満願 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 8099
感想 : 715
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287843

作品紹介・あらすじ

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 6つのミステリー作品が収録された単独短編集。

    貫井徳郎3作品連読後、無性に米澤穂信を欲した。
    理由は不明。迷わず本棚から引っ張り出した。

    著者の作品は5作目だが、1番最初に購入した作品がこの満願だった。そう、読みたいと思える頃合いを待ち続けていたのだ。

    素直に感想から述べたい。

    今まで読んできた短編集の中でも、ズバ抜けてクオリティーが高く、最後の一文まで堪能した。
    いや、最後の一文こそ、読後に大きな爪痕を残す重厚感があり、著者作のボトルネックを読んだ時の衝撃が甦った。

    特に【関守】と『万灯』が善き。

    本作で著者作品5作目。
    今日今現在、米澤穂信作品で本作は私にとってはダントツの傑作だ。

    ミステリーがお好きな方で、まだ本作品に触れていないのであれば是非ともお勧めしたい。

    ただし、著者作品・古典部シリーズから入った方はご注意をば。

    本作に青春のカケラもない。
    あるのは苦い後味と、予想を上回る精神的ダメージである。

    しかし、著者の言葉選びと発するタイミングは、震えるほど気味が悪くて、心地悪くて、気持ちが良い。

    もはや次の読書作品は決まった。
    いざ、出発進行。

  • このところ、多くなっている連作短編集ではなく、作品のの背景、登場人物とそれぞれ個別のストーリーを持った短編集。時代は、昭和40年代から50年代位でしょうか。表題作含め、バラエティに富む六編。どの作品も、トリックではなく、その事件に関わった人達の深層心理を描くことが中心となります。
    「夜警」
    一人の若い巡査の殉死。彼の行動癖から、事件の違和感が生まれる。
    「死人宿」
    自殺者の多い山奥の温泉宿。昔の恋人を探し出した男。元恋人に自殺志願者の詮索を依頼される。
    「柘榴」
    美しい少女の倒錯した愛情。実母、妹さえも排除する。これが、好みですね。男性作家が、女性の深層心理戦書いているのは、全般的に好きですね。
    「万灯」
    日本のビジネスマンの仕事への執念。成就への行動は、思いがけぬ破綻を期す。
    「関守」
    都市伝説となる、悲哀漂う家族の関守。
    「満願」
    下宿先の女主人だった女性が起こした殺人事件。彼女が、そこまでして守りたかったもの。それに気が付いた下宿人だった弁護士。
    際立ったキャラクターというより、均衡が破綻してしまった日常生活のトラブルを抱えた犯罪といった全作、魅力的な作品でした。

  • 満願 米澤穂信 著

    米澤さん作品の初読了です。
    また、基本的に短編集は読まないです。
    長く物語の世界に入りたいからです。

    満願。短編集です。

    「やられました、、、」
    6作品、全て繋がりなく、さらに物語設定も、文体も、様々です。

    ------------
    ※抜粋
    ●夜警
    警察官の上司と部下。
    緊急連絡で現場に急行。一触即発の事態のため、踏み込む。
    部下は、犯人めがけて発砲するも、殉職。
    上司は、部下が発砲したこと自体への疑念が消えない。
    ------------
    ●関守
    毎年不審な事故死がある峠。
    記者は、都市伝説としての題材として現地取材へ。
    彼は取材で、衝撃の事実に辿りつく。
    ------------
    ●柘榴
    離婚調停の家族。子供は2人。父方は定職なく、扶養義務はおぼつかない。母方はアルバイト掛け持ちし、2人の子供を養う準備を行い万全の体制。
    家裁の判断は「父方」の全面支持。
    家族に「なに」が起こっていたのか?

    ------------
    【読み終えて】
    短編集の良さ。
    それは、起承転結が明確であり、次の物語に早く入ることができること。
    「満願」は、まさに、この小説となりました。


  • ずっと読みたかった米澤さんの一冊です。

    6編から成る短編ミステリーは、どれもとても面白かったです。
    ゾッとするような結末が多いにも関わらず、早く次の話も読みたいと思って一気に読了しました。

    個人的なお気に入りは『万灯』と『関守』です。
    真相がわかってきた頃にはもう手遅れ、という話のバランスが絶妙でした。

  • 山本周五郎賞受賞、このミス1位など高評価を得た一冊は、まさに期待を裏切らないモノだった。
    勝手に長編モノと勘違いしていたが、警察モノ、サスペンス、愛欲、ホラーチックとバラエティにとんだ純粋に独立した6つの短編からなる短編集。
    濃密で、スキのない構成、しっかりと伏線もありながらの切り返し、そして何かザラッとした余韻を残す結末。
    短編ならではのキレがいずれも素晴らしい。充実した短編ミステリーを堪能できた。

  • 重厚で深みのあるお話し6篇を収録した、ミステリー短編集。
    短編集で★5を付けることはほぼないのだが、この作品は文句なく評価できる。

    どの作品も世界観ができあがっていて、短編集にも関わらず、どんどんストーリーに引き込まれてしまう。文章も綺麗で、文体バランスもよく、重い内容にもかかわらずすんなり読み進められます。

    全作品おすすめですが、特に「万灯」「関守」が大好き。最後徐々に見えてくる真相、不幸が迫りくる感覚が怖すぎる。

    ミステリー短編集はどうも好きになれないという方に、是非読んでほしい一冊。

  • 米澤さん初読。

    短編ミステリーとは、どんなものなのだろうか?とこちらも初めて。

    6話とも繋がりはない中で、それぞれ最後まで予想つかなくて…ゾワゾワした。
    短編だからここまでの読後感味えると思っておらず。。すみません!

    他の作品も気になるー^^

  • 短編集。
    それぞれ独立したお話。

    1と6の登場人物が好き。
    ちょっと退屈さを感じながら読んだけど、最後の物語はなかなか味わい深かった。

    各話で奇妙な人物が登場する。
    ちょっとホラーな人物もいたりする。

    読了。

  • 「心にざわめきを。そしてきらめきを。」
    解説の最後にあるこの言葉が合ってるかな。
    短編6話。
    全話に言える事やけど、暗いし、スッキリしないし、後味も悪い。
    人間の負の感情が溢れ出し、最期に!って感じ。
    そんな後味悪いとか言いながら、面白いので、一気読み^^;

  • 全編を通して暗い。
    果てしなく暗いトンネルを歩いている感じ。
    他の方のプレビューを見て 評価高かったので手にとってみたものの わたしは苦手だったかな。
    読み終わったあと ちょうどドラマになり それも見たけど
    それも暗かった 笑。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』で日本推理作家協会賞、14年『満願』で山本周五郎賞を受賞。『満願』は同年の年間ミステリランキングで三冠をとるなど、話題を呼んだ。近著に『王とサーカス』『真実の10メートル手前』『いまさら翼といわれても』『Iの悲劇』『本と鍵の季節』『巴里マカロンの謎』などがある。

「2021年 『黒牢城』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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