負けんとき 下 ヴォーリズ満喜子の種まく日々 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2014年7月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784101296227

作品紹介・あらすじ

キリスト教伝道のため来日し、近江兄弟社を設立したW・メレル・ヴォーリーズは、関西学院、軽井沢ユニオン教会などを手掛けた建築家としても知られる。留学から帰国した満喜子は、メレルと出会い、周囲の猛反対を押し切って、結婚する。近江八幡に居を構え、幼児教育に邁進する彼女と日本に帰化した夫の前に、様々な逆境が襲い掛かる――。二人の愛に満ちた生涯を描く感動の長編。

みんなの感想まとめ

逆境に立ち向かいながらも愛を貫く姿が描かれたこの作品は、メレル・ヴォーリズと満喜子の感動的な生涯を通じて、信念や絆の大切さを教えてくれます。周囲の反対を押し切って結婚した二人は、土地の人々の理解を得ら...

感想・レビュー・書評

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  • 2016,5読了
    どんなに尽くしても土地の人々の理解が得られず、でも負けないで生きて行く姿・・夫のメレルと、お互いを敬い思いやる姿には感動します。

  • おマキさまは本当にこれで幸せだったんだ…というのが率直な感想。私は佑之進の胸の内がせつなくて、佑之進への気持ちを超えるメレルへのおマキさまの思いがつかみかねた。絹代さえ気づいていた思いに、当の本人が気づかないはずはないのでは…?それを押し殺してもなお余りある幸せをメレルは与えたというのか?国籍を奪われ、日本人でありながらメレルの妻となれたにもかかわらず近江八幡の民に受け入れられず、最後は兄弟と信じた者たちからも追放され、逃れた軽井沢で結局病を得たメレルの看病に明け暮れた…苦難に向かえば向かうほど、負けんときと自分を奮い立たせて自分の気持ちで乗り越えていきながら、これが望んだ幸せだと言う。共感できない…それが心残り。。。

    それと、絶対避けられない『戦争』の悲惨さ。なんで日本はあんな戦争をしたんだと、しかも戦前にヴォーリズ夫妻はそれを阻止するために渡米して講演して回っていたなんて…知らなかった。悲しすぎる。

  • 上巻からずいぶん間が空いたことw
    間に読む本が重なりほぼほぼ一か月開いていながらも内容を全く忘れていないくらいみっちりした構成なのが素晴らしい。歴史小説を読んでいて思うのはほんと昔の日本を作り支えてきた人たちは皆偉大過ぎて、今の日本人っていったいなんなん?って思えてしまう。起坐からなかなか動けなかった満喜子がメレルと結婚を決めてからの開花が凄まじく、これまで障害となっていた貴人としての鎖から解放されるも今度はパスポートが取れない新たな枷を負い、アウェイさながらの近江で自分の居場所を築き始める姿は読んでいてほれぼれする。幼馴染であり初恋の相手は至難ですれ違っていくも時を経てまた再開した時の揺れ、そして明治から大正と移り変わりどうしても避けられない昭和の太平洋戦争。明治大正時代の物語を読むと必ず戦争が待ち構えているのをわかっていながら読むからほんと辛い。またそれを乗り越えて立ち上がるから偉人物語の醍醐味なんだけどね。読むまで知らなかったヴォーリズ納骨堂、ふーんって読んでいたけどググってみたら今もあるどころか学園まで継続されているんだね、びっくりした。そうそう、メンソレータムもこのヴォーリズ・メレル氏が持ち込んだものなんだね。
    多分普通ならなかなか手にしないような本だけど、亡き母の書棚から出てきて手にした本がこんな素晴らしいものだったとは、と感慨深い。

  • 上巻を読んだあと続けて読むかどうか少し迷ったが、続けて読んでよかった。このまま続くのもなんか長いなあ、と思っていたら、下巻の初めからもう満喜子が前向き!新しい人生が始まっていくんだと感じてわくわくする。
    ここから本格的にメレルが出てくるので、メレルの業績について知りたければ下巻からでもいいかもしれない。

    ほんとにこんなに多くのことに関わっていたなんて、改めて驚かされた。建築や近江兄弟社のみならず、日本人なら必ず知っている「国民の象徴」についてもメレルの助言が取り入れられていると知らなかった。
    結婚してからもこれほど苦労したことには驚きと同情と申し訳なさを感じ、布教という目的があったのに、布教よりも日本のためにこんなにも尽くしてくれて本当にありがとうと伝えたい。

