日蝕・一月物語 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 344
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101290409

作品紹介・あらすじ

錬金術の秘蹟、金色に輝く両性具有者、崩れゆく中世キリスト教世界を貫く異界の光…。華麗な筆致と壮大な文学的探求で、芥川賞を当時最年少受賞した衝撃のデビュー作「日蝕」。明治三十年の奈良十津川村。蛇毒を逃れ、運命の女に魅入られた青年詩人の胡蝶の夢の如き一瞬を、典雅な文体で描く「一月物語」。閉塞する現代文学を揺るがした二作品を収録し、平成の文学的事件を刻む。

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めたのだが、これは難解だ。。。
    そろそろ読めるんじゃないかと手に取ってみたが、
    私にはまだ早かったようで・・・ 残念。
    絶対にまたチャレンジしてみせる!!

  • 世界観がすごい。読み進めるうちに異世界に連れ込まれるかのよう。大学生のうちにこの文章を書き上げることができる才能に嫉妬。

  • 平野 啓一郎氏が TV 日曜美術館 エル・グレコ に出演していたので、本を読みたくなった。

    平野 啓一郎の本は、ジャンルを超えているらしい。
    作品ごとに扱う対象がころっと変わり、それがどれも素晴らしいとのこと。
    といっても、私のジャンルでは「小説」だ。

    この本の前半に収録されている「日蝕」を読んだ。 昔風の漢字の羅列、古るっぽい文体。
    嬉しいことにルビが振ってあるし、古い本より活字が大きい。
    内容は、なんだろう〜、がんばって最期まで読んだ。
    著者は、主人公の宗教や世界観に共感しているのだろうか。それとも作品のために書いただけ・・・?


    連載 : 空白を満たしなさい / 平野啓一郎 というのを Webで読めるらしい。 ん、読んでみる!?
     URLはこちら https://cakes.mu/posts/1562 『第一章 生き返った男 1《Save Me》(前編)』 :   
     URLはこちら https://cakes.mu/posts/1563 『第一章 生き返った男 1《Save Me》(後編)』 : 
     
    2013/04/06 予約 4/9 借りる。4/20 読み始める。4/27 日蝕を読み終わる。

    内容と目次は

    内容 :
    日蝕
    異端信仰の嵐が吹き荒れるルネッサンス前夜の南仏で、若き神学僧が体験した錬金術の驚異、荘厳な光の充溢、そして、めくるめく霊肉一致の瞬間…。
    現役大学生が聖文学を世紀末の虚空に解き放つ。

    一月物語
    明治30年、奈良県十津川村。 森を彷徨う青年詩人は、老僧に毒蛇から救われ山寺に逗留する。
    俗世から隔絶された奇妙な時空の中、青年は現世と夢幻の境を越え、一人の女と出会う…。
    芥川賞受賞後第一作。

    著者 :
    1975年愛知県生まれ。京都大学法学部卒業。
    99年大学在学中に「日蝕」で第120回芥川賞受賞。

  • 著者のデビュー作である『日蝕』と、第二作『一月物語』を収録しています。

    『日蝕』は、ルネサンス期のリヨンを舞台に、トマス主義者である一人の青年僧が、ヘルメス主義にもとづいて錬金術をおこなっているという老人のもとを訪ね、奇怪な出来事を体験する話。『一月物語』は、明治30年の奈良県十津川村を訪れた青年が、夢とも現実ともわからないなかで美女と出会い、その謎めいた魅力に惹かれていく話。

    両作品ともに、晦渋な文体とシンプルなストーリー・ラインがアンバランスさを感じさせます。デビュー直後には「三島由紀夫の再来」という煽り文句と、何人かの批評家たちの辛辣な評価に取り巻かれていました。なかには「暴走族の落書き」といったようなことばもあったように記憶しています。

    ただ、その後の著者の作品を知ることのできる現在から振り返ってみると、このころから著者は一貫して、小説でなしうることはいったいなにかという問題に持続的に取り組んでいることがわかります。そうしたものとして見れば、本書も一つの試みとして興味深く読めるように思います。

  • 錬金術と云うもののひとつの解釈の提示。

  • ※一先ず、日蝕。一月物語は読み次第追加。

    【日蝕】
    文体自体は、最初は読みにくかったけれども、いつしかそれほど気にならなくなった。
    純文らしく、種々の比喩や修飾は好ましいモノが沢山あった。
    また、これまで宗教や錬金術に関する概念を知らなかったのだけれども、
    二元論とそれらが一体化することについて、深い興味を持つことが出来た。
    ただ、読むのめっちゃ時間かかりました。

