満願 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287843

作品紹介・あらすじ

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 短編集なのにその一つ一つが濃い。

    最初の『夜警』を読み終えて,
    そのずっしりとした読み応えに続けて読むのは躊躇われたが,
    再び手に取ると今度は一気読み。
    もっと味わいながら読むべきだった。

    洗練された6つの短編。
    その中の『死人宿』『関守』が個人的に好きだった。

    読んでいるとき,

    ”お前が深淵を覗くとき、深淵もまたお前を覗いているのだ”
    ― ニーチェ

    のフレーズが頭をよぎった。
    日常の中の謎に一度囚われてしまうと,
    もうそれを見なかったことには出来ない。
    そして自分もその謎の一部となる。

    気付けばもう9月も終わり,
    今の季節感にぴったりの雰囲気を醸し出す本作。

    秋の夜長を過ごすお供としてぜひ。

  • 短編嫌いの私が★×5
    これは初めてのこと。

    全ての作品が★×5。素晴らしかった。

    何冊かこの作家さんの本は読んだことがあるはずなのに、
    ここまで心掴まれたのは初めてかもしれない。

    インシテミルは自分の好きな分野だった為好印象なのは当たり前だが、
    この作品は自分の得意分野というわけでもない。

    それなのに全ての作品に気持ちを集中できた。
    短時間で没頭して読了してしまった。

    凄い・・・
    絶対この作家さん、上手くなっている。。。
    短編でこんなに惹かれる作品に出会えたのは初めてのことで、
    自分自身とても驚いている。

    とても良い作品に出会えて幸せだ。。。
    これこそ読書の喜び(*^-^*)

    • もおりいさん
      このレビューを読んで早速本屋さんに行って文庫を買って来ました。新たな本をご紹介頂きありがとうございました❗️
      2017/08/20
  • 短編集。
    表題作は最後の一作だが、
    ある意味全作満願と言えるストーリーだった。
    何かを成し遂げる決意をした人間の
    怖いくらいの気持ちが読了後に染みる。

  • 賞を総ナメにして話題となった、ミステリー短編集。
    物語が進むにつれ、些細ではあるがどこか気味の悪さを孕んだ違和感が一つまた一つと積もっていく。最後の数頁でミステリーらしくその違和感は解消されるが、代わりに恐怖や戦慄が残される点ではホラーと言えるかもしれない。
    どの短編も素晴らしい出来栄え。

  • 「古典部」シリーズの米澤穂信さんの短編集。
    ひとつひとつが、どれも濃い!
    連作短編集かと思えば、どれもまったく違うテイスト。
    どれも面白くて、怖い。
    「満願」は、最後の短編のタイトルなんだけど、
    そこまで読んでみて初めて、
    「この短編は全部、ひとつの願いを貫くことに決めた人たちの話だったんだ」
    と気がつく。
    怖いのだけど、ここに出てくる人はみんな幸せそう。
    自分の願いを、自分の力で叶えたから…ですね。
    だからこそ、面白くて、やっぱり怖い。

  • 場所も内容も様々な、それでいて目をそらすことのできない、強く惹きつけられる力を持った短編集。どれも人間の怖い部分が見え隠れする作品でした

  • 最近話題の米澤さんの新刊短編集。評価は高かったけど、私は儚い羊たちの祝宴の方が好きです。
    遠回しに隠される書き方、なんか薄暗い文章、最後にひっくり返される恐怖…大人版「怖い話」のようだ。

  • 面白かったー。
    短編ミステリーなのだけれど、一編一遍の読み応えが短編ではない。
    どのお話も面白かったですが、「関守」が一番好きでした。
    読んでいくにしたがってザワザワしていくこの感じ。そしてこの終わり方。楽しかったです。
    「万灯」はまるで長編小説の様で、最後の展開にそうきたか。となり、「満願」は切なくも満願でした。
    どの話も展開が上手い。
    人の内面、考えている事は表面だけでは決して分からない。
    その人にしか分からない。
    人間は一人ひとり、自分と他人、全くの別物なのだと改めて気づかされた気がします。
    六回とも明かされる真実に戦慄。

  • 時々ミステリーを読んでいて
    どんな優れているトリックやオチがあっても
    (それまで語られてきた人物像)から
    オチやトリックが少しずれていて、
    たまに違和感を覚えることがあるんだけど、
    (そんな行動的か?とか、そんな派手か?とか、
    そんなジメジメしたか?とか)

    でもこの短編に登場する主人公たちは
    その人物像からしっかり想像できるんですよね。
    なぜ、そこに至ったのかが。
    執念深さ。姑息さ。自分勝手さ。使命感。
    それは、それぞれ違うんですけど、
    根雪のように積み重なった何かがあるから、
    心から震えるんでしょうね。

  • 短編集。どれも共通して人間の裏の顔が描かれている。
    読了2,3日後に警官が上司を銃殺した事件があって、夜警を思い出した。
    米澤穂信さんの作品はインシテミルや氷菓などラノベ寄りの作品しか読んだことなかったから、こういう作品も書くんだ…ってびっくりした。
    この手の作品を長編で読みたいかも。

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