ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 3906
レビュー : 589
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292342

作品紹介・あらすじ

ニシノくん、幸彦、西野君、ユキヒコ…。姿よしセックスよし。女には一も二もなく優しく、懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう。とめどないこの世に真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが、切なく胸にせまる、傑作連作集。

感想・レビュー・書評

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  • ニシノ君みたいな男子に女子は引っかかるんだろうな~ってなんとなく思った。何故か気になるだろうな~!?
    女子目線の本を久しぶりに読んだ気がする。そのせいか入り込めなかった。
    「セックス」って単語が何回出て来たんだろう(笑)
    「どうしてきちんと人を愛せないんだろう?」と思いながらまた愛を求めるニシノ君。彼は怖くなかったのかな?
    結局誰かの特別な人でいれなかったのかな?!

  • 稀代のダメ男・ニシノユキヒコの日常を十人の女性が語る短編集。「女自身も知らない女の望みを、いつの間にか女の奥からすくいあげ、かなえてやる男。それがニシノくんだった」。彼はどの女性も不幸にしていない、だけど、読むごとに苦しくなるのはなぜだろうと思いました。

  • ニシノユキヒコの恋と冒険

  • 「ニシノユキヒコ」という男に恋をした、10人の女性たちがえがかれている連作短編です。

    やさしいけれども、一人の女性を愛することができず、恋愛をくり返していく10代から50代までの「ニシノユキヒコ」は、一人ひとりの女性におうじてさまざまな姿を見せ、彼女たちの鏡となりながらも、その鏡像には彼女たちの手がけっして届くことはありません。こうした本作の構造は、著者の短編「物語が、始まる」とおなじ主題であるものの、それが他者を排した自分の世界のなかへと閉じこもってしまうことなく、反対にそのゆえに彼女たちが「ニシノユキヒコ」に魅かれてしまうところに、おもしろさを感じました

    内田樹の『ラカンによるレヴィナス―他者と死者』(文春文庫)の議論と本作をかさねて読んでみるというのも、興味深い試みになるのではないかという気がします。

  • ニシノユキヒコはほんとにダメ男だ!
    けど、妙にセクシーである。
    ダメ男なのはわかってるのにいつのまにかはまってしまう女心は、とてもよくわかる。
    ダメ男なんだけど、悪人ではない。むしろ、自分にとても正直で、そういう意味では善人に近いのかもしれない。言うなれば、無意識さの悪、みたいなものだろうか。

    川上弘美さんの、温度の低い、なんだか乾いた雰囲気の文章が好きだ。
    ベースは恋愛小説だし、出てくる女たちは色んなかたちでニシノユキヒコに恋をしているのだけど、けして温度は高くない。
    最初から終わりを予感させるような冷たさがあって、ダメ男のニシノユキヒコが愛おしくなる。
    真性の女ったらしであるニシノユキヒコに一度でも触れた女たちは、ずっと好きなわけではないのに、彼のことを生涯忘れることはできない。

    人生の最初から最後まで、自分が本当に求めるもの(愛?愛すること?)を探し続けた、まさしく冒険のような彼の生きざま。(生きざまというほど格好良くはないのだけど。笑)
    映画版は竹野内豊がニシノユキヒコらしい。観てみようかな。あんなにイケメンじゃないほうが、逆に合う気がするけど。笑

  • しんみりしたい時には川上弘美


  • とんでもない浮気男を取り合う10人の女の話だと思ってました。全然違いました。

    川上弘美さんの手にかかると、部屋に二人でいるだけ、ご飯を食べてるだけのシーンがとってもロマンチックな場面になる。さすがです。

    側から見ると順風満帆なニシノユキヒコくんの垣間見えるさみしさと、それに付随する10人の女たちの美しさと自立心。
    ぶどうという話がとってもすきです。
    飄々としている男を壊すような、自立した女になりたいな。

    出てくる女の人たちもみんなとっても素敵な人ばっかりなんだよな。憧れる。

    ただの下世話な話じゃなかったです。
    美しいけどさみしい恋物語でした。

    2018.01.31

  • 平鍋さんのレビューやくまちゃんの日記にあって気になったので読んでみました。

    この方が芥川賞をとったのは私が学生の頃でしたが、実は今まで一度も読んだ事なかった作家さんです。

    さすがに筆力が高い感じはしました。

    10話のオムニバスになってますが、最初の「パフェー」がよかったかなぁ。

  • ニシノユキヒコへそれぞれの女性が抱いたような想いは、どんな女性も一度は感じたことがあるものかもしれない。
    手に入らないとはじめからわかっているけれど、そしてそこに冷静に向き合おうとするけれど、はじめから引力のように惹かれていること。はじめからあきらめているつもりで、勝手に傷ついたり、なつかしく胸を痛めたりすること。

    ---追記20190123---
    本当はみんなニシノユキヒコみたいなものなのでは。むしろニシノユキヒコは自分が人を愛せないことに気づいてるだけましで、誰のことも愛してなんていなくって、愛してるつもりで、拘束し所有することを愛と呼び、愛してる自分に酔ってるばかりなのでは?と少し怖くなった。

  • 第三者から語られるニシノユキヒコ話から、煮え切らなさがヒシヒシと伝わってきた

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著者プロフィール

川上 弘美(かわかみ・ひろみ)
1958年生まれ。96年「蛇を踏む」で芥川賞、99年『神様』でドゥマゴ文学賞と紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞と女流文学賞、01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年『真鶴』で芸術選奨、15年『水声』で読売文学賞を受賞。ほかの作品に『風花』『どこから行っても遠い町』『神様2011』『七夜物語』『なめらかで熱くて甘苦しくて』『水声』などがある。2016年本作で第44回泉鏡花文学賞を受賞した。


「2019年 『大きな鳥にさらわれないよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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