  • 「日蝕・一月物語」平野啓一郎◆「日蝕」はページを開いた瞬間に漢字の多さに目眩がしましたが、半分を過ぎた辺りからは話に入り込めました。「一月物語」は和風な幻想小説いう感じで「日蝕」よりも読みやすいし面白いのですが、時間が経ってたからもじわじわと熱を発し続けるのは「日蝕」かも。

  • 「日蝕」
    「アンドロギュヌスの正体は何か」
    「ジャンの父親は本当にユスタスなのか」等
    物語の横軸に、いくつかの謎を残す作品で
    深読みの余地は多く、それが読後の余韻にもつながっている
    しかし
    錬金術師の捕縛に際し
    逃げ出すことしかできなかったにもかかわらず
    「自分自身こそアンドロギュヌスだったのかもしれない」
    などとのたまう主人公の
    奇妙な図々しさには違和感がある
    「自分は、他者の死によって自我に目覚めたジャンと同じだ」
    そんなふうに言うならわかる気もするのだけど…

    「一月物語」
    北村透谷をモデルにしたと思しき主人公が
    「胡蝶の夢」をさまようというお話
    北村透谷というのは、明治日本を生きた詩人で
    近代日本文学の確立に深くかかわったと言われる
    よく知られるのは、「恋愛至上主義」を日本にはじめて打ち立てたこと
    これにより、すべての男子は「白馬の王子」になる資格を得たのであり
    またすべての女子は「囚われの姫」たりうる存在になったのだ
    しかし同時にこれは、「心中」を肯定する理屈にもなった
    「ストーカー行為」を正当化する理屈にもなった
    さらには
    ナショナリズムのための「殉死」を肯定しうるものでもあったわけだが
    そもそもそいつは文明開化にかこつけて
    てめえのエゴと性欲を言い訳してるだけじゃないのかい
    …という批判は、検討されてしかるべきだろう
    ちなみに「恋愛はただ性欲の詩的表現」と言ったのは芥川龍之介だったが
    それはさておき
    この作品じたいは、端正な構造にまとまっていて
    なかなか読ませるものだ
    美醜をめぐってただよう自意識も
    この段階ではニヒリズムの態に保たれており
    さほど嫌味ではない

  • 私が大学生になった年の芥川賞で、現役京大生が受賞したということで、ずっと気に掛けていた。
    読みながら、「平野氏、ものが違う」と思ってしまった。
    ただ文体や内容が奇抜というわけではなく、各所に散りばめられた要素の裏付けとなる知識については、本当によく調べ上げられたものであると感じられた。
    その意味で、決して空想的ではない。
    内容はぶっ飛んでいると感じられるが、本作は現実的な努力の上に立っている。しかも、一見それを伺わせないような姿で。
    新規性があるとかなんとか、一言で言ってしまうのは失礼に当たるかなと感じた。

  • 文庫本ながらサイン本。出だしから難解で、長いことほってあり、観念して、お風呂の読書タイムに持ち込んだ。何とか読み終えたが、難解この上なく、これがデヴュー作とは驚き。サインをもらうとき、著者のお姉さまが私と同名だと聞いた、その一点にのみ、親しみを感じます。繰り返し。難解。

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著者プロフィール

平野 啓一郎(ひらの けいいちろう)
1975年、愛知県蒲郡市生まれ。生後すぐ父を亡くし、母の実家のた福岡県北九州市八幡西区で育つ。福岡県立東筑高等学校、京都大学法学部卒業。在学中の1998年、『日蝕』を『新潮』に投稿し、新人としては異例の一挙掲載のうえ「三島由紀夫の再来」と呼ばれる華々しいデビューを飾った。翌1999年、『日蝕』で第120回芥川賞を当時最年少の23歳で受賞。
2009年『決壊』で平成20年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、2009年『ドーン』で第19回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2017年『マチネの終わりに』で第2回渡辺淳一文学賞、2019年『ある男』で第70回読売文学賞(小説部門)をそれぞれ受賞。2014年には芸術文化勲章シュヴァリエを受章した。『マチネの終わりに』は福山雅治と石田ゆり子主演で映画化が決まり、2019年秋に全国で公開予定となっている。

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