天涯の船〈下〉 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101296166

感想・レビュー・書評

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  • 夏休みに長い本を読んだ学生気分が懐かしい!ってなわけで『エデンの東』に続いて読みました。

     『天涯の船』玉岡かおる

     エデンよりは短いんですけど上下巻1000ページもあるし、明治大正昭和にわたり時代背景も長く、スケール大きく、波乱万丈盛りだくさんの物語でした。

     はじめにきらびやかな宝飾品がミステリーに登場、お姫様の替え玉、米国留学(明治の初め鹿鳴館の頃ですぞ)、替え玉のミサオの苦労、オーストリアの子爵に求婚される、遠距離恋愛、禁断の恋と続いて、少女コミックも真っ青です。

     玉岡かおるが3年もかけてお書きになった力作だし、明治からから昭和の歴史的人物(たとえば岡倉天心、新渡戸稲造、...吉田茂まで!)もばっちりはめ込んであっておもしろいのです。

     わくわくドキドキ、ジェットコースターものがたりの興奮なんですが、うーん、やっぱりわたしには何か足りないんですよね。ああおもしろかったでいいんでしょうけどね。

  • 松方コレクションについて知れたのはよかったけど、恋愛物語はさらっとで良かったな。ちょっと、しつこかった。

  • 時代が2人の運命を狂わせたけれども、その時を生きた人の中では進んだ2人だったが、男女の中だけはそうはいかなかった。
    関西人としては、とても読みやすいお話。

  • 「天涯を渡るふなびと舵を持ち 行方を定む恋の道へと」の歌が標題になって居る様に、全編、史実を大幅にディフォルメしての大河小説。上巻は盛り上がって読むパッションも高まったが、下巻に入ると、所詮不倫。

    有能な国際的ビジネスマンであり、地位も家庭も確固とした光次郎が突き進む道に、みさおはどんな路傍の花に写っていたのだろうなんて考えた。

    でも表紙の彼女・・凛と背を伸ばし、自信に満ちている。
    伯爵夫人として家庭の地位も安定し(社会的にはどうだったのだろうかと思うが・・所詮、極東から来た女以上とは見られなかったのかなと・・もの珍しくはあっても)日本へ帰ることなく、アメリカで生を終えたのは、彼女しかその思いを真実には語れないと思う。

    しかし、結果オーライ・・

  • 女性は、内に秘められた思いや決意をかかえて、長年生きていけるものなんだと強く感じられる作品。
    あとがき児玉清さんなのも感慨深い。

  • 激動の人生を綴った前編から、後編はメロドラマっぽい感じになりました。
    「縁」というよりは、ご都合主義的な感じを受ける場面が多々あった。
    そもそも、前編で光次郎さんが男気を発揮していたら、このすれ違い状態にならなかったんじゃないかと思うとすっきりしない。
    光次郎さんは、それができる立場だった筈なので、余計にそう思う。
    お互いに精神的には長年パートナーを裏切っていたわけで、個人的には奥様の矩子さんが気の毒だなと思ってしまうので、良かったねーと素直に思えない。
    以前読んだ『クォーター・ムーン』もすっきりしない後味で、この作者さんとは感性が合わないのかなあ……。

  • 今のように渡航が一般市民には到底考えられなかった時代。これは、まさに大海を挟んだ大恋愛小説。そのスケール感も壮大。

  • 出来すぎた切ないロマン❤️

  • 7年ぶりに読みました。
    やっぱり、面白くてページをめくる手がとまりません。前は前半の方が面白いかとおもったけど、今回は7年という月日を経たのもあって、下巻で、二人が年を重ねてからの恋愛がうらやましいとさえ思ってしまった。
    光次郎~、ナイスです。

  •  下巻。
     一転してなんというか……うん、恋愛ってすごいですね。
     そして、今もなお、お勝さんが一番強そうっていう不思議さ。お勝さん魅力的だわー。というわけで私は上巻の方が好きなのでした。

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著者プロフィール

◎玉岡 かおる(たまおか・かおる)作家、大阪芸術大学教授。兵庫県三木市生まれ、神戸女学院大学卒業。15万部のベストセラーとなった『夢食い魚のブルー・グッドバイ』(新潮社)で‘89年、文壇デビュー。著書には『銀のみち一条』、『負けんとき ヴォーリズ満喜子の種蒔く日々』(以上新潮社)、『虹うどうべし 別所一族ご無念御留』(幻冬舎)などの歴史大河小説をはじめ、現代小説、紀行など。舞台化、ドラマ化された『お家さん』(新潮社)で第25回織田作之助賞受賞。『姫君の賦 千姫流流』(PHP研究所)は、2021年、兵庫県姫路市文化コンベンションセンター記念オペラ「千姫」として上演。2022年5月『帆神』で新田次郎文学賞受賞。

「2022年 『春いちばん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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