればどうなっていたのだろう?と、人生の“たられば”を考えると、分岐点がいくつもある。そして幾重にも枝分かれし、それぞれに物語が展開したのだろうか。
    でも自分は今生きているこの世界の自分しか知らないわけだ。
    この物語のように、もし他の物語を見て知ってしまったら…。自分の不幸や不甲斐なさに気づいてしまったら…!?
    元の世界で再び生きる決意ができるのか否か…。
    読者に委ねられたイヤミスな読後感。
    このようなSFタイムスリップ物は初めてで、面白く感じた。

    • なおなおさん
      1Qさんも同じく読書にハマらなかった時期があったのですね。勿体なかった…その間師匠たちはたくさん読んでいたわけです。
      最近、タイムトラベル物...
      1Qさんも同じく読書にハマらなかった時期があったのですね。勿体なかった…その間師匠たちはたくさん読んでいたわけです。
      最近、タイムトラベル物を求めております。
      タイムトラベル、パラレルワールド、SF系でオススメはありませんか。
      あ、宇宙に行くのはパスで。宇宙系は苦手^^;
      2024/06/21
    • 1Q84O1さん
      そーなんですよ
      あの頃も読んでいたらもっとたくさんの作品が読めていたのに残念です…
      宇宙は無しでタイムトラベル、パラレルワールド、SF系…、...
      そーなんですよ
      あの頃も読んでいたらもっとたくさんの作品が読めていたのに残念です…
      宇宙は無しでタイムトラベル、パラレルワールド、SF系…、うぅ〜ん??
      ごめんなさーい!すぐに浮かんでこないです(~_~;)
      何かなかったら思い出してみます!w
      2024/06/21
    • なおなおさん
      宇宙に行く余裕はありません_(:3 ⌒゙)_ポリポリ
      面白そうな本が見つかったらよろしくでーす。
      宇宙に行く余裕はありません_(:3 ⌒゙)_ポリポリ
      面白そうな本が見つかったらよろしくでーす。
      2024/06/21
  • まるで映像を見ているかのような描写に魅了されて、一気読みしてしまった。

    自分が存在した世界と存在しなかった世界。

    主人公が両方の世界を知り、対比することで知る自分の存在価値。

    読者に委ねられる結末は、ボトルネックというタイトルから私としては最悪の結末を【想像】して胸が苦しくなった。

  • 鬱な展開になる小説と聞いて。

    ほい。あらすじ。
    【亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。】

    青春ミステリの金字塔? これが? まあ、いいか。

    一人称はぼく。主人公は高校一年生男子。ふとしたことからパラレルワールドに落ちる。

    途中まではなんとなく乙一さんに似てるかな~と思ったけど、やっぱり違う。
    なんだろう。湿度かな? 味かな?
    悲惨な話であってもわりとカラッと書く印象の乙一さんと違って終始重苦しい。
    カレーライス(乙一)とハヤシライス(本書)くらい違う。

    米澤穂信さんにしては珍しくミステリの下地もない。どちらかというとSFでイヤミスならぬイヤSFって感じか。

    最後のその先は読者に想像させるかたちで終わる。
    主人公は何を選択するのか。
    そういう終わり方は嫌いではないが、その途中までのいろいろも未消化のまま。

    もうちょっといろいろと理屈や理由を付けても良かったんじゃないかな。

    ハッキリしたことはなにもわからない。が、二つの世界の違いが明らかになるにつれ、主人公は自分の存在意義を徐々に失っていく。

    主人公の最期の選択も気になるが、途中で出てきたサイコっぽい女子が一番気になった。
    これは妄想だけど、あの女子は亡くなった女の子が東尋坊から落ちていくときにシャッターを切ったのではないだろうか。
    涎を垂らさんばかりに悦んで。
    でなければ、目が合ったなどと言えないだろう。
    事故かどうかもハッキリしない。
    あの女子がなんらかの手を下していても驚かない。
    そしてその瞬間の写真を後生大事に宝物として持っていて、夜な夜な取り出しては悦に入って眺めているのかもしれない。
    そっちのほうがよほどホラーだと思った。
    主人公はその話をスッキリさせてから自分の存在意義でもなんでも悩んで欲しかったな。

