ボトルネック (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 9008
レビュー : 1209
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287812

感想・レビュー・書評

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  • 自分が生まれた世界と生まれなかった世界というパラレルワールドで、自分の周りにとって自分が必要な人間だったのかどうかを容赦なく突きつけられる。その突きつけられ方が、自分に対してでなく自分の周りの人達の現在ということで突きつけられるのが、残酷。自分がこの世界で必要か必要でないかというと、別に必要ではないんだろうなぁと諦めもつくけど、自分の周りの人達から必要でないどころか、いない方が良いということになったら…それにしても、これが今年最初に読む小説というのは、自分の人生に対して何か因縁があるんでしょうか。

  • ボトルネック。不必要な部分のカット
    とても残酷なお話だった。
    私の存在する世界と、私の代わりに生まれてきた人間がいる私の存在しない世界。世界はたったそれだけの違いでも少しずつ変化をみせていく。
    物語はりょうが生きるか死ぬか読者の想像に任せる終わり方になっている。
    彼は別世界の3日間少しずつ変わり始めていた。私は彼が生きていると信じたい。彼は家を捨てるかもしれない。人生を1度リセットするかもしれない。私はそうした方がいいと思う。だって少しの変化で人生は180度変わることを彼は知ったから。

  • 面白かったのは前半だけ。

  • 2010私的夏の文庫フェア第3弾。

    2年前に事故死した恋人を弔うため東尋坊を訪れた嵯峨野リョウ。
    ふとしたはずみで崖から転落してしまった彼は、地元金沢市の河畔で目覚める。
    事態を訝りながら自宅へ戻ったリョウの前に現れたのは、いるはずのない“姉”嵯峨野サキだった―

    という始まりを見せる本作。
    2010年「このミス」で作家による投票No.1になっているとか。
    しかしこれは…ミステリー?
    そもそも「ミステリー」の定義がいまいちわかってないんだが、“世間一般的な”イメージとは少し違うような。

    初めて読んだ作家だけど、これからも選択肢に入れるかどうか、微妙だなぁ。
    とりあえず、登場人物の掘り下げが浅い気がしてならない。脇役とは言い難いキャラクターであるところのフミカについて、あぁまで描かないとは。
    あとは(この作者に限らないけど)会話・セリフがウソ臭い。いくら頭いい設定とは言え、女子高生が「臆断」だの「オプティミスト」だの言うかな。
    「物語」という大きなウソをつくのであれば、会話や設定といったところで小さな真実(リアル)を積み重ねないと、結果的に全体がウソ臭くなると思うんだが…

    最後にネタバレ。

    嵯峨野リョウは、きっと死ぬ。死を選ぶ。
    彼はサキの世界へ入り込み、そして気付いた。そこに起きている差異によって世界が“よくなって”いることに。それがサキによって生み出されたものであることに。
    自分こそが「システムを停滞させる排除すべき要因=ボトルネック」であると確信し、「もう生きたくない」と願った彼は、自分の世界へ戻される。
    世界を横断する通話によってサキが発破をかけたとしても、「恥をかかせるだけなら帰ってこなくていい」という母のメールを見てうっすらと笑う彼は、きっと死ぬ。
    と言うより、死ななければならない。死ななければ物語は成立しない。

    とても「青春ミステリ」などと形容できない読後感。
    舞台は12月の金沢だけど、冬の日本海の空のような雰囲気は夏にもいい。
    夏こそ薄っ暗い、死の匂いのする小説を読もう。

  • 【ボトルネック】
    瓶の首は細くなっていて、水の流れを妨げる。
    そこから、システム全体の効率を上げる場合の妨げとなる部分のことを、ボトルネックと呼ぶ。
    全体の向上のためには、まずボトルネックを排除しなければならない。


    まず、タイトルが残酷。非常に残酷。
    主人公からしたら、もう一つの世界は、まさに“美しき残酷な世界”

    パラレルワールドって深い。考えさせられる。
    自分がいなかったらどうなんだろう?と考えてしまう。
    たぶんほとんど変わらんのだろうけども(笑)

    自分が一種、ボトルネックだと悟った主人公が最後に取る行動は一体・・・

    というところで物語は終わります。



    残酷すぎますわ(笑)

  • 何故、自分が生まれなかった世界に飛ばされたのか、サキと謎を解くように行動している所までは、どうなるんだろうとワクワクしながら読んでいたんですが、最後に向かうにつれて、しぼんでいってしまったような。

    サキはいい方向に変えていく力を持っていて、自分は悪い方向に変えてしまっている、というのはいいんだけれど、
    スカッとも、モヤモヤともしない、あ、そうですか…みたいな。

    そんな感想です。

  • 主人公はずっと深刻な雰囲気なのに、サキは一昔前のアニメのキャラクターのような明るい性格で浮いています。ときどきもって回った難しい言い回し。ほかにも、いろんなところがちぐはぐな印象でした。ストーリーが、というより著者の表現力不足かなあ、と思います。初期の作品だからかも。

    あとサキの私服のセンスが疑問。長袖の上にシワ加工キャミソールを着て白いファーベストを重ねるって、すごいヘン・・。

  • 金沢に住んでる人は読んでみてほしい、地元密着型な小説ですw
    しかし本当に主人公がネガティブですね。
    自分が生まれなかった世界はすべてうまくいっている、死んだ人間が生きている、自分の世界でのボトルネックは自分自身だった。
    いないはずの姉は、今からでも世界を変えてほしい、
    と願ったかも知れないけど、最後の母からのメール、
    見た直後絶対東尋坊に身を投げたと思う。
    これを読んで、私は後悔のないように、想像力を働かせて、
    自分にできる最大限のことをしながら生きていこうと思いました。
    悪いことをするのはよくないけど、なにもしないのもよくない。

  • 前半はすごく面白かった。
    引きこまれたし、謎ときが惜しげもなくちりばめられていてとても楽しい。
    サキちゃんのキャラクターもいい。

    期待した後半は少し物足りない。
    あっという間にたたんじゃった感じ。
    結局どうなったのー!!の嵐。

    すごく面白い話だっただけに、やっぱり少し物足りなかったなー。

  • ボトルネックというタイトルが秀逸、ということを聞き、読むまでにいろいろ妄想していました。ボトルネックってどういう意味だろうかと考えていたところ、ボトルシップを思い出し、ガラスのボトルに生首を詰め込む趣味のある殺人鬼のお話かな、と思いながら読んだら全然違いました。

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著者プロフィール

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年、岐阜県生まれの小説家、推理作家。金沢大学文学部卒業。
大学在学中から、ネット小説サイト「汎夢殿(はんむでん)」を運営し、作品を発表。大学卒業後に岐阜県高山市で書店員として勤めながら、2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し、デビューに到る。同作は「古典部」シリーズとして大人気に。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、2014年『満願』で第27回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。『満願』は2018年にドラマ化された。直木賞候補にも度々名が挙がる。
その他代表作として週刊文春ミステリーベスト10・このミステリーがすごい!・ミステリが読みたい!各1位となった『王とサーカス』がある。2018年12月14日、集英社から新刊『本と鍵の季節』を刊行。

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