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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784101288192
感想・レビュー・書評
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現代の歴史学者須貝彰が、南フランスのトゥルーズ市立図書館でカタリ派弾圧に関する文書を発見し学会で発表するが、その文書が公になることを阻止しようとする陰謀に巻き込まれるというもの。カタリ派は10世紀のスペインに起源を持ち、南仏の諸侯に擁護され民衆にも広がったキリスト教の異端派である。形式や権威をごり押しするローマ教会に対抗する形で信者を増やすが、インノケンティウス3世は南仏の領土に色目を使うフランス王と手を結んで十字軍を差し向ける。モンセギュール城に籠ったカタリ派たちは殲滅されるが、その後100年に渡って審問官たちが野に散った信者たちを草の根を分けて探し出し火あぶりにしていく。著者のカトリックの教条主義への怒りがはっきり感じられる。これを訴えたいがために現代の物語を創り上げた感じ。妻にこの小説のことを話すと、「イエス・キリストがこのことを知ったら、絶望するよね。キリスト教なんて創らなかった方がよかったなんて思うよ」と言うのだがさもありなん。しかし、異端者を痛めつけたいという欲望は人間本来のものではないかと話し合った。最近の中野信子・ヤマザキマリの本も話題に出た。下巻はどうなっていくか。
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前回読んだ『白い夏の墓標』と同じく舞台はピレネー
若き歴史研究家・須貝彰はトゥールーズ市立図書館でカタリ派弾圧についての手稿を偶然発見する…
それは異端としてカトリックに憎悪され、アルビジョワ十字軍の総攻撃を受け、火刑にされたカタリ派についての古文書だった
早速、須貝は学会でそれについて発表したのだが、以降不可解な事件が起こる…
須貝は自身の身の危険を感じながらも、ペール・ラシェーズ墓地で運命的に出会った精神科医のクリスチーヌ・サンドル、ピレネー山脈の山中で出会ったエリックたちと共に散逸した手稿の捜索をするのだが…
美しいフランスの情景と人々との交流
白アスパラ、エスカルゴ、南仏の郷土料理
そしてアリエージュのワイン…
とにかく主人公たちと一緒に料理を味わいながら旅をしている気分になれる
しかし
カタリ派の弾圧については想像を絶する…
カトリックへの改修を拒んだ者は見せしめにされながら後手に縛られ火刑に…
あまり詳しくは触れないが、これに関する描写は目を背けてしまうほどだ… -
キリスト教の異端とされたカタリ派について、長い間秘匿されてきた古文書をフランスで発見した日本人歴史学者、彼とその古文書をめぐるミステリー。
宗教にも、フランスの地理にもなじみがないけれど、ローマ教会とカタリ派との攻防が、現在の歴史学者や教会にも生きていて、まるで自分がこの古文書を発見したかのようにスリリング。人名や地名を追いかけるのはずいぶん大変だったけれど。
さらに「閉鎖病棟」のイメージの強い作家の作品であることにもびっくり。 -
<教>
これは純文学?それともミステリ?そもそもなんでぼくんちにこの本があるの?
