ノーザンライツ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.11
  • (97)
  • (77)
  • (66)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 681
レビュー : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101295220

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大自然を賛美し守るようなことが書かれているのかなと思っていたが、それは余りにも浅はかだった。アラスカでの核実験計画プロジェクト・チェリオットの話には興奮した。ただやみくも今のアラスカを守るのではなく、アラスカや人々の変化は当然で必要でありそれに対応していくことが重要という立場は非常に冷静で、しかしアラスカに対する情熱は人一倍であるのが伝わってくる。

  • 今回で、星野道夫氏の著作は8冊目ぐらいだが、今までで圧倒的に面白かった。いや、どれも星野道夫氏の著作は面白いのだが、この著作では、アラスカの激動の歴史が、その時代を生きた人々からの経験や言葉から語られ、それらの人と年齢が大きく離れているにも関わらず星野が実際に深い友情で結ばれていること!が物語を面白くしている。こんなにも、アラスカという場所が、魅力的であることを今まで知らなかった。いつか、自分にとって人生で大事な旅の時に、アラスカを訪れてみたいと思う。

    星野氏ほど、写真としての表現力、人を惹きつけるこの文章力の2つの両方が、これほど卓越している人はいないのではないか。。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“あの人が買う本”で登場。
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/04.html


    女優の田中律子さんが手に取ったのは、「ノーザンライツ」(星野道夫)

    「星野さんって大好きだったんです。カメラマンさんなんですけど、行ったことないのに、涙が出る感じなの。」


    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/teaser.php

  • 去年、六本木のキャノン写真展であった写真がちりばめられ、書かれていた。この本を読んでから写真展へ行く、というのもありだったかな、と。

    それにしてもこの本は、自分が「アラスカ行ってみたい」とは思っているのだが、そういう軽い気持ちで数日間いるのではもったいないな、と思わせる。

  • 古本市で見かけて、縁があったので購入。
    星野さんの本は、旅をする木に続いて2冊目。
    ようやくこの人の写真をみることができた。
    旅をする木はなぜか写真が無かった。。。


    内容は、まあ、アラスカへの愛、と開拓者たちの横顔といったところ。
    文がうまく、内容もすごいのだけど、ロマンチストのナチュラリストたる星野節満載、という印象もあった。
    自分のことはほとんど触れずに、アラスカの友人たちのことを書いているためか、ふわっとした印象を受けた。

    核実験場に選ばれていたことは、今回はじめて知った。

    生まれは白人だが、中味は完全にアラスカの人という友人が分断に苦しんでいる、という話が印象深い。
    タクシードライバーの人生。

  • 図書館で。
    憧れの地に旅するのとそこで住むのは違うものだからなぁとなんとなくしみじみ思いました。そしてその土地にずっと住んでいた人よりも移り住んできた人の方が古来のやり方を通そうとしているのは興味深い。そりゃ、犬ぞりよりはスノーモービルの方が便利だろうしな、と思うから土地の人が便利なモノを知り、昔の生活スタイルを捨てていくのは仕方ないことだと思う。日本でも京都で着物着て暮らしている外国の人とかが注目を集めるとかそう言う感じなんだろうな~

    とは言えやはりその地に長く先祖と共に暮らしていた人の話の方が心に響くなぁなんて思いました。
    終章を書く前に著者は亡くなられたんですね…。その事件の事は知りませんでしたが痛ましいなぁと思いました。

  • 自然写真家の星野道夫氏による、アラスカの生活や文化に関するエッセイ。
    「旅をする木」が有名が星野氏は、90年代に仕事中にヒグマに襲われて亡くなっている。
    日本人によるアラスカ本はあまりないので、人類学的には貴重なのではないか。中でも、原住民のエスキモーたちの、伝統的な生活様式について詳しく書かれている。年中、カリブーと呼ばれる大型のシカのような動物の狩りをして、自然のなかで暮らしているようだ。アラスカには壮大なマッキンリーもある。アメリカ政府が、アラスカに原子力研究所を作ろうとしたり、土地の所有権を西洋的に決めようとするたびに、原住民たちは自分たちの意見を表明してきた。
    著者は大学卒業後アラスカに移り住み、そこで十数年現地の人に交じって暮らした。民族意識が強い地域に、よく受け入れられたと思う。
    アラスカのことはあまり知らなかったので、現地のいろいろな人生の話をへぇ~と思いながら読んだ。インディアン文化に興味がある人には面白いはず。

  • なぜこんなにも、星野道夫に魅かれるのか、わかった気がする。

    もちろん、アラスカという地に魅かれているのも事実。でも、たぶん、自分は星野道夫の視点とアラスカを知るための姿勢に魅かれていたのだろう。

    星野も知らないアラスカがたどってきた歴史を、その当時を生きてきた人たちから話をうかがう。オーラルアーカイブやオーラルヒストリーをこんなにも自然にこなしているのだ。それが、今の自分のやりたいことと重なり、魅かれているのだ。

    よく星野の言葉で表現される、「間に合った」「間に合わない」ことがどれほど貴重なものか。自分が一歩を踏み出さない限り、「間に合わない」ことがどんどん増えていく。

  • この歳にもなってまだ、生きている意味ってなんだろう、などと考えたりする。
    意味などない、ということは知っている。

    北へ旅するムースの群れだとか、
    季節ごとに巡ってくる鯨たちだとか、
    年ごとに変わる氷河の風景だとか、
    そういうものと同じ。

    でも、「暮らし」には意味がある。
    その意味を守ろうとする尊い意志がある。

全53件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1952年、千葉県市川市生まれ。19歳のときに目にしたエスキモーの村の空撮写真に惹かれ、村長宛に手紙を書く。20歳の夏休みにアラスカに約3カ月滞在。帰国後、写真家になる決意をし、慶應義塾大学卒業後、動物写真家・田中光常氏の助手を2年間務める。1978年、アラスカ大学野生動物管理学部に入学。以後、アラスカの自然と人々をテーマに写真と文章で記録し発表。1996年8月、カムチャツカ半島で取材中にヒグマに襲われて急逝。アニマ賞・木村伊兵衛写真賞受賞。

「2020年 『新版 星野道夫 悠久の時を旅する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

星野道夫の作品

ノーザンライツ (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×