ブロッコリー・レボリューション (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2025年1月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784101296722

作品紹介・あらすじ

近所にあるパン屋をめぐる彼の変化を私が描く「楽観的な方のケース」。突然の訪問者が繰り広げるラップに衝撃を受け、横浜の街に思いを巡らす「ショッピングモールで過ごせなかった休日」。人はいつだって誰かの思いや言葉、記憶の中の場所に思いをはせるものだーー。実存や不可能性を超越した、第35回三島由紀夫賞受賞の表題作を含む全5編の短編集。多和田葉子氏との特別対談も収録!

感想・レビュー・書評

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  • いままでに読んだことのない独特の文体で、途中から癖になる感じです。うまく説明できないけれど、リズムになれてくるというか。

    内容は短編が表題の『ブロッコリー・レボリューション』ほか四編。

    1話目の『楽観的な方のケース』が私は好きでした。

  • 語り表現が独特で、不思議な感覚だった。
    語り手は自分ではない誰かを、その誰かより
    詳しく、そして一部始終こうしている今も監視しながらその言動をメモしているかのようにつらつらつらと語る。一体どの視点で読めば良いのか、ふわふわぷかぷか、、故に事細かに情景や会話が描かれていても没入しきれず、思考しながら読み進める感覚。
    言葉を選ばなければ、だらだらと続く語り口調が
    個人的には読みづらかった。

    ただ、ブロッコリーレボリューションの
    夏の空気感や異国の地の匂いや湿度が感じられる感覚は好きでした。

  • "知る由もないこと"である他人の心のうちをまるで本人のように語るぼく
    淡々とした語り口が相まって膨らむ違和感
    タイトル買いしたこの一冊、不思議な世界への入り口でした!

  • 好き嫌い分かれるだろうけど、私は好きだった。
    しかもかなり。
    ここまで事細かに、目に見える物すべてを文章に起こす描写力に圧倒される。それが心地よい。
    普通の小説に飽きた人は読んでみると面白いと思う。
    新しい読書体験ってまだまだ待ってるんだなあ。
    読書上級者におすすめ!

  • 「ぼくはいまだにそのことを知らないでいるしこの先も知ることは決してないけれども」

    表題作の『ブロッコリー・レボリューション』で何度も繰り返されるこの文章。
    知らないはずなのに、なぜか全て見ていたかのように「きみ」のことが過去形で語られる不思議。
    初めは、全体的に出会ったことのない文章でなかなか入ってこなかったけれど、途中から呼吸が合いだしたのか、なぜかしっくりきて、違和感のあった文章を心地よくすら感じるようになった。
    なんだか、文章の中にリズムというか、音楽を感じた。新感覚。

  • なるほど読んだことのない本。
    自分の枠を広げるためにも新しい刺激を取り込もうと思う。
    なかなか頭が柔らかくならないが

  • 全体的に文章そのものが私には合わなくて、読んではいるけど入ってはこない感覚。
    表題作の夫みたいな人は、わりと世の中に溢れてるんだろうなぁ。

  • 装丁とタイトルが洒落ててジャケ買いした

    語り手の視点が一風変わっていて、初めての読書体験だった

    「楽観的な方のケース」と「ブロッコリー・レボリューション」が好み

  •  密度の高い小説だった。一方で事細かに描写されていて圧迫感があるはずなのに、どこか軽くて爽やかな文章だった。

  • 絶対にわからないと思って買ったが、やっぱりわからなかった。
    そもそも、これはどうやって読んだらいいの?いや、読めるんだが。自ずとどんどん進んでしまう…がよくわからないからやり直し…みたいな感じ。
    『楽観的な方のケース』がまあまあ意味わかったかな。『ブロッコリーレボリューション』も何度も戻ってどうにかついていけたかな。

  • 意味わからんかった
    けど頭の思考回路がそのまんまに書いてあって、文字でこんなに表現できるのかと思った
    ブレックスファストは好きだった

  • 文字を読んでいるのに誰かの頭の中で再生されている思い出や過去の振り返りの映像を見ているようだった。
    そのため能動的に読んでいるはずなのに読むことがコントロールできない感じがして少し戸惑ったが、ワンカット(長回し)のような文体の語り口が映画的で、そこも含めて結構楽しめた。

  • 私にはまだ読むのは早かった気がする。
    ショッピングモールで過ごせなかった休日辺りから気付いたけれど、文字圧が凄くて読みながら息を止めちゃってて苦しい。
    改行とかが少なめだからだからなのかな、初めてこういう文体?の本に触れたから驚きもあり。
    語り手もそこに居ない人だったり、その人の感情や考えは他の人に分からないはずなのに…?と
    本当に帯に書いてあるように“いままで読んだことのない体験”で不思議な小説だった。

  • 機内で読了。

  • 「ブロッコリー・レボリューション」がタイのカフェの名前って、読んで知って笑ってしまった。革命でもなんでもないじゃん。笑
    文字がびっしりで、「」もほぼ無く、読んだことのない感じの小説でした。読むのにすごく時間がかかったけどなんとか読了。

  • 不思議で新しい小説

  • 装丁買い
    不思議読書体験

  • 散りばめられた描写に装丁も相まって、一冊を通して淡い雰囲気が感じられる。

    また、文章が独特である。一人称でありながら「ぼく」や「私」が知るはずのない相手の感情や状況を書くためどこか遠くの上の方から物語を見ているような感じがする。もはや「ぼく」の妄想なんじゃないかとさえ思われる。そんなふわふわした所も淡さを感じられる一つの要因かもしれない。

    淡さとは裏腹にじっとりとしたものも書かれている。町中に蔓延る広告や東京のゾンビ、コンコースの人混みなどである。多くの人は流されるがままに順応できても、それができない人たちがいる。そんな人たちの逃亡や防御、抵抗、私はそこにブロッコリー・レボリューションを見た。

  • 新しい小説だ、、、どういう気持ちになればいいかわからんというか、正直内容についてはなにも感じなかったんだけれど小説の形がおもしろかった。
    さいごの高橋さんの解説で、「なぜ文庫本には解説があるのか」について、「解説は小説から現実へ徐々に移動していくための心の準備のようなものなのかもしれない」と言っていたのが印象に残っている。

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著者プロフィール

1973年、神奈川県生まれ、熊本県在住。演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰。2005年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。主宰する演劇カンパニー、チェルフィッチュでは2007年に同作で海外進出を果たして以降、世界90都市以上で上演。海外での評価も高く、2016年よりドイツを始め欧州の劇場レパートリー作品の作・ 演出を複数回務める。近年は能の現代語訳、歌舞伎演目の脚本・演出など活動の幅を広げ、歌劇『夕鶴』(2021)で初めてオペラの演出を手がけた。2023年には作曲家藤倉大とのコラボレーションによる音楽劇、チェルフィッチュ×藤倉大withクラングフォルム・ウィーン『リビングルームのメタモルフォーシス』をウィーンにて初演。小説家としては2007年にはデビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(新潮社)を発表し、2022年『ブロッコリーレボリューション』(新潮社)で第35回三島由紀夫賞、第64回熊日文学賞を受賞。

「2023年 『軽やかな耳の冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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