アメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2009年10月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784101293714

感想・レビュー・書評

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  • オバマ政権発足当初の出版であり若干の古さは否めないが、昨今の国際情勢からも関心を持たざるを得ないテーマである。
    アメリカ政界で確実に影響力を持っているとされるユダヤ人。殆ど公にされていないその実相について具体的な団体や人物の動きをたどり、なぜ人口わずか2%の民族集団がそれほどの力を発揮するのか、説得力ある構図を提供する。議会や政権中枢への働きかけの中でも、イスラエルの存立において許せない行為には一丸となって報復する(つまり落選させる)実行力は他の集団に比べて圧倒的な強度を見せつける。再選がかなわなかった2人の大統領(カーターとブッシュ父)を見て、その後を継ぐ者が何を学んだかは想像に難くない。
    今後、アメリカの国力が相対的に衰退していくことは間違いなく、イスラエルの現今の過激な武力行使には、その後を見据えた予めの危険の排除のようにも見える。勿論それは新たな紛争の種蒔きでもあるのだが。

  • 先月イスラエルがイランを攻撃したとニュースになった。その攻撃をアメリカのトランプ大統領は支持した。
    何でアメリカとイスラエルは仲が良いのか?

    政治の事は複雑で難しいが、これまでのアメリカとイスラエルの関係が何となく分かった気がした。

  • ユダヤロビーの凄さは資金力だけでなく、その頭脳明晰さもある。
    アメリカの中東外交に強い影響力を与えているのはこのユダヤロビーである。
    しかし本書にはこのロビーと南部キリスト右派、イスラエルのリクード党とともに、三角関係のトライアングルを形成して協力しているのだという背景が書かれている。
    この強固なタッグでアメリカはずっとイスラエルに肩入れしてきた。
    その一方でその力ですべて自由にアメリカをコントロールしているわけではない。
    飽くまでアメリカの国益とこの強固なトライアングルが一致してこそ、力が発揮できるのだ。
    この本を読むと、いかに物事は政治の裏側で動くかを思い知らされる。
    「正しい」、「正しくない」でみると本質を見誤る。
    これは1つの政治現象なのだと、そう理解することにしました。

  • 予備知識として…というくらいのもの

  • アメリカ合州国はイスラエルに対して、他の国に対するのと比べて法外な経済援助や恵国待遇を行っている。それはなぜか? を問う本である。

    結論だけ書いてしまうと、それは在アメリカユダヤ人の為せる技だという。

    ユダヤ人社会の持つ財力や(富豪と呼ばれる資産家がゴマンといる)その組織力によって、アメリカ総人口の2%弱にすぎないユダヤ人が上院議員の13%を占めるなど、アメリカの国政に強い影響力を持つに至り、陰に日向に偏向的に操っていると。(もっとも、偏向的でない人間社会なんてあり得ないが)

    かれらの基本的動機は、2000年以上に及ぶ宗教的対立と被差別の歴史だろう。聖地エルサレムを中心とするイスラエルへの思いとアラブ世界への嫌悪は我々の想像も及ばないほど根深いはずで、その行動原理をもってアメリカを突き動かし、親イスラエルへ向かわせているのではないかと思う。

    昨今パレスチナの動静を見るにつけ、歴史的にユダヤ人が迫害されて来たのは、実はかれら自身の強靱な性格や目的に対して最短距離を突き進む激しさにあるのではないか?とかねて勘ぐっている。ここに見るような強烈な意志が世界を席巻しつつある(例えばグーグルの創始者2名もユダヤ人である)中で、のほほんと私利私欲を満たす程度の理念行動しかない日本はいずれ食われる一方だろう、という感を新たにしたのである。

