詩の力 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 175
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101289243

作品紹介・あらすじ

小説作品が着飾った盛装姿だとすれば、詩は身体の骨格である…。戦後の現代詩を主軸に、俳句・短歌から歌詞にまで拡がる、現代のすぐれた詩歌表現のありようを、その特徴によって類別し、読解を試みる傑作評論。自らもなお詩壇の最前線に立つ著者が、培った経験を惜しみなく注ぎ込んだ第一級の鑑賞にして、現代詩人の代表作とその意図を知るための格好の入門書である。

感想・レビュー・書評

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  • 吉本隆明逝去の知らせをきき、駆けつけた書店で手にした一冊…
    これは毎日新聞の連載をまとめたものです。
    つまり、記者がまとめたもの…だけど…いや、だからかな…
    随分と読みやすく、それでいて吉本隆明の視座が明確になっています。

    ときおり、ボクは、思うんです…日常、当たり前に口にしている言葉と、
    詩との違いは何だろう…って。並べられた言葉は、どこから、
    詩になるんだろう…って。おそらく、そうした素人の、
    原初的で根源的な問いにも、本書は、やさしく答えてくれています。

    現代詩を通史的に知るには、格好の一冊でしょう。
    ただ、それにとどまらない…短歌、俳句、歌謡曲の歌詞に
    いたるまで俯瞰しているのがスゴイ!
    そして、こんなフレーズにどきりとさせられるのです。

    ―(吉増剛造の詩は)読者の側からいえば、詩の価値が文字の上には
     現れておらず、詩人の内面に隠されているわけで、その価値を
     受け取るのがとても難しくなっている。
     そう考えると、俳句や短歌に比べて、詩は表現としての寿命が
     短いように思えてならない。

    その一方で、現代的な短歌、俳句をきちりと紹介しています。
    俵万智の評などは、まさに絶妙! うなってしまいました。
    こうした姿勢で、ものを読み続けられることこそ、
    人間の人格的な理想であるように思ったのです。

  •  新潮文庫から出たばかりの吉本隆明の『詩の力』をよみました。10代の終わりに傍線を引きながら「戦後詩史論」を読んだやりみずからすると、吉本さんはなんてカドがとれちゃったんだろうと思ったりもするのですが、同時に大学時代に初めて講演を聴いたときに感じた吉本さんの優しさを懐かしく思い出しました。

     日本の現代詩をよもうとする若い人にとってこれほど「温かい入門書」はないんじゃないでしょうか。私も改めてこの本から始めようかな。日本語表現の教科書にも使いたい本です。

  • 39804

  • 2013/7/30購入
    2013/11/11読了

  • 言葉は無敵ではないが無力でもない。

  • いろんな人の言葉をもっともっと聞きたくなった。
    すごいなぁ。

  • 吉本隆明が死んでしまって特集コーナーで発見。

    詩とは何か、芸術とは何か、と考えてきたが、個人に生きる力を与えるものは全て芸術といえばいいのではないか。

  • 詩、俳句の鑑賞の仕方を知ることができた。
    詩人の感性、洞察力、思いなどに少し近づけた気がする。

  •  わたしのなかで渾沌と君臨していた詩人たちが、号令を受けたかのようにザーっと整理された。まるで星座をつくるみたいに。吉本隆明の著書はまだ二冊目ですが、これが日本の戦後指折りの思想家か…とようやくその凄さの一端を体感したかな、という感じ。ものすごくわかりやすかった。たとえば、谷川俊太郎が非・倫理的で田村隆一は倫理的、なんてのは「なるほど!」とすごくすっきりした。
     歌詞に触れているのも面白かった。中島みゆきと松任谷由美の対比(田舎−都会)は特に面白かったな。

  • 詩を初心者にわかりやすく説明している書物です。
    代表的な詩人を何人か取り上げ、その詩人について吉本隆明さんの視点から記述しています。
    詩への入門書はたくさんありますが、これは本当に初めて詩について触れ、知りたい人向けの書物です。

    吉本隆明さんが書いた書物なので、一読の価値はあります。彼はとても偉大な人ですからね。

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著者プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。

「2019年 『吉本隆明全集20 1983-1986』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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