ボトルネック (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 9035
レビュー : 1210
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287812

感想・レビュー・書評

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  • パラレルワールドミステリー
    しかし、重く、辛く、自己否定の物語。読後感にいやな感じが残ります。
    気分が落ち込んでいる時にこの本を読んではいけません(笑)

    ストーリとしては、亡くなった恋人を追悼するために訪れた東尋坊で、主人公はパラレルワールドに陥ります。
    そのパラレルワールドでは、自分は生まれておらず、その代わりに姉が存在する世界。
    無邪気に自分の世界と姉の世界の違いを確認し始めましたが、徐々にその違いに驚愕していきます。
    同じような事件、事象に対して、自分がとった対処と姉がとってきた対処。その対処の違いがこんなにも違っていて、姉の世界の方が良い結果を生んでいる。
    自分は生まれない方が良かったのか。
    自分自身がその世界のボトルネックと気が付いてしまった時の残酷な現実。
    これでもかと、その違いを見せつけられた主人公は絶望の気持ちを持った途端、元の世界に戻されます。
    元の世界で主人公が最後に取った行動は?
    という展開。
    そして、その最後の行動は、記載されていません。
    私達読者に解釈が委ねられています。
    希望か絶望か...
    難しい物語となっています。

    なんとも読後感が良くありません。

    • 5552さん
      こんにちは(^-^)
      はじめまして。5552と申します。

      この作品、主人公の性格に私自身を重ねてしまい、読了した後胃が痛くなりました...
      こんにちは(^-^)
      はじめまして。5552と申します。

      この作品、主人公の性格に私自身を重ねてしまい、読了した後胃が痛くなりました。
      ラストの解釈は人によって様々みたいですね。
      米澤さん屈指の青春ものだと思います。

      >気分の悪いときにこの本を読んではいけません(笑)
      確かに、ですね(笑)
      2018/06/23
    • 5552さん
      ‘落ち込んでいる時に’ですね。
      引用間違い失礼しました。
      ‘落ち込んでいる時に’ですね。
      引用間違い失礼しました。
      2018/06/23
    • masatoさん
      5552さん、コメントありがとうございます!
      誰でもが少なからず持っている自己否定感を顕著に表していて辛い物語でした!
      5552さん、コメントありがとうございます!
      誰でもが少なからず持っている自己否定感を顕著に表していて辛い物語でした!
      2018/06/23
  • 自分がいる世界といない世界、違いは何だろう。

    僕がいない世界に迷い込んだ僕は、
    家族・友人・街、全ての状況が好転していることを知る。
    果たして僕はどうすべきか…

    道路を狭めているイチョウの大木と僕の存在がタイトルと呼応し、
    受け身な僕と能動的なサキは
    ボトルネックの維持と打破という相反関係を暗示する。

    ラストは金沢の天気のようにどんよりだが、
    サキとの会話や謎解きは軽快でサクサク読める。

  • 不気味でこわくて面白かった…
    儚い羊達の祝宴のように1行で状況が変化してゾクッとするわけではなく、読み進める程にジワジワと状況が解ってくる感じがこわくて、怖いんだけど、読む手が止まらなくなる。描写がわかり易いというか、脳内に場面が浮かんでしまうから全てを自分視点で考えてしまって余計に怖い。ただ、儚い羊達の祝宴に比べると起伏があまりなく、平坦な感じがして少し物足りなくも感じた。
    サキの世界での兄、嵯峨野ハジメの言葉は結構沁みてうるっとした。真っ直ぐな言葉さえも斜に構えて受け取ってしまう、”冷めている”リョウに対して、家庭環境とかではなく人間としての感情が乏しい点で可哀想だと思った。最後まで救われなくて、残酷だなあと思う。
    わたしは世界を変えられないかも知れないけれど、わたしの身の回りの世界は少なからず変えているんだなと改めて思えた。しっかり生きよう。
    あくまで褒め言葉なんだけど、穂信さんの本は1回読んでお腹いっぱいになって、当分読まなくていいや、というか、読めないなって思う…笑

  • 亡くなった恋人を追悼するはずが、自身も同じ断崖から墜落……目が覚めると、そこは彼が『生まれなかった』金沢の町だった。
    パラレルワールドと言ったら聞こえは良いですが、その世界のなんと残酷なことか。

    亡くなった恋人は生存している、仮面夫婦のはずの両親は仲良し、食堂のお爺さんも一命を取り留めている。
    なぜ二つの世界での事実がこうも違うのか、リョウの世界では『生まれなかった』姉・サキと話して気づいたことはその分岐点でした。
    リョウとサキ、それぞれの選択と行動によって導かれたのが、その結果なのです。
    端的に言うとすれば、リョウは生まれない方が良かったということ。
    リョウが生まれない方が、みんなが幸せになれたということ。

