負けんとき 下: ヴォーリズ満喜子の種まく日々 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101296227

感想・レビュー・書評

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  • おマキさまは本当にこれで幸せだったんだ…というのが率直な感想。私は佑之進の胸の内がせつなくて、佑之進への気持ちを超えるメレルへのおマキさまの思いがつかみかねた。絹代さえ気づいていた思いに、当の本人が気づかないはずはないのでは…?それを押し殺してもなお余りある幸せをメレルは与えたというのか?国籍を奪われ、日本人でありながらメレルの妻となれたにもかかわらず近江八幡の民に受け入れられず、最後は兄弟と信じた者たちからも追放され、逃れた軽井沢で結局病を得たメレルの看病に明け暮れた…苦難に向かえば向かうほど、負けんときと自分を奮い立たせて自分の気持ちで乗り越えていきながら、これが望んだ幸せだと言う。共感できない…それが心残り。。。

    それと、絶対避けられない『戦争』の悲惨さ。なんで日本はあんな戦争をしたんだと、しかも戦前にヴォーリズ夫妻はそれを阻止するために渡米して講演して回っていたなんて…知らなかった。悲しすぎる。

  • 明治に生まれ、戦後まで、真っしぐらに生き抜いた女性・一柳満喜子。今とは比べ物にならないくらい女性の地位が低かった時代に、海外留学し、帰国後、宣教師として日本に来ていたアメリカ人・ヴォーリズ氏と結婚。ヴォーリズ氏は、近江兄弟社を起こし、関西学院大学や京都の中華料理店「東華菜館」などを建築。満喜子さんの生き方やヴォーリズ氏の建築物、ふたりの愛に満ちた人生、また今秋から始まる朝の連ドラ「あさが来た」の主人公・広岡浅子さんも出て来たりと、いろんな点で興味深く読めました。

  • 134

  • メレルも素敵だが、祐之進の愛の大きさに泣ける!

  • 上巻に比べてスピード感にやや欠けるのは仕方ないが、それでも読み始めるとぐいぐい引き込まれて読了。とくに友人の津田余那子じゃないほうで、佑ノ進と結婚した人が関東大震災で亡くなっていたのに、佑ノ進が彼女に成り代わって手紙を書いて文通していた事実を知った時は文通の最初に戻って読み返してしまった。雨の橋の上での3人の出会いの場面も印象的。

  • 毎日少しずつ、でも確実に読みすすめてやっと終わりました。
    ヴォーリスさん、そんなにも有名な建築家だったんですね。自分の無知が恥ずかしい。
    信念を持って最後まで教育に捧げたおマキさまの生き方は素晴らしい。
    大切なことを、大切にし続けることは、想像以上に難しいはず。

著者プロフィール

◎玉岡 かおる(たまおか・かおる)作家、大阪芸術大学教授。兵庫県三木市生まれ、神戸女学院大学卒業。15万部のベストセラーとなった『夢食い魚のブルー・グッドバイ』(新潮社)で‘89年、文壇デビュー。著書には『銀のみち一条』、『負けんとき ヴォーリズ満喜子の種蒔く日々』(以上新潮社)、『虹うどうべし 別所一族ご無念御留』(幻冬舎)などの歴史大河小説をはじめ、現代小説、紀行など。舞台化、ドラマ化された『お家さん』(新潮社)で第25回織田作之助賞受賞。『姫君の賦 千姫流流』(PHP研究所)は、2021年、兵庫県姫路市文化コンベンションセンター記念オペラ「千姫」として上演。2022年5月『帆神』で新田次郎文学賞受賞。

「2022年 『春いちばん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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