風花病棟 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 308
レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101288215

作品紹介・あらすじ

乳癌と闘いながら、懸命に仕事を続ける、泣き虫先生(「雨に濡れて」)。診療所を守っていた父を亡くし、寂れゆく故郷を久々に訪れた勤務医(「百日紅」)。三十年間地域で頼りにされてきたクリニックを、今まさに閉じようとしている、老ドクター(「終診」)。医師は患者から病気について学ぶのではなく、生き方を学ぶのだ-。生命の尊厳と日夜対峙する、十人の良医たちのストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 帚木蓬生、いい作品が多いと改めて思う。
    これを読むの、3回目。
    どの先生も、穏やかでいいドクターです。こんなドクターにかかりたいと、みんな思うことでしょう。

  • お医者さんが主人公の短編集

     こう書くととても平坦なイメージがあるけど、自身の病気とか引退とか、サラリーマンには絶対にわからない世界がそこにある。ある意味でファンタジーのような短編集だった。

  • お医者さんも人間。でも、どの短編も、「こういうお医者さんが増えてほしいなぁ」と思う、心ある医師ばかりで、明るい灯りがともりました。
    ひとつだけ、大事なこと。最近の研究では、脳幹が死んでも、意識は死んでないという説があり、その証拠として、「指談」というコミュニケーションを取れる方法があるので、できれば帚木蓬生先生にそのことを取り上げた小説を書いていただきたいなぁ。
    献体解剖の前に、本人に確認できたら、その人も喜んで逝けると思うので。

  • 帚木蓬生は短編でも引き込ませる。「日本では国民ひとりひとりがかけがえのない存在ではなく…」 国民性なんだろうな。

  • 帚木氏の人間愛を感じた。何気なく再読したい本だ。

  • 患者さんと真摯に向き合う医師たちの話。
    こういう先生に診てもらいたいと思うものの、読み物としては「良いお話」な感じで、電車の中にぴったりレベル、かな。

  • いろんな立場・いろんな専門のお医者さんの話、10話。
    病院が舞台だったり、全然違うテーマだったり、なんというか、いろいろでした。

    この人の本は以前『閉鎖病棟』を読んだはずなのだけど、レビューも書いてなくて(当時つけた☆は3)、いまとなっては思い出せる話はほとんどなく。なんとなく今回の本も数年たったら「どんな本だっけ…」と思い悩んでしまいそうな気がしてます。
    文章が綺麗で流し読みしやすい上に、物語自体に大きな山や谷がなく、淡々としてるから、かな。

    ただ読んでる最中は切ない気持ちになったり、医者ってすごいなって感心したり、逆に医者も人間だよなあ…なんて思ったり、やっぱりいろいろ思うところはあったので、医者や病院がもっと身近になったときに読むとまた印象は変わるのかもしれません。

  • 無理やり殺人を絡めてミステリーに仕立てることないのに、と思うことの多かった作家さんだったので”普通の良医”の日常の一端を淡々と描いたこの本はとても好きだった。

  • 2015年の51冊目です。
    帚木蓬生氏の小説を初めて読みました。
    2014年秋にリサイクル本として購入し、
    積読状態だったのですがようやく読みました。
    10作の短篇を集めた作品集です。
    著者は精神科医だけあり、医療や病気に関する表現はリアリティーを感じました。
    医療を通した人の生き様に対する真摯な視線を感じます。
    健康や生死の問題は、否が応でも人の心に突き刺さります。
    時に鋭い刃物の様に心を切り裂き、時に小骨がのどに引っかかるように、
    断続的に気持ちを乱します。それらに向き合う人間の心情はとても弱く、
    揺らいでいると思います。どうやって折り合いをつけるのかが綴られているように感じました。それを傍で見つめる医療に携わる人の思いは、”尊厳”なのか。
    同じく救急医療の現場を舞台にした渡辺祐一氏の小説を思い起こさせました。

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著者プロフィール

1947年、福岡県生まれ。東大仏文卒後、TBS勤務。その後、九大医学部を卒業し、現在は精神科医を務めながら執筆を続ける。93年『三たびの海峡』で吉川英治文学新人賞、95年『閉鎖病棟』で山本周五郎賞、97年『逃亡』で柴田連三郎賞、2010年『水神』で新田次郎賞、11年『ソルハ』で小学館児童出版文化賞、12年『蠅の帝国』『蛍の航跡』で日本医療小説大賞、13年『日御子』で歴史時代作家クラブ章作品賞、18年『守教』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞した。

「2019年 『受難』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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