    読了直後は「なんだこのネガティブ自己陶酔野郎は」とか思っていたのですが……、レビューを書こうと思い返しているうちに、なんとも苦々しい気持ちになりました。
    つまり、リョウの心情、これそのものが"若さ"なんですよね。
    漠然とした不安の中で、自分の存在意義を思い悩んでしまう、リョウのその胸中が手に取るように分かります。
    なぜなら、私もそうだったから。
    今になって思えば小っ恥ずかしく、「何をそんなくだらないことを」と一笑に付してしまえるのですが、多感なその頃には一大問題なんです。

    そして、その若さゆえの苦悩を、バッサリと切り捨てているのが本作。えぐいな~
    お前なんか生まれない方が良かったんだぞ、と。とんでもない鬼の所業です。
    どちらともとれるラストが秀逸。
    痛々しさ全盛期だった頃の私がこれを読んでたらどう思ったか、なんて感慨に耽ってしまいます。

    文章や構成には多少お粗末なところもありましたが、私には後からじわじわくる良作でした。
    この痛々しさ、思い当たるところがある人にはぜひ読んでもらいたいです。

  • 辛すぎる物語だった。。。

    身近な人が不幸になる様を写真に撮るのが生き甲斐、
    というような悪意を目の当たりにしても。
    愛していたと思っていた相手に、
    自分のネガティブなオーラを照射し続けてしまっていたことに気づいても。
    「自分が生まれなかった世界」のほうが、家庭も恋人も、近所のお店までも
    すべて物事がいい方向に進んでいても。

    せっかくサキという、まっすぐでポジティブな姉を登場させたのだから、サキの存在のせいでかえって自分の存在を否定する、というところまで主人公リョウを追い込まないであげてほしかった。。。

    『儚い羊たちの祝宴』、そしてこの『ボトルネック』と、怖すぎたり辛すぎたりする作品から米澤穂信さんを読み始めてしまって泣きそうだけど、次は救いのありそうな作品を選んでトライしてみよう!

    • まろんさん
      ふふ♪
      出先でtorachanさんのコメントを読んだので、早速ブックオフをのぞいて、いちごタルト買ってきました!
      ↑ここだけ読むとケーキ買っ...
      ふふ♪
      出先でtorachanさんのコメントを読んだので、早速ブックオフをのぞいて、いちごタルト買ってきました!
      ↑ここだけ読むとケーキ買ってきたみたいだ(笑)

      米澤さん読み始める時、まずtorachanさんにアドバイスもらっておけばよかったのに、おばかな私。。。

      しばらく米澤さんは、お菓子系列で攻めてみますね♪

      2012/05/13
    • まろんさん
      余計なおせっかいどころか、torachanさんのアドバイスもレビューも、全面的に信頼しているので、これからも超♪頼りにしてます!

      いちごタ...
      余計なおせっかいどころか、torachanさんのアドバイスもレビューも、全面的に信頼しているので、これからも超♪頼りにしてます!

      いちごタルト読み始めたら、同じ人が書いたとは思えないほど楽しく読めちゃってるし(*^_^*)
      唯一困ってることといえば、ものすご~くタルトやらクレープやらがほしくなることぐらいかな(笑)
      2012/05/14
  • 死んだはずの姉が生き、自分が生まれなかった世界に迷い込んでしまった主人公が、バタフライエフェクトの大きさを知っていく話。
    些細なことですら大きくなり、でも意外と変わらないこともあり、でも死んでしまってた想い人だった彼女の存在に心揺さぶられまくりのお話。

    主人公がうつ状態だったら最後自殺してしまうのかなって思える。
    前向きな成長が出来てたらこれから未来は変えられると思えるのだろうか?
    でも私ならきっと……って考えられるのが面白い読み方かな。
    まあ一部の人の危うさだけは戻っても変わらないのが恐ろしいわ。

  • 【内容】
     亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。(「BOOK」データベースより)

    【感想】
     自分が生まれなかった世界。さらにそこは、自分がいない方がうまくいく世界。そんな世界に迷い込み、自分の存在意義について葛藤する主人公。それは、残酷なことのように感じる。

     でも僕は想う。僕が生きるから「世界」があるわけで、僕のいない世界など、想像できない。自分の存在意義など確認するまでもなく、この世界のいちピースである。

     1人称で描かれた世界観は、何だか哲学的。表現も好きな感じで、ぐいぐい読めた。結末どうなるものかと感じた。

     僕たちは、遠かれ近かれ、僕たちは世界に影響を与えている。それがプラスのことも、マイナスのこともある。でも、そんなささいなことで、悩み立ち止っている場合ではない。

     自分が生まれ生きるこの世界を、愛していくしかない。信じていくしかない。 そんな風なことを考えさせられた一冊。

  • 暗い
    自分が生まれず、流産したはずの姉の居る世界に迷い込む主人公。二つの世界の違いを確認して行くうちに次第に明らかになって行くのは……
    そもそもこの違う世界に迷い込んだ事自体誰かの悪意なのか?と思うほど残酷。
    自分の未来は自分で決めろよ!!!!

