おめでとう (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 238
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292328

感想・レビュー・書評

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  • 川上さんお得意の、女達の恋の短編集はやっぱりいいな。
    ちょっと風変わりな困ったちゃん達の恋愛模様にニンマリしたりアハハと笑ったり。
    友人が思わずつぶやいたセリフ「まったくもう、困った、でもいい人だねこの人は」にも激しく同意。
    不倫相手の元恋人に憑かてる内に仲良くなったり、論理的思考を持っているのに鈍感だったり。
    みんな呑気でおおらかで。
    愛すべき困ったちゃん達の逞しさに元気をもらった。

    大人のしっとりと湿り気のある恋愛物も良かった。
    「俺150年生きることにした。そのくらい生きていればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうしさ」
    別れ際にそう言った彼。
    途方もない年数は叶うわけはないと知っている。
    気まぐれな言葉ということも。
    けれど、女はその言葉を忘れない。

  • 再読でも、とても寂しくて好きです。
    記憶をなくし続ける物語の次に、忘れないでいようというこの物語を読んだのでなんだかそれが印象的でした。
    なんと表現していいかわからないくらい、ふわふわととりとめない空気ですが、それでもこれは恋愛なのかもしれません。レンアイ、と片仮名にしてしまう方がぴったりかも。
    どのお話も寂しくて好きなのですが、ラストの「おめでとう」が一番好きです。再読して初めて、「西暦三千年一月一日のわたしたちへ」と書いてあることに気付きました。滅びを感じさせる世界観が素敵です。
    昔、好きだった人に差し入れとして渡したことがあります。読んでくださったかはわかりませんが。
    わかりやすいのは「センセイの鞄」だと思いますが、川上さんの恋愛小説はこんな空気のものが好きです。

  • 川上弘美さんの作品は7作読みました。こちらは再読です。川上弘美さんらしい短編集。12編入り。中でもお気に入りは『冬の一日』。すごく昔に読みましたが、その時にもすごく心に残り、これだけ何度も読んだので今でもよく覚えていました。とても好きです♪それぞれ全体的に切なく寂しい雰囲気が漂っていますが、ほっこり温かい感じもします♪『冬の一日』のトキタさんが駅の改札口で言った言葉は切なくて、じーんとして泣いてしまいました(;_;)川上弘美さん平仮名の使い方も上手くて淡々と語られる大人の落ち着いた恋愛の雰囲気が素敵です☆

  • 恋物語が、なぜか淋しい恋愛と感じます。

    冬に読みたい本です。

    百五十年か……。

  • きれいな話、ではなくて、
    日常に潜むちょっと生々しい恋愛の1コマ、を、
    感覚的にスパリと切り取ったような短編集。
    きれい、というのは、
    クリーンの意味もビューティフルの意味も兼ねている。

    恋愛においては、
    おそらく倫理観というのは絶対的基準を持たないもので、
    不倫だろうが浮気だろうが復縁だろうが復讐だろうが、
    当人が良しとするならばそれが「善」である。
    よって、この作品中に出てくる様々な女性たちは基本的に自分の立場を恨んでいない。
    悔いてもいない。
    そういう意味では感情面でのドロドロ感は希薄で、
    善とした上で話がどう展開していくのか、
    を、楽しむ要素が大きい。

    んー、しかし、私はこのパターンに途中でやや飽きてしまい、
    もっとフツーの長編を読んでみたい気分になった。
    (とは言え『センセイの鞄』もやや苦手なのだが。)

  • 7年振りに再読。「春の虫」と「冬の一日」が好きだったなーと思い出しながら読んだら、やっぱりとても好きだった。
    「冬の一日」のトキタさんは優しい、でも今読むと、それはちょっとだけずるいよねって思ったりした。

  • 言霊っていうのかな。
    ことばひとつひとつに、何か見えない力が宿ってるよね、
    川上さんのお話は。
    しかも、長編より短編のほうがちょうどいいかも。
    長編だと、見えない力によって私の心が支配されて、
    読み終わるころにはいつも、疲れちゃうんだよね。

    川上さんの小説は、
    女じゃないとほとんど共感できない気持ちばかり。
    不倫やらなんやらドロドロしてても、共感できちゃうから不思議。
    男性のように哲学的でなく、
    直感的で感情的だから、
    ことばひとつひとつが、胸に突き刺さるよね。。。
    ふわふわした表現なのに、なんでこんなにグッとくるのかしら。

    あとがきにも書いてあったけど、
    表現がフランス的なんだって。
    フランスは、日本の文学よりももっと、
    言葉を大事にしてるのだとか。
    そんなフランスでは、川上さんが絶賛されてるっていうから、
    なるほどなって思った。

    もう、川上さんの小説は読み尽くしてしまったなぁ・・・。

    • 円軌道の外さん

      はじめまして!
      兵庫県に住む、
      猫と映画と音楽と活字中毒の
      プロボクサーです。

      フォローありがとうございました!


      ...

      はじめまして!
      兵庫県に住む、
      猫と映画と音楽と活字中毒の
      プロボクサーです。

      フォローありがとうございました!


      レビューいくつか読ませてもらい
      かなり共感したので
      フォローさせてもらいました(笑)


      川上さんの文体は言葉が美しいし
      どこか官能的で、
      女性の心理描写が
      ホント上手いですよね。

      そして表現がフランス的って
      確かになぁ〜って
      腑に落ちました♪


      この作品はまだ読んでないし
      久しぶりに川上さんの言霊感じてみたいので(笑)、
      借りたい本リストに書いて
      今度また図書館でチェックしてみたいと思います!


      これから何かと
      レビュー等参考にさせてもらいますんで、
      今後ともよろしくお願いします(^_^)

      コメントやお気に入りポチ頂ければ
      必ずお返しに伺います☆


      2013/01/29
  • 楽しく読めた。
    内容は忘れたけど・・・。

  •  好きだなあ川上弘美さん(もともとセンセイの鞄で好きだったけど)。

     気持ちを丁寧にさらってあって,何ひとつきっぱりと言い切れない。でもそれがいい。
     ふたりの関係性の大きな部分には触れず,その周縁をメインにしながら,ふんわりと大きな部分を描いている。
     人々が自分を不幸ぶらずにただ淡々としっかりと出来事を受け止めているところも好き。

     いいなあ。

  • この方の書く話には飽きが来ない。
    何故なんだろう。

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著者プロフィール

1958年東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。著書に『蛇を踏む』(芥川賞)、『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)、『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)、『水声』(読売文学賞)等。

「2018年 『話しベタですが… 暮らしの文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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