    下巻は書き留めたい言葉がたくさんあり、ふせんをはさみながら読んだ。
    廣岡浅子の「負けんとき」は素晴らしい言葉だし、メレルが日本国籍を取得したときの漢字表記の意味もとても素敵だ。

    近江八幡ということで、バームクーヘンが出てきたり(人気店の工場があるのもその由来なのかな?)、社会運動家としてコープこうべの創設者が出てきて、現在へのつながりに胸が熱くなった。

  • 滿喜子與ヴォーリズ結婚面對許多障礙,包括華族結婚必須經過宮內省同意因此滿喜子脫離華族,甚至失去日本國籍。滿喜子在近江八幡獻身教育也過得相當辛苦。好不容易終於做出點成績,戰爭的腳步已進,沃里斯就算歸化為日本人但兩人還是從他們的事業被追放到輕井澤閒居,鬱鬱難解。戰後沒想到沃里斯又被請出來去跟GHQ力陳天皇制必須保留的必要性,旁邊這些人真的有夠大面神,雖然作者並沒有這樣寫,但我其實不斷揣測沃里斯的內心有多麼地複雜,百感交集....。

    **
    這是一部值得一讀的佳作。個人覺得本卷最出色的部分,是滿喜子跟祐之進的之間的互動情景,特別是橋上那一段,寫得太有味道。最後祐之進以絹代名義和滿喜子成為筆友也很感人。沃里斯真摯的態度,滿喜子不屈的風格,都是這部作品中很感動的元素。讀完這本書,再遊了近江八幡,雖然依然沒有時間去沃里斯紀念館,但經過這個城市,看它的眼光,多了一份回憶。往金剛輪寺的計程車司機,指著他的萬用冊子,努力地對語言不通來自米國友人說著,面速力達母,面速力達母。近江八幡曾經不歡迎沃里斯,然而他踏上這片土地百年後,卻成了這片土地的象徵之一。

  • ヴォーリズと結婚し、近江八幡で布教や子供たちの教育に精を出す満喜子。しかし、周りは自分を平民ではなく華族とみなし、ヴォーリズを慕う人たちからも距離を置かれる。しかし、自分のなすべきことをやっていき、その功績が認められていく。ヴォーリズと共にハワイや欧米に行き講演もできた。ところが、世は太平洋戦争へと突入し、自分たちが築いた全てが奪われてしまう。どんな時でも種まきを忘れなかった満喜子たち。今の日本の女性たちに知ってもらいたい話でした。ただ、女性差別はこの頃からまだあまり変わってないとも感じました。

  • 終わった恋の相手が晩年また登場し、密かに亡くなった妻の名前で手紙のやりとりをしていたなんて、ドラマチックすぎて。下巻はもしかしたら物足りないかも…なんて思ってましたが登場人物が豪華で一気読みしました。

  • 明治に生まれ、戦後まで、真っしぐらに生き抜いた女性・一柳満喜子。今とは比べ物にならないくらい女性の地位が低かった時代に、海外留学し、帰国後、宣教師として日本に来ていたアメリカ人・ヴォーリズ氏と結婚。ヴォーリズ氏は、近江兄弟社を起こし、関西学院大学や京都の中華料理店「東華菜館」などを建築。満喜子さんの生き方やヴォーリズ氏の建築物、ふたりの愛に満ちた人生、また今秋から始まる朝の連ドラ「あさが来た」の主人公・広岡浅子さんも出て来たりと、いろんな点で興味深く読めました。

  • 自分の人生の1冊とも言えるほど大切な本になった。自分もこうありたい、こんな風に考え生きたいと思える人が主人公のみならず出てきて、自分の生き方に反映していきたいと思った。

  • 上巻に記載

  • 素晴らしかった。介護まで槍ながら、晩年も駆け抜けられた様子に感銘を受けた。

  • 苦難に次ぐ苦難の日々。
    彼らの人生にどんな幕切れがまちうけるのかハラハラし通しだった。
    一柳満喜子、ヴォーリズ、メレルどの名前も聞いいたことがなかったけれど
    関学のチャペルは知ってる!?
    彼女のように、強く信念を持って生きれたならいいのだけれど、きっと私は長い方に巻かれつづける人生だろう・・・
    でもせめて、負けんとき!の言葉は胸に秘めよう!