僕にとっては何の興味もわかないはずの宗教がらみの話。でもなぜか読むとこれが面白いんだな。読みやすくて良く分かるという事なのかもしれない。圧倒的な文学のチカラを感じます。エンタメ小説大好き の一方でこういう本も読んでいる我が人生は もしかすると案外芳醇なのかも知れないです。
でもあまり他人には言いふらしたくはありません。なのでなるたけ穏便にw。そして そういう本なので実は下巻が手元に無いw。急いで手に入れます。幸いそこいら辺りにいくらでもある様子なのです。ああよかった。
んで著者についてちょっと調べた。でもまず名前が読めない。あちこち探してどうにか読めた。帚木蓬生 と書いて ははきぎほうせい と読むらしい。もう少し調べるとこの名前はペンネームだとあった。これで本名なら更に調べを進めたかもしれないけど筆名だと分ったところでそこから先を調べるのはやめた。が,途中で筆者は東大卒の精神科医だということも分かった。東大卒にもいろいろあるがこの筆者はまともな方に思えた。あ 高言すまぬ。
マサト(Massat)やサンジロン(Saint-Girons)と云う物語の場所がフランスの一体どこにあるのかがとても気になるので,後半からはGoogleMapでその場所を確認しながら読み進めることになる。これが存外手間が掛かり ともすれば読んでいるテンポに影響を及ぼす。でも,場所がなんとなくでも頭に思い浮かばないままだと 気になってストーリーを追うどころではなくなってしまう。
しかも始末の悪い事に一度調べた場所も簡単に忘れてしまってまた同じ場所を調べている,ということが何度かあって意気消沈する。ま老齢ゆえ仕方ないか。(GoogleMapの機能で「印」を付けて残してゆけば良い事に気づいてからはまあ快調だったw)
場所はフランスとスペインの国境線=ピレネー山脈の麓(ふもと)の町で,地図で右に位置する地中海側海岸線へはGoogleMapの直線距離測定機能で測っておよそ150km 。大西洋岸へは同じく約250kmの場所である。ということは地中海から大西洋までは400km程しか離れていなく,その長さはそのままピレネー山脈の長さにほぼ等しい事になる。ヨーロッパは極端に言うとその国一つが 日本のちょっと大きな県に相当するくらいの大きさであって そういう意味では国から国へ旅をしている,という感覚はあまりない。
と,待てよもしや と読み終わってから思って,もう一度最初のページに戻ってパラパラめくると・・・有った。場所をキチンと説明した分かり易い地図がこの本にはちゃんと載っていたのだ。それを読み飛ばしていたのであった。ああ,なんたることだろう。でも自分で苦労して調べたおかげで 結構頭にイロイロ残った気もする。良かった様な損したようなモヤモヤですわ。
もう20年ほども前の事だが,当時しばしば仕事でヨーロッパに滞在していた僕は,オランダ アイントフォーフェンからドイツ西部,ベルギーを経てフランス パリ近郊まで日帰りのドライブを楽しんだ経験がある。無料の高速道路を乗り継いでゆけば道も分かり易いし快適であったが,フランスの高速道路だけなぜか有料で 料金ゲートであわてて財布を取り出して手のひらにコインを乗せ係員さんに選び取ってもらった記憶が懐かしい。あぁ またこの本と関係ない話題になっていた。すまぬ。 -
歴史学者・須貝彰は、南仏の図書館で世紀の発見をした。異端としてカトリックに憎悪され、十字軍の総攻撃を受けたカタリ派についての古文書を探りあてたのだ。運命的に出会った精神科医クリスチーヌ・サンドルとともに、須貝は、後世に密かに伝えられた“人間の大罪”を追い始める。構想三十年、時代に翻弄された市井の男女を描き続ける作家が全身全霊をこめた、歴史ミステリ。
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ものすごくダ・ヴィンチ・コードですが、この辺の歴史とか全然知らないのですごく興味深い。事実関係はそれなりに正確なのかな?
意外と食事のシーンがどれも美味しそうだった。エスカルゴとか全然好きじゃなくても食べたくなっちゃう。 -
フランスの地名もわからないし、キリスト教やカタリ派もよくわからないので、冒頭部分は読むのがしんどかったが、パリを出る頃から加速して面白くなった。読んでいるうちに、フランスの情景や、カタリ派の苦しみが見えてくるようだ。
まだ、敵?の気配しか見えていないので、ここからどうなっていくのかが楽しみ。 -
評価は読了後。
やたらと法曹界に身を置く友人が勧めるので読み始めたのだが、今のところなかなか面白いエンターテイメント。
かなりバチカンに楯突いているが、それがダークサイドも併せ持つバチカンの宿命か。
たまたまコンクラーべと読書時期が重なるとはなんたる偶然。下巻への期待が余計に高まる、反動が出なければ良いのだが。 -
オキシタン語、カタリ派、ローマ教会が派遣した十字軍の目的とは。
キリスト教に関する知らなかった深く悲しい歴史。
七百年越しに悲痛な思いを届けた修道師、それを受け止めた日本人歴史学者、数奇な運命のもとに彼と巡り会い支えるカタリ派ゆかりの人々。
落ち着け、まだ上巻だ。先は長いぞ。
