おめでとう (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1828
レビュー : 240
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292328

感想・レビュー・書評

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  • お気に入りの一冊になりそう。
    短編だと一行ごとの印象が強いし物語ごとの悲哀が濃くてとても好き。飲み仲間の友人にプレゼントしたい。

  • 第一印象、なんだこのとぼけた感じの文章。どちらかというとあまり好みでない。でも笑っちゃう。じわーっとくる可笑しさがあります。よくわからない作品もあり、すごく面白いと思った作品もあります。「天上台風」「ぽたん」が好きです。ほんわかしてるけど、どれも切ない作品。

  •  好きだなあ川上弘美さん(もともとセンセイの鞄で好きだったけど)。

     気持ちを丁寧にさらってあって,何ひとつきっぱりと言い切れない。でもそれがいい。
     ふたりの関係性の大きな部分には触れず,その周縁をメインにしながら,ふんわりと大きな部分を描いている。
     人々が自分を不幸ぶらずにただ淡々としっかりと出来事を受け止めているところも好き。

     いいなあ。

  • 川上さんお得意の、女達の恋の短編集はやっぱりいいな。
    ちょっと風変わりな困ったちゃん達の恋愛模様にニンマリしたりアハハと笑ったり。
    友人が思わずつぶやいたセリフ「まったくもう、困った、でもいい人だねこの人は」にも激しく同意。
    不倫相手の元恋人に憑かてる内に仲良くなったり、論理的思考を持っているのに鈍感だったり。
    みんな呑気でおおらかで。
    愛すべき困ったちゃん達の逞しさに元気をもらった。

    大人のしっとりと湿り気のある恋愛物も良かった。
    「俺150年生きることにした。そのくらい生きていればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうしさ」
    別れ際にそう言った彼。
    途方もない年数は叶うわけはないと知っている。
    気まぐれな言葉ということも。
    けれど、女はその言葉を忘れない。

  • この方の書く話には飽きが来ない。
    何故なんだろう。

  •  いろんな組み合わせの男女(あるいは女性二人)が登場する。
     どの人物もけっして若くはない、少なくとも十代や二十代とは違う。
     いわゆる「大人」の関係を形成している。
     形成している……はずなんだけど、会話にしろ行動にしろ「子供っぽい」。
     そこで自分のことを顧みる。
     いい「大人」になっているはずなのに、僕の考えも僕の行動も「子供っぽい」。
     そんなところが妙にリアルに感じてしまった短編集。
     それはそうと、僕のような男性読者の受け取り方と、女性読者の受け取り方にかなりの違いが出てくる作品のように思う。
     そんなことも興味深く思いながら読み進めた。

  • 再読でも、とても寂しくて好きです。
    記憶をなくし続ける物語の次に、忘れないでいようというこの物語を読んだのでなんだかそれが印象的でした。
    なんと表現していいかわからないくらい、ふわふわととりとめない空気ですが、それでもこれは恋愛なのかもしれません。レンアイ、と片仮名にしてしまう方がぴったりかも。
    どのお話も寂しくて好きなのですが、ラストの「おめでとう」が一番好きです。再読して初めて、「西暦三千年一月一日のわたしたちへ」と書いてあることに気付きました。滅びを感じさせる世界観が素敵です。
    昔、好きだった人に差し入れとして渡したことがあります。読んでくださったかはわかりませんが。
    わかりやすいのは「センセイの鞄」だと思いますが、川上さんの恋愛小説はこんな空気のものが好きです。

  • ☆5つは付け過ぎなんですけどね、色々と考えるネタを貰った作品なので、ちょっとサービスです。
    川上さんは多彩な作品を書く人のようですが、この短編集でも幾つかのパターンが出て来ます。
    「センセイの鞄」を思わせるちょっと不思議な主人公の恋愛を描く「天上大風」、「蛇を踏む」のようにファンタジックで寓意的な「運命の恋人」、そして男女の一場面を見事に描く「川」など。それぞれが見事だと思います。
    しかしいずれにしても、緩やかにうねり、決して白波の立つことの無い瀬戸内の海のような、どこかゆったりした流れがこの人の持ち味という気がします。

  • 男女の恋愛、不倫、同性の恋愛、いろんな形があるけれど根底にあるのはとても普遍的なものであるように思えた。
    失ってしまう不安や、先の見えない未来。それらと静かに闘っている人たち。
    決して幸せな物語ばかりではないのに、幸せな気分になるのはどうしてだろう。

  • 「運命の恋人」と「どうにもこうにも」がお気に入り。女性らしさ、というよりも、人間らしさという風に例えることがしっくりくるような感覚。卑怯なところも含めてこそだよなあと思う。女性らしさや男性らしさの定義は人によって違うし、だからこそ色んな人同士が惹かれ合うのかもしれない。どうあるべきなのか、よりも、どうしたいのか。

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著者プロフィール

川上 弘美(かわかみ・ひろみ)
1958年生まれ。96年「蛇を踏む」で芥川賞、99年『神様』でドゥマゴ文学賞と紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞と女流文学賞、01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年『真鶴』で芸術選奨、15年『水声』で読売文学賞を受賞。ほかの作品に『風花』『どこから行っても遠い町』『神様2011』『七夜物語』『なめらかで熱くて甘苦しくて』『水声』などがある。2016年本作で第44回泉鏡花文学賞を受賞した。


「2019年 『大きな鳥にさらわれないよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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