    • 土瓶さん
      マキさん。
      乙一さんは基がホラー&SFだし。
      米澤さんは基がミステリーだし。
      やっぱ違いますね。設定が似ていても。
      それに乙一さんは基本短編...
      マキさん。
      乙一さんは基がホラー&SFだし。
      米澤さんは基がミステリーだし。
      やっぱ違いますね。設定が似ていても。
      それに乙一さんは基本短編だしな〜。
      閉ざされた環境で次々と人が死んでいって欲しい長編好きのマキさん向きの人ではないかな?
      でもおもしろいんですよ^⁠_⁠^
      2024/08/04
    • 土瓶さん
      ゆーき本さん。
      ハヤシライス下さい。
      考えてみれば何年も食べてないかも。
      (´~`)モーグモグモグ

      あ。できたら玉ネギは少なめで。
      ...
      ゆーき本さん。
      ハヤシライス下さい。
      考えてみれば何年も食べてないかも。
      (´~`)モーグモグモグ

      あ。できたら玉ネギは少なめで。
      m(__)m
      2024/08/04
    • ultraman719さん
      カレーライスの方が好きです。

      この作者のお勧めベスト10に入ってたので、読んだ記憶はありますが、もう記憶が…(−_−;)
      カレーライスの方が好きです。

      この作者のお勧めベスト10に入ってたので、読んだ記憶はありますが、もう記憶が…(−_−;)
      2024/08/04
  • めっちゃ酷な…
    確か崖から落ちたはずやのに…
    気がつけば、今までとは、微妙に違う世界に飛ばされる。(パラレルワールドやな)
    そこは、自分自身が存在しない世界。
    代わりに違う人がおる。(姉?)
    その姉の存在が自分のいた世界との違いを生んでそうな事に気づく。
    それも、自分の世界より、ええ感じになってそう…自分は要らん?ボトルネック?
    と本人は思ってる。
    そんなん、隣の芝生は青く見えるだけやって!
    お父さん、お母さんのギクシャクした関係は、2人の問題!兄貴も!ノゾミも!
    そんなもん、当人の問題や!
    って考えられる人なら、こうならんか…
    やっと、もとの世界に帰って来たと思ったら…
    お母さん〜! アウト!ʅ(◞‿◟)ʃ

  • 米澤穂信氏の描く、青春SFミステリ小説。

    自分の住む環境とは似て非なるパラレルワールドへと迷い込んだ高校生・嵯峨野リョウ。彼が訪れた世界には、リョウが生きていた世界には存在しなかった姉・嵯峨野サキの姿があった。
    リョウの世界とサキの世界。二つの世界の相違から見出した真実には、哀しい結末が待っていた。

    自分の存在した世界と、自分が存在しなかった世界。その二つの違いを比較しなければいけないのは、読者目線でもゾッとするような体験だった。
    軽快に進んでいくストーリーとは裏腹に、読み進めるほど、その残酷な展開に胸が苦しくなる。村上貴史氏の解説から一言借りるのであれば、まさに『なんと容赦なく主人公の痛々しさを暴いたことか』。

    ラストの畳み掛けるように襲い来る絶望感含め、メンタルに亀裂が入っているときに読む作品ではないなと感じた反面、自分がいたことで誰かが救われるように、せめて『ボトルネック』にならないように、今よりも少しだけ必死に生きてみようと考えさせられた作品だった。

  • 思ったより金沢要素があった。
    東尋坊に落ちたかと思いきや、ジャスコが見える金沢のベンチで横になっており、不審に思いながらも自宅に帰ってみれば、見知らぬ女性が同じ苗字を名乗って暮らしていた。
    今はなきジャスコ…懐かしい。