やっぱ帚木センセ、最高だヨ。 -
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歴史学者が歴史の闇に葬られていた暗部に触れる、と同時にそれを防ごうとする組織が立ちふさがると、まあこんな類のお話でした。キリスト教カトリックの異端審問期に存在したカタリ派がメインになっており、その分野にまったく無知なので、単純に興味深かった。おそらく、カタリ派や中世のこの時期を研究した堅い書物はたくさんあれど、なかなか物語として読ませてくれるようなものは少ないだろう。小説の面白さと素晴らしいところは、物語にそった知識と興味をこんなド素人にでも湧きあがらせてくれることかもしれない。
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フランスに留学中の主人公の研究発表を機に引き起こった殺人事件。
南フランスにおけるカタリ派の弾圧を中心に読み解いていく、歴史ミステリーです。
セリフの随所に聖書からの引用があり、その辺りがうっとおしい方もおられるかもしれませんが、話の展開はテンポよく、ダレたところは感じませんでした。。
フランスの郷土料理のレシピや景色の描写など、あまりメジャーでない南フランスの情景に筆者のフランスへの思い入れが伺え、その辺りも楽しく読めました。 -
『聖灰の暗号(上)』(帚木蓬生、2010年、新潮文庫 )
キリスト教がテーマ、謎解き、謎解きと並行して起こる殺人事件。小説の設定としては『ダヴィンチ・コード』と似てます。
『聖灰の暗号』では、中世にローマカトリック教会から異端とされたカタリ派に関する世紀の大発見をした日本人歴史学者スガイとフランス人医師らとともに、物語が進んでいきます。
謎解きが進むにつれ、追手がいることが明らかに。それはスガイの発見を阻害しようとします。それがため、殺人事件にまで発展してしまいます。
追手が迫るなか、スガイらは謎解きと完成することができるのか。
(2009年12月27日) -
予備情報ゼロだったのもあって前半はやや退屈なスタートだったけど、後半から引き込まれ始めた。下巻に期待高まる。
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読了。12世紀フランスを舞台にしたローマ教会によるカタリ派弾圧の歴史から始まる。歴史は常に弾圧された側の言い分を一切抹殺しておいて、弾圧した側の言い分を大量に流す。いつの世でもこの歴史は繰り返す。相変わらず引き込まれる帚木蓬生!
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【本の内容】
<上>
歴史学者・須貝彰は、南仏の図書館で世紀の発見をした。
異端としてカトリックに憎悪され、十字軍の総攻撃を受けたカタリ派についての古文書を探りあてたのだ。
運命的に出会った精神科医クリスチーヌ・サンドルとともに、須貝は、後世に密かに伝えられた“人間の大罪”を追い始める。
構想三十年、時代に翻弄された市井の男女を描き続ける作家が全身全霊をこめた、歴史ミステリ。
<下>
長き眠りから覚めた古文書は、須貝たちの胸を揺さぶった。
神を仰ぎ慎ましく暮らしてきた人びとがなぜ、聖職者により、残酷な火刑に処されなければならなかったのか。
そして、恋人たちの目前で連続する奇怪な殺人事件。
次々と暗号を解いてきた須貝とクリスチーヌの行く手には、闇が顎を開けていた。
遙かな過去、遠きヨーロッパの地から、いま日本人に問いかける、人間という名の難問。
[ 目次 ]
<上>
<下>
[ POP ]
歴史学者の須貝彰は、中世の異端審問で迫害されたカタリ派にまつわる古文書を南仏の図書館で発見した。
「鳥が飛び兎が跳ねる。それなのに私は悲しい」という、集団火刑を目撃した修道士の手稿を端緒に、謎を追う須貝の周辺で、図書館長らが奇怪な死を遂げる……。
構想30年、考えが異なる人を攻撃する、人と宗教の罪業を問う歴史ミステリー。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
洞窟に入ったりするところが少年探偵団みたいでワクワク。一方で、フィクションとは言え、バチカンと現ローマ法王に対してここまで辛辣に書いてハラハラ感も。下巻へGO!
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この作家やはりただ者ではない!
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ミステリーのはずなのに、カタリ派の歴史を紐解いていくような内容で、実際にあったような気がした。信仰とは?宗教とは?
この謎を説くきっかけになった文献が、図書館の書庫に眠っていたという出だしもいい。 -
一気に読んだ。面白かった!
人間の心は自由なんだなぁ。
レイモン・マルティの手稿が素晴らしかった。
著者プロフィール
帚木蓬生の作品
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