ブラバン (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292717

感想・レビュー・書評

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  • ストーリー的にはすっきりしない部分はあるけど、ちょっと意外に面白かった。過去と現在は間違いなく繋がっている。

  • 私自身がブラスバンドをやっているということもあり、この本を手に取りました。読んでみると、音楽にはさほど深入りしませんが、ブラスバンド部を舞台とした人間ドラマで面白かったです。現代と過去を行き来しながら、本当の青春とは何なのか。突き詰めた作品だと思います。ブラバンは、人数が多い部活なだけに、さまざまな人がいて、それぞれのストーリーがある。この本を読んで、改めてブラバンが好きになりました。

  • 不幸な人ばっかりで重い気持ちのまま読み終わりました。エンディングもモノ足りませんでした。

  • 特に何も事件は起こらず、淡々と話が進んでいくだけなのに、なぜか先が気になりやめられない。
    各所各所でたった1行の表現が次への期待を生んでいる。
    ちなみに私は吹奏楽は全く知らないし、出てくる楽器もあまりわからない。

    他作者ではあるが、なかなか何も起こらず暇だった「道尾秀介:ラットマン」の印象(http://booklog.jp/users/ms-k/archives/1/4334748074)と全く逆。

    いたって普通なのになぜか感じる文体の綺麗さ、章の終わりと始まりが魅力的なのでそうなのだろう。

  • まったくの別角度からの、私の「Change」本です。
    純粋な「小説」ですが、大人数の「ブラスバンド部」の過去から現在までのうねりのような変化。主人公のファシリタティブな目。知情意の情の部分が大きく感じられますが、それもまた現実と感じます。

  •  一週間も夏休みがあったのにほとんど本を読めなかったのが残念。これは休み前に読み終わっていたもの。なんで手に取ったのか忘れたけれど店頭衝動買いの一冊。「永遠の青春組曲」なんて気恥ずかしいカバー解説にあるように、スポ根ではないけれどそれに近い高校の吹奏楽部の日々とその卒業後の再結成の話。合唱や吹奏楽は文化部ではあるけれど、体力が要求されることもあって筋トレしたりするし、日々の朝錬夕錬と運動部みたいな側面がある。チームプレイでもある。
     広島にあるという設定の典則高校のブラスバンド部でコントラバスを弾いていた僕、他片等の一人称で物語は進む。僕は卒業後25年を経て流行らない酒場のマスターになっているが、そのもとに25年前のメンバーを集めてブラバンを再結成して結婚披露宴で演奏するという企画が持ち込まれる、という筋書き。ただし内容のほとんどは再結成の苦労話ではなく、現役当時のさまざまなエピソードに満ちた回想シーンだ。それがテンポよくおもしろい。お父さんがだまって高価なエレキベースを買ってくれる話なんか泣かせるし、コントラバスをエレキ仕様に改造するシーンなどは大笑い。会話が広島弁なのがローカル感を醸しだしていて、この場合はプラスに働いている。最後は意外な結末に終わるのだがこれはこれでいいと思う。
     軽い。一気に読める。深刻な場面もあるにはあるのだけれど、深刻にさせない明るさが救いになっている。難をいえば大編成の部活なので登場人物が多いところだろうか。だけどパートごとに分かれているし、基本的に重なっているのは3学年しかいないので、それほどわかりにくくない。主要な10人くらいの友人はキャラが立っていてすぐにおぼえられるし。ぼくはとっくに過ぎてしまったけど、高校卒業して25年、40代前半の人には吹奏楽をやっていなくても同世代感というかもっと作品世界に浸れるのかもなと思う。

  • ジャズを愛する筆者の自叙伝を思わせる。吹奏楽部員だった過去と、現在の織り交ぜ方が絶妙。文章も嫌味なく好き。振り返る高校時代に甘酸っぱいエピソードがあり、読んでいて楽しい。これ、「スウィングガールズ」が映画になっていなかったら、映画にできたね!

  • やっぱり吹奏楽やりたいなと思ってしまう。

  • 地元の方言にブラバンってことで私は読みやすかったけどな。
    穏やかでない部分もあり、求めていた爽やか青春回顧ではないけれどアリ。

  • 自分の青春もブラバンだったので買いました。言葉とかシチュエーションとかわかって懐かしかった。単純にハッピーエンドでなく、人なら当たり前に年を取る事とか人生をどうやって重ねてるのかとか、いろんな登場人物を通して読めました。自分も音楽で人と繋がってたからまたバンドで音楽をやりたくなりました。

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著者プロフィール

1964年広島市生まれ。青山学院大学卒業。“津原やすみ”名義での活動を経て、97年“津原泰水”名義で『妖都』を発表。著書に『蘆屋家の崩壊』『ブラバン』『バレエ・メカニック』『11』(Twitter文学賞)他多数。

「2023年 『五色の舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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