ボトルネック (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 1210
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287812

感想・レビュー・書評

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  • 【内容】
     亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。(「BOOK」データベースより)

    【感想】
     自分が生まれなかった世界。さらにそこは、自分がいない方がうまくいく世界。そんな世界に迷い込み、自分の存在意義について葛藤する主人公。それは、残酷なことのように感じる。

     でも僕は想う。僕が生きるから「世界」があるわけで、僕のいない世界など、想像できない。自分の存在意義など確認するまでもなく、この世界のいちピースである。

     1人称で描かれた世界観は、何だか哲学的。表現も好きな感じで、ぐいぐい読めた。結末どうなるものかと感じた。

     僕たちは、遠かれ近かれ、僕たちは世界に影響を与えている。それがプラスのことも、マイナスのこともある。でも、そんなささいなことで、悩み立ち止っている場合ではない。

     自分が生まれ生きるこの世界を、愛していくしかない。信じていくしかない。 そんな風なことを考えさせられた一冊。

  • 暗い
    自分が生まれず、流産したはずの姉の居る世界に迷い込む主人公。二つの世界の違いを確認して行くうちに次第に明らかになって行くのは……
    そもそもこの違う世界に迷い込んだ事自体誰かの悪意なのか?と思うほど残酷。
    自分の未来は自分で決めろよ!!!!

  • 主人公・リョウがある日迷い混んだ世界は、自分が産まれる代わりに流産で亡くなったはずの姉が産まれていた世界でした。
    自分がいた世界と姉が生きているパラレルワールドの違いや自分の周りの人たちの姿に戸惑いながらも、起きていることを把握しようと行動します。
    しかし最後に待ち受けるのは残酷な現実でした。

    福井県の東尋坊と金沢の街を舞台に、話が進む本作。作者が金沢大学の出身ということもあり、大学周りや金沢の街の描写に親近感を覚えました。
    金沢大学生にとってジャスコはかなりお世話になりましたしね。

  • 主人公がいる世界といない世界とで、いない世界の方が何もかも上手く行っているという事実を突きつけられ、絶望する作品。
    しかし、展開が飽きることなく、面白かった。

  • 何事にも主体的に関わらない人間である主人公は、社会にとってはゼロではなくマイナスの存在であったことがパラレルワールドの存在によって明らかになる、という嫌ミス。

  • 救いのないラスト。それに向けて悲惨な間違い探しをしていくリョウ。
    ボトルネックの自分を自覚したリョウへ追い討ちをかけるメール。「帰ってこなくて構いません」なんて苦し過ぎる。

  • 何となくハッピーエンドになるんだろうと勝手に思って読んでいたので読み終わった瞬間エッとなった

  • 米澤穂信さんがデビュー前の大学生の頃のアイディアを完成させた第8作となる青春ファンタジー小説の傑作。可能世界と呼ばれるもう一つの世界で残酷にも自分がボトルネックなのだと自覚させられた主人公リョウですが、スーパーお助け女の姉サキだって両親のトラブルとノゾミを救った偉さと別にイチョウの木で事故った為に辰川食堂を存続させたのは偶然のもたらした幸運なのだしそんなに自分を責める必要はないです。人間の性格はそう簡単に変えられないし今のままでいいからせめてこの貴重な体験を生かし今後の人生の岐路で想像力を働かせて欲しい。

    本書の登場人物、リョウ・サキ・ツユ・ハジメ・ノゾミ・フミカが全員カタカナ名前である事はそんなに深く考えなくてもいいでしょうね。他には既に今は存在しないジャスコの名称が懐かしいですね。私も物事に対し積極的とは言えないリョウの性格に近くて、スーパーお助け女サキは正直お節介焼きに思えたりしますが、でも他人の批判ばかりしていては駄目だという教訓は胸に強く響きましたね。ちょっと面倒クサいなと思える元気過ぎる女サキとも二度と会えないとなると急に寂しくなるものですね。リョウは今回の体験から何かを得て生きて行くでしょう。

  • このミステリーがすごい!2010第1位

  • 結構なバッドエンド…だと私は思った。現実的にはあの声が聞こえたときから、彼は狂っていたんじゃないか。いや2年前から、苦しみを飲み込めなくて、後悔し続けて、兄の死がきっかけになって…
    話自体は何というか、予想通りだったんだけど、適当なところに落ち着くのかと思ったら全然違っててそういう意味で予想外だった。
    他の作家に似てるって言うのは失礼だとわかってるけど、道尾さんの作品と同じ読後感で、私の好みってこれか〜って実感してる

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著者プロフィール

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年、岐阜県生まれの小説家、推理作家。金沢大学文学部卒業。
大学在学中から、ネット小説サイト「汎夢殿(はんむでん)」を運営し、作品を発表。大学卒業後に岐阜県高山市で書店員として勤めながら、2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し、デビューに到る。同作は「古典部」シリーズとして大人気に。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、2014年『満願』で第27回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。『満願』は2018年にドラマ化された。直木賞候補にも度々名が挙がる。
その他代表作として週刊文春ミステリーベスト10・このミステリーがすごい!・ミステリが読みたい!各1位となった『王とサーカス』がある。2018年12月14日、集英社から新刊『本と鍵の季節』を刊行。

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