読み解かれるD: クロニクル・アラウンド・ザ・クロックIII (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 100
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292748

作品紹介・あらすじ

レオが、アルコール依存症に陥っていることが発覚した。ギタリストを失った“爛漫”は、新たな形態を取り、存続することに。そのような中、岩倉理が、向田くれないの出生について、語り始めた――。それぞれの音楽を求め、彼らはもがき続ける。そして、真犯人“オープンD”が遂に全貌を現す。ロックバンドよ、永遠なれ! エンターテインメントに新たな地平を拓く年代記。完結篇。

感想・レビュー・書評

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  • 暫くの時間が空いての書き下ろし音楽小説の最終巻。
    かなり待ち遠しかった作品。

    あらすじを云々はアレなので割愛しますが、今作の
    音楽パートのメインとなる、ロックバンド「爛漫」の
    活動が描かれる様は、売れかけたバンドとしては
    割とありきたりな道筋を辿っていくのですが、
    作者の音楽への愛情と知識が付け焼き刃や、薄っぺらい
    イメージで書いたものでは無いため、非常にリアル。
    本当に存在しているバンドが辿っていく道筋を見てるような
    錯覚に陥ります。
    自分がこの「爛漫」が紡ぐロックを好きかどうかは分からないですが、
    何となく実際のバンドに置き換えると...うーんジャックス辺りを
    イメージしますねw。

    もう一方のミステリパートはオープンDなる人物のしっぽを
    淡々と追いつめる展開。個人的にはロックパートが面白過ぎて
    ミステリとの融合はなくても十二分に楽しめた作品なので
    ミステリ部分については...正直真相などあまり重要ではないw。

    人気やセールス的には名作「ブラバン」の方が分かり易いのかもしれませんが
    ここまで自分が読んできたロック小説の中で一番面白く時間が過ぎた、
    津原氏の代表作と言っていいシリーズだったのではないでしょうか。

    ラストの解説は・・・まさかの「村下孝蔵」!!

  • 20191028
    アルコール依存症によりレオが離脱した爛漫(未定)。父を知ったくれないだが、鋭夫の距離が物理的に離れていくなか、遂にオープンDの正体が判明する。
    オープンDは以外にあっさり成敗?されるが、爛漫メンバーのその後の方が見所あり。相変わらず甘いところの感じられない二人だが、ラストの告白は最高である。あっさりなのに、実はすごく重くて深いところがすごくいい。これぞ津原さん!

  • ロックバンド「爛漫」がいよいよ復活!?そばにいたひとがどんどんいなくなってしまうことに呆然としながらも、自分のできることを探していく主人公……だけど、変わらないところは変わらないですね(^^;そこがいいんですけど。音楽+ミステリですが、今回はややミステリの方が強めかな。この自意識過剰なところとエキセントリックがありつつも、すきすぎない雰囲気が絶妙で好きだなあ、この雰囲気。

  • くれないは老成していたのではなく突っ張っていたのだ。
    それが成長を経ることで事後的にわかってきたのが感慨深い。
    血縁を重要なファクターにするのはやや作品としては寂しいものがあるが、
    青春を描くのにはいいのだろうね。

  • 勝手に「大仕掛け」を期待していたので、あれ?という感じ。津原作品なのだからして一筋縄ではいかないだろうと身構えていて、また第一作のあとがきが思わせぶりだったんだよねえ。これは「少女小説作家津原やすみ」と「ベーシスト津原泰水」のファンに向けて津原泰水さんがサービス精神を発揮したもの、と考えた方がいいのだろう。

    あれこれ気を回さずに一作目から読み返している途中なのだが、いやあ、これってキュートな恋愛ものなのね。やっとわかりました。

  • 三部作の締めはこういうラストになるのか!という気持ちと、
    切なくて締め付けられるような甘い気持ちがない交ぜになった。
    くれないの父親についてもあかされ、岩倉氏とむらさきさんの過去もある程度あかされ、
    そして過去二作では謎のままだった「真犯人」も、驚きのあかされかたをして、全てが動き回る感じ。
    ただあまりにも怒濤の展開すぎてついていくのに必死になった。
    鋭夫とくれないの、そして爛漫の未来はどうなったのかがただただ気になるばかり。

  • 面白かった。どんな結末になるのか、本当にハラハラしたのは久しぶり。この著者の初期作品、少女小説時代を彷彿とさせる文体や展開も良かったです。赤羽根菊子とか岡村五月とか懐かしい名前。。

  • 爛漫たる爛漫
    バンドもの、ということもあって目に止まった一巻を購入
    最後を読んだときに続編がありそうだなと思ってそのまま放置していたのだが、本屋にて二、三巻を発見し、購入
    最初読んだ時、ボーカリストの死って言うのがフジファブリックと被ってしまって(全く作品と関係ないが)イメージとしてはそれで読んでました。
    最後、曖昧に終わった箇所もあって少し不満ですね

  • 「クロニクル・アラウンド・ザ・クロック」3部作、最終巻。
    ロックパートは並々ならぬ愛着を感じるストーリー展開、並行するミステリパート、うーん素っ気無すぎて消化不良。ページがもっとあれば。もっと読みたかったということなのね、ということでスピンオフに期待。

  • 2月16日読了。図書館。

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著者プロフィール

津原泰水(つはら やすみ)
1964年、広島市生まれの作家。青山学院大学国際政治経済学部卒。1989年、津原やすみ名義で『星からきたボーイフレンド』を執筆し、デビュー。1997年、津原泰水名義で『妖都』を刊行。以後、『蘆屋家の崩壊』などの「幽明志怪」シリーズ、『綺譚集』『少年トレチア』などの幻想小説で人気となる。2006年、吹奏楽部での体験を基に『ブラバン』を刊行し、ベストセラーに。2014年には「五色の舟」がSFマガジン「オールタイム・ベストSF」国内短篇部門1位となり、コミカライズ作は第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。2016年、『ヒッキーヒッキーシェイク』が第33回織田作之助賞最終候補になり、同作は2019年6月6日、早川書房から文庫化される。

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