  • 単なる有名な米国人建築家と、華族のお嬢様の国際結婚のお話と思うなかれ。長年日本に暮らし、日本や日本人の精神を熟知したアメリカ人として、終戦後、マッカーサー副官のバーレット少佐に、「天皇陛下は国民の象徴である」と進言したのが、メレル・ヴォーリズその人である。その後、日本は天皇陛下を現人神ではなく象徴として、奇跡の復興を遂げ、先進国へと躍進する。昔からよく使っていたメンソレータムや出身校のカレッジソングにメレル・ヴォーリズが関わっていたと知り、とても身近な人物に感じたが、小説後半でこのヴォーリズ・ファイルと呼ばれる会談のことを知り、日本に多大な貢献をした人物だと驚きと感銘を受けた。
    メレルのパートナーである満喜子も、華族のお嬢様として生まれながらも、新たな時代を切り拓くさまざまな挑戦をし続ける。その満喜子を、満喜子の兄の義母にあたる廣岡浅子が、良き理解者として支える。廣岡浅子が満喜子に伝える言葉もとても印象的である。
    メレルも満喜子もすごい。そして、浅子も。
    私は浅子のように若い人を励ますことができる人になりたい。

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  • メレルも素敵だが、祐之進の愛の大きさに泣ける!

  • 上巻に比べてスピード感にやや欠けるのは仕方ないが、それでも読み始めるとぐいぐい引き込まれて読了。とくに友人の津田余那子じゃないほうで、佑ノ進と結婚した人が関東大震災で亡くなっていたのに、佑ノ進が彼女に成り代わって手紙を書いて文通していた事実を知った時は文通の最初に戻って読み返してしまった。雨の橋の上での3人の出会いの場面も印象的。

  • 毎日少しずつ、でも確実に読みすすめてやっと終わりました。
    ヴォーリスさん、そんなにも有名な建築家だったんですね。自分の無知が恥ずかしい。
    信念を持って最後まで教育に捧げたおマキさまの生き方は素晴らしい。
    大切なことを、大切にし続けることは、想像以上に難しいはず。

  • お話が進むにつれ、満喜子は、どんどん強くなっていきます。愚痴や弱音もあるけれど、それでも歩き続ける強さを感じます。
    出自に悩み、進むべき道に悩み、恋に悩み、していた上巻の彼女では、もう、ないかのようです。
    年を重ねるごとに・・・、女性とは、そういうものかも知れませんし、目指すものを持った人とは、そういうものかも知れません。

    余談ですが、途中まで、あの豊郷小学校がヴォーリズさんの手によるものと気付きませんでした。
    大丸の本店も、改めて、見に行ってみたいです。

    彼女がまいた種は、大きく実り、知らないうちに私も、その実りを享受しているのでしょうね。

  • 再読。上巻で迷いに迷っていた満喜子がついに動き出す。それは様々なものとの戦いの連続。上巻では自分自身の内部と戦う苦しさで胸をつかまれたが、下巻では周囲との戦いで、苦しさも感じられるが同時に、感謝や憧れがこみ上げてくる。裾野の教育というゆるぎない途を前の世代から受け継ぎ、次の世代へ渡していく。その先に今の私たちの恵まれた環境があるのだとしみじみ。佑之進のくれた独楽のお菓子は泣けます。

  • メレル・ヴォーリスも満喜子さんも、凄すぎます。偉人の一言ですまされないほど、偉大な人たちでした。

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著者プロフィール

◎玉岡 かおる(たまおか・かおる)作家、大阪芸術大学教授。兵庫県三木市生まれ、神戸女学院大学卒業。15万部のベストセラーとなった『夢食い魚のブルー・グッドバイ』(新潮社)で‘89年、文壇デビュー。著書には『銀のみち一条』、『負けんとき ヴォーリズ満喜子の種蒔く日々』(以上新潮社)、『虹うどうべし 別所一族ご無念御留』(幻冬舎)などの歴史大河小説をはじめ、現代小説、紀行など。舞台化、ドラマ化された『お家さん』(新潮社)で第25回織田作之助賞受賞。『姫君の賦 千姫流流』(PHP研究所)は、2021年、兵庫県姫路市文化コンベンションセンター記念オペラ「千姫」として上演。2022年5月『帆神』で新田次郎文学賞受賞。

「2022年 『春いちばん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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