  • 何事にも主体的に関わらない人間である主人公は、社会にとってはゼロではなくマイナスの存在であったことがパラレルワールドの存在によって明らかになる、という嫌ミス。

  • 救いのないラスト。それに向けて悲惨な間違い探しをしていくリョウ。
    ボトルネックの自分を自覚したリョウへ追い討ちをかけるメール。「帰ってこなくて構いません」なんて苦し過ぎる。

  • 何となくハッピーエンドになるんだろうと勝手に思って読んでいたので読み終わった瞬間エッとなった

  • 結構なバッドエンド…だと私は思った。現実的にはあの声が聞こえたときから、彼は狂っていたんじゃないか。いや2年前から、苦しみを飲み込めなくて、後悔し続けて、兄の死がきっかけになって…
    話自体は何というか、予想通りだったんだけど、適当なところに落ち着くのかと思ったら全然違っててそういう意味で予想外だった。
    他の作家に似てるって言うのは失礼だとわかってるけど、道尾さんの作品と同じ読後感で、私の好みってこれか〜って実感してる

  • スッキリしないが、それが良い。
    自分自身の存在意義とは?と考えてしまう物語でした。

  • スッキリしないでおわるのやだー笑。ミステリーかと思ったら青春小説でした。

  • 恋人を事故で失った主人公が、「自分がいない世界」であるパラレルワールドを旅するお話し。「自分がいないほうが、世界は総量として幸せだったんじゃないか」と気づくことは残酷すぎるなと。米澤穂信氏の作品は、ミステリしか読んで来なかったのでちょっと新鮮でありつつも、「古典部シリーズ」のどこか虚無的な学生象と重なります。

  • 久々に没頭できた青春ミステリー。ぶっ飛んだ背景ではないけど、日常の錯誤みたいな状況をめちゃめちゃ掘り出してきた感じ。むしろホラーにカテゴライズできてしまうくらいのゾクゾク感。

  • パラレルワールド、でも暗い感じで、主人公に同情するばかり…。終わり方、すっきりしないまま。

    このあと、主人公が一体どんな人生を送ったのか…彼はまだ高校生。

    若者にはあまり読んで欲しくない、と思ってしまった。

  • パラレルワールドを扱ったSF設定の青春ミステリ―。
    主人公のリョウは、「自分が存在する世界」から「自分が存在せず、代わりにサキのいる世界」へと迷い込む。
    文庫本の解説を読むと、作者が長年温めてきたアイデアを満を持して作品にしたものとのことだが、正直、作品の意図がよくわからなかった。
    ミステリ―要素としては、ノゾミの死の真相の解明があるが、一つのアイデアだけであり、単純な内容で大したものではない。
    リョウがパラレルワールドで3日間を過ごし、2つの世界の「間違いさがし」をした結果、見つけたものは、サキがいる世界の方が優れていること、自分がボトルネックであったということか。
    ラストで、「失望のままに終わらせるか、絶望しながら続けるか」の二者択一を迫られたリョウは、母親からのメールを見て、「失望のままに終わらせる=自殺」を選んだということなのだろうか。
    また、フミカや兄の存在は、どういう意味を持っているのだろうか。

  • なんとも言えないけど悪くはない。

  • 主人公、暗いな。

    家庭環境最悪だから、こうなっちゃうのもわかるけど。

    自分が生まれなかったかもしれない世界か。
    うちの次女も、私が二人目を流産した後に生まれた子なので、こういう世界があるとしたら主人公と同じ立場になりうるなあ。

    自分がいない世界の方がうまく回ってたとしたら、それはキツい。

著者プロフィール

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年、岐阜県生まれの小説家、推理作家。金沢大学文学部卒業。
大学在学中から、ネット小説サイト「汎夢殿(はんむでん)」を運営し、作品を発表。大学卒業後に岐阜県高山市で書店員として勤めながら、2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し、デビューに到る。同作は「古典部」シリーズとして大人気に。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、2014年『満願』で第27回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。『満願』は2018年にドラマ化された。直木賞候補にも度々名が挙がる。
その他代表作として週刊文春ミステリーベスト10・このミステリーがすごい!・ミステリが読みたい!各1位となった『王とサーカス』がある。2018年12月14日、集英社から新刊『本と鍵の季節』を刊行。

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