ボトルネック (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.28
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本棚登録 : 9035
レビュー : 1210
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287812

作品紹介・あらすじ

亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。

感想・レビュー・書評

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  • 暗い
    自分が生まれず、流産したはずの姉の居る世界に迷い込む主人公。二つの世界の違いを確認して行くうちに次第に明らかになって行くのは……
    そもそもこの違う世界に迷い込んだ事自体誰かの悪意なのか?と思うほど残酷。
    自分の未来は自分で決めろよ!!!!

  • 死んだはずの姉が生き、自分が生まれなかった世界に迷い込んでしまった主人公が、バタフライエフェクトの大きさを知っていく話。
    些細なことですら大きくなり、でも意外と変わらないこともあり、でも死んでしまってた想い人だった彼女の存在に心揺さぶられまくりのお話。

    主人公がうつ状態だったら最後自殺してしまうのかなって思える。
    前向きな成長が出来てたらこれから未来は変えられると思えるのだろうか?
    でも私ならきっと……って考えられるのが面白い読み方かな。
    まあ一部の人の危うさだけは戻っても変わらないのが恐ろしいわ。

  • 主人公・リョウがある日迷い混んだ世界は、自分が産まれる代わりに流産で亡くなったはずの姉が産まれていた世界でした。
    自分がいた世界と姉が生きているパラレルワールドの違いや自分の周りの人たちの姿に戸惑いながらも、起きていることを把握しようと行動します。
    しかし最後に待ち受けるのは残酷な現実でした。

    福井県の東尋坊と金沢の街を舞台に、話が進む本作。作者が金沢大学の出身ということもあり、大学周りや金沢の街の描写に親近感を覚えました。
    金沢大学生にとってジャスコはかなりお世話になりましたしね。

  • パラレルワールドにワープしたら、元の世界よりうまくまわってて、自分がボトルネックじゃんという話。
    救いが…ない…。

  • これってミステリじゃないの?SF?と思いながら読んだけど、一応謎を解きながら話が進んでいたからミステリなのか。
    昔、こういう感じの青春小説たくさん読んだなあとも思った。
    最後は切ないというより残酷。

  • 主人公がいる世界といない世界とで、いない世界の方が何もかも上手く行っているという事実を突きつけられ、絶望する作品。
    しかし、展開が飽きることなく、面白かった。

  • 身の回りの不幸な出来事がすべて自分のせいだったら。そんな考えたくもない憶測が、パラレルワールドという独特な視点から事実だと痛感させられる悲痛な物語。自分のせいといっても、自分が何かしたせいというより何もしなかったことにより起きた不幸だというのだからタチが悪い。悪事を働いたわけではないのに自分が悪だと思い知らされる。
    自分がいない世界の方が周りが幸せになっているという事実を突きつけられたリョウにとっては救いのない物語だ。何かを変えるためにリョウはこれから変わることができるのか。その期待に対して、最後の一行は残酷だった。

  • 何事にも主体的に関わらない人間である主人公は、社会にとってはゼロではなくマイナスの存在であったことがパラレルワールドの存在によって明らかになる、という嫌ミス。

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  • 現実において劣等感に悩まされることも多々あるのだが、小説として言語化され更に叩きつけられるのも悪くないと思う。
    サキのような存在が、分岐点毎にいたのかなと思うと苦い。

  • 自分がいる世界といない世界、違いは何だろう。

    僕がいない世界に迷い込んだ僕は、
    家族・友人・街、全ての状況が好転していることを知る。
    果たして僕はどうすべきか…

    道路を狭めているイチョウの大木と僕の存在がタイトルと呼応し、
    受け身な僕と能動的なサキは
    ボトルネックの維持と打破という相反関係を暗示する。

    ラストは金沢の天気のようにどんよりだが、
    サキとの会話や謎解きは軽快でサクサク読める。

  • 戻ってくるなと言われても…
    31/4/14

  • 金沢と東尋坊が舞台ということで読んだ。ストーリーが洗練されていて意欲作であることがよくわかった。ただ、会話のテンポややりとりの内容が自分と合わず、スッと内容に入り込みづらかった。あくまでも合う、合わないの問題だが。ストーリーの終わり方は好きな形だった。

  • 平行世界を垣間見る残酷な物語。材料と全体の組立は面白いんですが…、好みではない。人と人との成り行き・関係は一方だけでなく互いの責任である。誰か一人だけがどうの…と言うのは悲しい

  • 救いのないラスト。それに向けて悲惨な間違い探しをしていくリョウ。
    ボトルネックの自分を自覚したリョウへ追い討ちをかけるメール。「帰ってこなくて構いません」なんて苦し過ぎる。

  • 想像以上にラストが悲惨だと思った。ただ人によっては、違う解釈もあるかも。

  • 何となくハッピーエンドになるんだろうと勝手に思って読んでいたので読み終わった瞬間エッとなった

  • 米澤穂信さんがデビュー前の大学生の頃のアイディアを完成させた第8作となる青春ファンタジー小説の傑作。可能世界と呼ばれるもう一つの世界で残酷にも自分がボトルネックなのだと自覚させられた主人公リョウですが、スーパーお助け女の姉サキだって両親のトラブルとノゾミを救った偉さと別にイチョウの木で事故った為に辰川食堂を存続させたのは偶然のもたらした幸運なのだしそんなに自分を責める必要はないです。人間の性格はそう簡単に変えられないし今のままでいいからせめてこの貴重な体験を生かし今後の人生の岐路で想像力を働かせて欲しい。

    本書の登場人物、リョウ・サキ・ツユ・ハジメ・ノゾミ・フミカが全員カタカナ名前である事はそんなに深く考えなくてもいいでしょうね。他には既に今は存在しないジャスコの名称が懐かしいですね。私も物事に対し積極的とは言えないリョウの性格に近くて、スーパーお助け女サキは正直お節介焼きに思えたりしますが、でも他人の批判ばかりしていては駄目だという教訓は胸に強く響きましたね。ちょっと面倒クサいなと思える元気過ぎる女サキとも二度と会えないとなると急に寂しくなるものですね。リョウは今回の体験から何かを得て生きて行くでしょう。

  • このミステリーがすごい!2010第1位

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著者プロフィール

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年、岐阜県生まれの小説家、推理作家。金沢大学文学部卒業。
大学在学中から、ネット小説サイト「汎夢殿(はんむでん)」を運営し、作品を発表。大学卒業後に岐阜県高山市で書店員として勤めながら、2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し、デビューに到る。同作は「古典部」シリーズとして大人気に。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、2014年『満願』で第27回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。『満願』は2018年にドラマ化された。直木賞候補にも度々名が挙がる。
その他代表作として週刊文春ミステリーベスト10・このミステリーがすごい!・ミステリが読みたい!各1位となった『王とサーカス』がある。2018年12月14日、集英社から新刊『本と鍵の季節』を刊行。

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