- Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101296197
感想・レビュー・書評
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読み始めは少年達を含めた若者の成長の物語と思ったが、3人の女性の生き方を描くもののようだった。
明治の時代に女学校から果ては東京まで勉強に出た金持ちの家の女性、男親に死なれて芸妓になった女性、お手伝いながら健気に生きる女性。(上)では、意に染まぬ結婚や町の有力者に無理矢理に落籍される芸妓とか不安な形で終わる。その女性達の心の中心にいるのが坑夫の雷太。(下)では、どのような結末を迎えるのか見当が付きにくい。読むのが怖いような・・?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2018年4月22日、読み始め。
2018年5月4日、読了。
読み応えのある内容であった。
明治時代から戦前位にかけての、庶民の生活を舞台にした内容の本は、好きである。
自分にとっての読書は、ある意味、現実逃避であるので、今の時代を舞台にしていると現実的すぎる。かといって、あまり古いとわかりにくい。
そういった意味では、この作品は良い。 -
明治時代の生野銀山を舞台にしたお話。
なかなか面白く、不穏な最後だけど、
下巻が楽しみ。 -
息が苦しくなるような描写が繰り返されるのを、一気に読了。
雷太が悩む貧困という社会悪。
若いころ、父のいない友人に、自分の父をあげることはできない、なら、どうしたら友人を救えるのか…?と悩み、福祉を学ぼうと進路を決めたことを思い出した。
これから、きっと雷太はたくさんのことを知り、知恵を貯めていくに違いないと期待して、下巻に進みたい。 -
玉岡かおるさん、初読みでした。人物の書き方が素敵です。無名の人たちの物語だけど、一人一人の人生はそれぞれ大河ドラマなんだなあと思った。
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日本史の教科書にもたびたび登場する生野銀山。その開坑は、807年と伝えられる、兵庫県は姫路の北の山間部に位置する場所。この生野銀山を舞台として、炭坑夫として働くことになった雷太、彼を取り巻く3人の女性たちのと悲しく切ない人生模様が綴られていく。
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物語の中心にいる3人の女性、名士の娘の咲耶子、芸妓の芳野、そして、女中の志真のうち、かなり芳野に肩入れをして読んでいた。きっと、咲耶子が幸せになるのだろうな予測しつつも、何とかして芳野が幸せにならないかと心の中で地団駄していた。詩や小説や歌でもそうなのだけれど、僕は女性の登場人物に感情移入することがほとんどだ。何でだろう。命が輪廻しているだとしたらならば、前世は女性だったのかな(一応断っておくけれど、現世で女性になりたいと思ったことはただの一度もない)。
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下巻にて
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明治の生野銀山を舞台にした物語。歴史小説でありながら、恋愛小説でもあり。日本が変わりつつあるなかで雷太が抱える負の部分はとうてい想像できないけど、どう彼が立ち向かうのか後半が気になるところ。