どこから行っても遠い町 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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本棚登録 : 1893
レビュー : 210
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292410

感想・レビュー・書評

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  • 川上弘美さんらしい短編小説が11編。連作で、それぞれがゆる~く繋がっています。東京の下町風の郊外(?)での、日常を描いていますが、皆さんはそこからなにを感じるでしょうか。

  • 穏やかなのに息苦しかったり、もやもやしていたはずなのにさわやかだったり。
    細かな繋がりに少し嬉しくなる連作小説。

  • 読了 2013/8/22

    捨てたものではなかったです、あたしの人生ー。男二人が奇妙な仲のよさで同居する魚屋の話、真夜中に差し向かいで紅茶をのむ主婦と姑、両親の不仲をみつめる小学生、そして裸足で男のもとへ駆けていった女…。それぞれの人生はゆるくつながり、わずかにかたちをかえながら、ふたたび続いていく。東京の小さな町を舞台に、平凡な日々の豊かさとあやうさを映し出す連作短篇小説。

    《目線》
    1 予備校の英語教師・唐木妙子
    2 穏当でない父をもつ小4・枝元譲
    3 家庭内別居の両親をもつ三田村サチ
    4 介護ケアマネ3年目・谷口聡
    5 非凡な義母をもつ平凡な千木良時枝
    6 「ぶどう屋」板前・廉
    7 違わない世界観を想う榊原潮
    8 東大中退の占い師・川原清
    9 雨の写真を撮る津原由起
    10 決定する女を疎む羽生高之
    11 20年以上前に亡くなった春田真紀

  • ”結婚は、こわい。たった一回の失敗でそんなふうに思うなんて、ただの臆病者なのかもしれないけど。”

  • 都心から電車で20分ほどの場所にある商店街のある街。
    そこに関わる様々な人のストーリーを短編集で物語っていく。

    下町のような風景描写があり、でも下町らしいストーリーがあるわけでもないため、様子を頭に思い浮かべることができず、すっと自分の中に入ってこなかった。

  • 都心から電車で20分、人口も多く大型スーパーなどもあるのに商店街が“善戦”している町。そこに住む老若男女の人生模様を綴る連作短編集。
    連作短編集の面白さの一つは、次はどの登場人物が主人公になるのか、というワクワク感である。前の一編では小さな小さな脇役だった人物が、次の、もしくはもっとあとの一編では意外なドラマを見せてくれたりするとうれしくなってしまう。
    そういう意味ではこの短編集はまさしく意外なドラマの連続であった。
    意外と言えば死者の語りでしめるのもかなり離れ業だ。しかもそこで物語の中の謎の一つが明かされる。この作者でなければできないような自然さで。そこがすごい。
    一方、「四度目の浪花節」の廉ちゃんと央子さんや「急降下するエレベーター」の佐羽と南龍之介などはもっと行く先を見てみたい気もする。

  • ある小さな町に住む老若男女たちが、少しずつ関わったり、どこかでこっそり見られていたり、実は誰にも知られていない事情があったり…
    なるほど、ここは”街”ではなくて、”町”なのですね。
    人が日常を生きていく場所。寂しさや憂いをいっぱい含んだ場所。

  • とても不思議な作品。

    ひとつの町を舞台にした連作なため、他の章で登場する人物がひょっこり現れて交点は見えるけれど、決して一本にはまとまらない。

    不思議な関係があっても、それがすべて明らかにされることはなく、最後まで読んでもくっきりとした輪郭は出てこない。

    でも、人間ってそういうものなのかもしれない。

    中の文章を借りるならば、自分の存在など何の決め手にもならないと思っていても、ただ生きてすれ違うだけで、人は他人に何かしらの影響を与えてしまうのかもしれない。
    そして、そういう影響が重なり合って人間関係が、町がつくられているのかもしれない、と思った。

    ぽろっと気になる文章が作品中に落っこちているので、それを拾うために立ち止まりながら読んでもおもしろかった。

  •  とある町のオムニバス。1話1話独立しているようで、あぁやっぱりつながっていたか…と。
     ちょっとせつなくなるような…。
     商店街…。現在、居住する町の商工会会員でありながら、設計事務所、という、商店ではない自分の仕事。でも第1話の魚屋の2階は設計事務所だった。まったく物語には出てはこないけど。
     あの設計事務所はやっぱり商店街の一員なんだろうか…という、どうでもいいことが気になった。多分、私だけの感想。
     蔵書になるだろう…は装丁のせいもあるだろう。

  • ひんやり、ひたひた。
    時折、ほっこり。

    人と人と、否、自分と誰かの繋がりについてふと思いめぐらせる。
    私とあの人、あの人と誰か。あの人たちと私。
    小説並みに不思議なことも感じることはある。
    何て頼りないんだろう、目に見える物事のかたちとは。

    そんなことを思いながら、不思議な手触りの遠い町に引き込まれた。

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著者プロフィール

川上弘美(かわかみ・ひろみ)
一九五八年東京都生まれ。一九九四年「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞しデビュー。一九九六年「蛇を踏む」で芥川賞、一九九九年『神様』で紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞、二〇〇〇年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、二〇〇一年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、二〇〇七年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞、二〇一五年『水声』で読売文学賞、二〇一六年『大きな鳥にさらわれないよう』で泉鏡花文学賞を受賞。二〇一九年紫綬褒章受章。

「2019年 『掌篇歳時記 秋冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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