    リョウの世界とサキの世界。
    違うのは2人のそれぞれでの存在であり、周りは知らず知らずのうちに影響を受けて変わっている。
    その差が激しすぎて、特にリョウの世界ではノゾミも兄も事故で亡くなっており、サキの世界ではどちらも健在の上に、ノゾミはサキを模倣して明るい人間に、兄は富山の大学に受かっており、浪人していない。
    米澤さんらしいのはホノカの存在である。
    密かにノゾミを殺そうとしている異常者。
    サキの世界では、リョウの世界で死んでいたきっかけの旅行にサキも参加していたことで回避でき、朝の眠気覚ましとして渡したミントタブレットが実は睡眠薬で、朝の通学時に交通量の多い道を通る時に眠気がきて交通事故にあうよう仕組まれてようとしていたのを先にサキがタブレットケースから睡眠薬を発見して2度目の回避。
    サキが無敵すぎる。リョウがサキを羨ましがるのは当然だが、現実的に見ればリョウの方が無難な人間であり、サキが特異すぎる。
    「もう、生きたくない」とリョウが呟いたとき、やっとそう言ってくれたねと、元のリョウの世界に戻っていた。
    読後感は、こうゆうハッピーな世界もあったかもしれないというショックと共に、もう過ぎたことは取り返しがつかない、現実を受け止めて、今は今なりに生きていこうと、ちょっと鬱な感覚だった。

    比較してしまうと、両親の夫婦仲が終わった世界のリョウと、夫婦仲が復活して今も2人で旅行に行くほど仲良しな世界のサキ。
    どちらも大夫婦喧嘩(双方の浮気が発覚した)事件に遭遇しており、アプローチの仕方が異なったのが分岐になったか。
    リョウは「落ち着いてよ。お互いさまじゃないか」と口を出したら母親に包丁を投げつけられ、アキは夫婦の真ん中に花瓶を投げ入れて肝をひやさせ、ブチ切れてみせた。p66

    「……何でもなくなれば、いいんじゃないかな」
    「そうすればきっと、モラリストにも、ヒューマニストにも」
    子供を生んだのは社会的地位のためだと当の子供に口を滑らせる父にも、ご馳走を二人分だけ作ることに腐心する母にも、「子供は金輪際これっきり」という意味の名前にも、「無敵になれる」p199

  • ずいぶん昔、テレビで観たコントは秀逸だった。
    ウッチャンこと内村光良扮するサラリーマン風の男が、颯爽と登場して道端に落ちている空き缶を一つだけ拾って去っていく。ただそれだけ。
    しかし空き缶が拾われずそのままの未来では、風が吹いたら桶屋が儲かる式に現象が連鎖して、最終的にはタンクローリーがガソリンスタンドに突っ込んで大惨事となる。
    ウッチャンは実は世界を救うヒーローで、事件や事故の原因となる「芽」を日夜摘んでいたのだ。
    しかし誰も彼がヒーローであることを、ましてや世界が彼の手で救われていることを知らない。

    バタフライ・エフェクトなどという言葉を知る由もなかった僕は、笑うと同時に大きな衝撃を受けた。

    日常の自分の些細な言動がどれほど世界に影響を及ぼしているのか。「世界」が大き過ぎるのなら、自身の人生とその周辺にどのような変化をもたらすのか。考えてみると、面白いと同時に恐ろしくもなる。

    嵯峨野リョウ。
    友人の弔いのために訪れた東尋坊で不意に平衡感覚を失う。
    ところが気がつくとそこは金沢の街。
    自分が「生まれなかった」世界で出会った「生まれてくるはずだった」姉。
    「間違い探し」の過程で遭遇する事件の予兆。

    パラレルワールドものでありながら浮ついた感じがない、現実と地続きの米澤穂信の筆致。
    そして伏線の張り方と不可解な状況の解きほぐし方は、まさにミステリのそれ。再読して唸る。

    読者自身をも東尋坊に投げ出すかのようなラストには驚いた。
    しかしラストを「絶望的」に解釈するブクログユーザーさんが多いのにはもっと驚いた。
    僕自身は「決別」と「最初の一歩を踏み出す勇気と希望」の物語だと読んだからだ。