  • 2013年(改訂前底本06年)刊。著者は獨協大学外国語学部教授。

     米国外交でのイスラエル偏重がいかに生まれ、形成され現代に至ったか。その過程と理由を解読していく。


    ① 基本的にはリベラル基軸の民主党支持のユダヤ層が、政治への影響力を強めるに従い共和党へも大きく食い込んでいるという事実。
     つまり党派の関係性の無さを意味する。
     これは、ユダヤ層がレーガンを支持(=反カーター)した一方、父ブッシュには極めて冷淡(石油マネー・アラブとブッシュ家の強い協同性と関連)に露わになっている。もっとも、ユダヤ層の二極化(親イスラエル派と親リベラル)にも関連していると見れそうだ。

     子ブッシュについてみると、父より多少はマシだが、ユダヤ層に冷遇されるという事実が見えてくる。それが、ユダヤ層のクリントンへの支持に顕出されているのだ。

     ②次に、票と金の問題だ。
     ユダヤ層の親イスラエルを反映・浸透させるべく、親イスラエルの議員・大統領の選挙に対して多大なマネーを投下している。
     そもそも献金禁止が表面上は徹底している中、例えば、党大会の運営費の支出などにマネーを拠出しているのだ。
     しかも、政治家としては、高い投票率・一致した投票行動をとるユダヤ層の票田としての価値も見逃せないところだろう。
     その意味で、米大統領選挙での候補者属性と政策を考える上では、ユダヤ層にどのような形で支持を受けているかは常に留意しなければならないとも言えそうだ。また、議会の構成及びそのメンバーにも同様の目を向ける必要あるのも道理。

     なお、ユダヤ系米国人の概略について
    ① 政権への影響力の重視。
     それは、流浪民族である点と、欧州やロシアでの迫害の歴史に由来する。
    ② リベラルの重視。
     政権批判の自由なくして自己保全は果たし得なかったという歴史認識に由来。特に、ナチス・ドイツの経験に顕著。

    ◆補足
     ユダヤ系米国人と、イスラエル人との間に利害の衝突はないのだろうか?。

  • よく言われる「イスラエル・ロビー」の活動とその影響について解説されている。マイノリティであることには違いない在米ユダヤ人が、その結束力の強さに裏打ちされた投票率の高さと資金収集力によってアメリカ政治のさまざまな舞台で、キャスティング・ボートを握っていることがよくわかる内容である。

    本書はユダヤ人の動向を中心に解説するものなのでかなり偏りがある見方ではあると思うが、実際に合衆国政府内の要人の発言と照らし合わせながら考えると、本書で表現されているユダヤ・ロビーの影響力は大げさに表現されすぎているとは言えない。

    私は、本書を読みながら日本における在日外国人の参政権に関連付けずにはいられなかった。多民族国家であり、世界のスーパーパワーであるアメリカは、たとえイスラエルに偏った立場をとったとしてもその軍事的、経済的背景から外交の中で自己を正当化させることもできよう。しかし、日本のような経済のみ(しかも冷戦構造の裏側で成長した)で成り立っているような国が、在日外国人から政治的に強い影響力を受け、他国の利益を優先するようなことがあれば、これは国家存亡の危機に直結する。
    外国人参政権が認められていない今であっても、総連、民団とのつながりの強い現政権は、すでにかなり日本の政府として疑問を持たざるをえない振る舞いが見られる。

    また、特定の宗教団体による政治への関与の恐ろしさも本書ではっきりと浮かび上がる。投票率の高さ、資金力ともに、宗教団体ならではといったところである。ユダヤ・ロビーは非課税で集めた資金を政治に回すというから驚くが、日本でも同じ仕組みで資金を回す団体があろう。これは選挙において相当なアドバンテージである。

    国の体を守り、自ら立って諸外国と渡り歩くために、自国のことは自国民が決める、あたりまえのことは最低限、守らなければならない。特定の政治的な集団に所属しない国民の政治への関心向上と投票行動こそ、日本を日本たらしめる結果につながるものと思う。思うが・・・。

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著者プロフィール

獨協大学教授

「2022年 『ウラ事情がわかる!「ユダヤ」で読み解く世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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