- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101292038
感想・レビュー・書評
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死後、怨霊や悪霊となった(されてしまった)人々の歴史的背景を詳らかにする本。
どの人も無念や悔恨の情にかられる事情はあったが、その人たちを怨霊や悪霊と変化させていったのは本人ではなく、いつの時もその人たちに対して不当な仕打ちをした側の人間の心理と、それを巧みに利用しようと企む神無き者の邪心だということがわかる。
それも終焉に向かうと、今度は神格化してしまうという日本人の性質も言及されていて、菅原道真の章で「お詣りする方々は彼が学歴社会で成功したかに見えて結局は失敗した人間であることをご存知なのだろうか。」という部分には感心した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
〜目次〜
吉備聖霊―忘れられた系譜
不破内親王姉妹―呪われた皇女たち
崇道天皇―怨念の神々
伴大納言―権謀の挫折
菅原道真―執念の百年
左大臣顕光―不運と報復
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《不破内親王姉妹(p.45〜)》
登場人物:不破内親王、井上内親王、塩焼王、白壁王、他
《崇道天皇 (p.85〜)》
登場人物:桓武天皇、早良親王(諡号:崇道天皇)、他
【引用】彼の怨霊に最も苦しめられ続けられた人物の人生の軌道を追うことによって、多分怨霊となった早良親王の周辺を浮かび上がらせることができる 〜中略〜 では、その人物とは? 平安初期の剛毅果断の王者、桓武天皇そのひとだ。(p.88)
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〜↓裏表紙より↓〜
世の中には、生きている間じゅう不当な扱いを受けつづけ、恨みを呑んでゆかざるを得なかった者がいる。
菅原道真、伴大納言、崇道天皇、吉備皇女、不破内親王姉妹……古代貴族社会の熾烈な権力闘争を勝ち抜くことが出来ず、悪霊となり、この世に報復する人間たち。彼らの怨念とその背景を探ることによって、日本人の精神構造を浮き彫りにする連作歴史人物評伝。
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他の出版社のも有り。 →
悪霊列伝 (角川文庫)
ISBN-10: 4041372070
新潮文庫の[正]と[続]の2巻分を収録?!-
「菅原道真―執念の百年」
百年も祟ったてコト?
道真は夢枕獏の「陰陽師」に出てきて、何となく哀れみを感じています。と言う訳で読んでみようかな...「菅原道真―執念の百年」
百年も祟ったてコト?
道真は夢枕獏の「陰陽師」に出てきて、何となく哀れみを感じています。と言う訳で読んでみようかな。。。2012/04/10 -
伝奇っぽい本書のタイトル、また「列伝」「評伝」ということで、
《菅原道真(p167〜202)》は、
第1章(6ページ分)の寸劇のあと、怨...伝奇っぽい本書のタイトル、また「列伝」「評伝」ということで、
《菅原道真(p167〜202)》は、
第1章(6ページ分)の寸劇のあと、怨霊にされた道真の人物像や、歴史的背景などの解説(評論?)で構成されています。
2012/04/18
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