    浦沢直樹の『MONSTER』や東野圭吾の『白夜行』のように、ラストの解釈によって余韻や物語の意味合いまで変わってくる。
    あのシーンは、嵯峨野リョウにとっての「分岐点」であり、読者にとっての試金石だと思う。
    当然そういうことも織り込み済みであり、僕らはまんまと作者米澤穂信の術中に嵌まっているのだろう。

    • kwosaさん
      アセロラさん

      コメントありがとうございます。

      そう、そのウッチャンのコントは当時の自分には衝撃的で、ずいぶん昔のことなのにいまだに覚え...
      アセロラさん

      コメントありがとうございます。

      そう、そのウッチャンのコントは当時の自分には衝撃的で、ずいぶん昔のことなのにいまだに覚えていますもんね。

      『ボトルネック』
      僕は面白く読んだのですが、もしこの本が「ファースト米澤」なのであれば、ちょっとビターな味わいに次を控えてしまうかもしれませんね。
      是非、他作品もいろいろ手に取ってみてください。
      2013/02/05
    • 九月猫さん
      kwosaさん、こんばんは。

      コメントでは、はじめまして。九月猫と申します。
      フォローしていただき、ありがとうございます。
      また『...
      kwosaさん、こんばんは。

      コメントでは、はじめまして。九月猫と申します。
      フォローしていただき、ありがとうございます。
      また『ライフ・イズ・ビューティフル 』にうれしいコメントまでいただき、ありがとうございます!
      (そちらにもお返事書かせていただいています♪)

      米澤穂信さんの作品、小市民シリーズと古典部シリーズが大好きなのですが、
      この『ボトルネック』は出だしで「あれ、テイストが違う?」となり、
      さらに他の本に気をとられ、数ページ読んだまま放置中です(^-^;)

      でもkwosaさんのレビューを読んで、こんなに面白そうなお話なんだ!と
      読みたい気持ちがぐぐぐーんと!!
      積読山に戻さずに、すぐ読む予定山にあるので(どちらにしても山なのですが;)、
      近いうちにちゃんと読んでみようと思います。
      ラストの解釈、どちらに受け取るのか・・・楽しみです。

      素敵なレビューがたくさんのkwosaさんの本棚、こちらからもフォローさせていただきました。
      これからどうぞよろしくお願いいたします(*_ _)ペコリ
      2013/03/31
    • kwosaさん
      九月猫さん

      花丸とコメント、そしてリフォロー! ありがとうございます。

      米澤穂信さんは僕も大好きな作家で、小市民シリーズはすべて、古典部...
      九月猫さん

      花丸とコメント、そしてリフォロー! ありがとうございます。

      米澤穂信さんは僕も大好きな作家で、小市民シリーズはすべて、古典部シリーズは『クドリャフカの順番』まで読みました。
      これら二つのシリーズは、青春のほろ苦さをカラフルな糖衣でくるんで上質なミステリに仕立て上げた感じですよね。
      でも米澤さんって、結構カカオ純度高めのかなりビターな物も書きますので、ひとくち味わって食べ残してしまう気持ちもわかります。
      全部の作品を読んだわけではないのですが、それでも総じてクオリティは高いので、他も手に取ってみてはいかがでしょうか。

      それにしても、積読山と予定山。いいですね。
      僕も予定山をつくっているのですが、いつの間にか積読の雪崩に浸食されていたり、掃除の時に妻にかってに並べ替えられていたりでなかなか......
      水木しげるとゲゲゲの女房みたいになっています。

      こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。
      楽しい本の話がたくさんできると嬉しいです。
      2013/04/01
  • 哲学。ありそうでない話。無さそうである話。

  • パラレルワールドもの。
    青春ミステリになるだろう。
    渦中にいなければわからない感覚のようなものを描いているため、心が痛くなる。
    それでも進んでいかなければならないのが、切ないです。


    亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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