君が夏を走らせる (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.15
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本棚登録 : 2475
レビュー : 178
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101297743

作品紹介・あらすじ

ろくに高校に行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。聞けば一ヵ月ほど、一歳の娘鈴香の子守をしてくれないかという。断り切れず引き受けたが、泣き止まない、ごはんを食べない、小さな鈴香に振り回される金髪少年はやがて──。きっと忘れないよ、ありがとう。二度と戻らぬ記憶に温かい涙あふれるひと夏の奮闘記。

感想・レビュー・書評

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  • 鈴香ちゃんと一緒に過ごした1ヶ月という時間は、大田くんの心を大きく動かしたんじゃないかと思います。

    一歳十ヶ月の女の子と、積み木で遊んで、ご飯を食べて、絵本を読んで、お昼寝して、公園まで散歩して。
    毎日同じことばかりのようだけど、少しずつできることが増えていく鈴香ちゃんの成長を間近で見ていて感動しないわけがないし、どんどん離れがたい気持ちになっていっただろうなぁ…

    計算とか駆け引きは一切なく、全身全霊で自分を求めてくれる鈴香ちゃんの存在が愛おしくてたまらなかったと思います。

    小さな小さな女の子だけど、大田くんの背中を力強く押してくれたはず。
    立ち止まってなんかいないで、ひたすらに前向きに走れ!頑張れ!!
    つい応援したくなっちゃいました⭐︎

  • 瀬尾まいこさんの作品が気に入って初めて読んでみました。日常の幸せや少しの気付きや成長。読み終わった時には少し自分自身が人に優しくなれる。そんな奥深い作品だと思いました。

  • あの大田くんが!!ぜひ、『あと少し、もう少し』を読んでから読んで欲しいです!高校生になっても自分をまだ見出せず、周りの目を気にして反抗的になっていた大田くん。2歳前のまだ赤ちゃんな女の子と過ごし、ゆっくりだけど確実に心境に変化があらわれる。対して女の子は適応するのが早い。先輩家族がいなかったら、絶対に巡り会うことのない2人。もう、2人のやり取りが可愛くて可愛くて…!じんわり心が温まる素敵な話。2歳の手のかかるわが子とどうしても重なった。「おいで」した時の喜んで飛びついてきてくれる感じ、すごいよくわかる!!わが子にも大田くんと同じように接してあげたいなぁ。

  • 『あと少し、もう少し』の続編。瀬尾さん、何気に続編書くのは初めてじゃないか?

    大田くんの作る料理が美味しそう。前作でも上原先生にチャーハン御馳走してたもんね。

    三歳より前の記憶は何も残らないなんていうけれど、大丈夫、きっとゼロにはならないよ。
    手をつないでもらったこと。肩車してもらったこと。絵本を読んでもらったこと。二人で歌ったこと。一緒におにぎりを作ったこと。こんなに濃密な夏を、大田くんのことを、鈴香ちゃんはきっと忘れないと思う。

    大田くんって保育士とか向いてるんじゃないか? とか思った。大田くん、ばんばってー!

  • 大田くんは、2016年2月に読んだ「あと少し、もう少し」の登場人物だと途中で知る。ちょうど5年経って同じ時期になった偶然に驚く。
    学校ではやるせなく過ごしていた16歳が、たった1か月ほどだが、2歳の子と共に過ごし、共に成長する物語。何か事件が起きるわけではなかったが、よかったね。

  • どうやら前編にあたる物語があるようで、そちらが未読だったのがもったいなかった。
    主人公と鈴香がお互いに関係が深まっていく課題は微笑ましい。穏やかになれる物語。

  • 『あと少し、もう少し』の作品で登場した
    不良の大田が主役となる本作品。
    高校生になった大田は、陸上部も退部し
    高校もろくに行っていない。
    ある時、先輩の中武から娘の鈴香を
    一ヶ月間子守してほしいと頼まれる。

    中武先輩の奥さんが第二子を出産し退院するまでの間、
    鈴香と一緒の生活が突然始まった。

    -------

    この作品は、1歳児と0歳児の子育て真っ最中の自身がまさに共感の嵐、感心の嵐だった。
    まだ16歳の大田が懸命に鈴香を子守していて
    本当に素晴らしいと思った。
    鈴香のために美味しいご飯を作ってあげたり
    おままごとや絵本を読んで遊んであげたり
    公園で子供たちと全力で遊んだり。
    私より全然子育て上手い。笑

    公園で出会うママさんたち。
    見た目が不良の大田になんの違和感なく
    接してくれる。素敵。
    そして、再び登場する陸上部顧問の上原先生。
    1歳児と公園にいた大田に何も詮索しない。
    何か悟ったのかな。ほんと素晴らしい先生。

    鈴香が入院中のお母さんを思い出して
    公園で泣き出すシーン。
    読んでいてウルっときてしまった。

    1歳児ならではの成長とか、
    我が子と同じだなーとか、共感する箇所が
    たくさんあった。
    こうやって子どもと接したらいいんだなと、
    大田から学ぶこともたくさんあった。

    子育て中のお父さんお母さんに特におすすめの一冊。

  • ★4.5
    相手が子供ということで、何か起こるんじゃないかとハラハラしながら読んだけど、さすが瀬尾まいこさんの作品、悲しいことは起こらなかった…安心…
    友人の子供を思い浮かべながら、あーわかるわかる、と共感。他人の子供という距離感は同じかだけど、一日中ひとりで面倒見ることはないから、私が知る以上に大変なんだろうな。その分の愛おしさはきっと想像以上。
    最後、子供に拘らず、大田君にとっての次のレースを探しにいく様が、若者の可能性を感じさせた。

    一点だけ、鈴香の祖父母に当たる人たちに自分の判断で手紙を出したこと。そこは他人が干渉してはいけない領域ではと思った。大田君の気持ちはわかるけど、自分なら勝手にそんなことしないでほしい…

    「あと少し、もう少し」は未読。
    そちらも読みたい。

  • なんて愛おしい、最後には切なさとこれからの未来を思って涙が零れた。

    『おいで』、子供の小さな時しか言えないこの言葉をたくさん言いたい、そしてたくさん抱きしめてあげたいと思った。
    片手間に遊ぶわけでなく、模索しながらも一生懸命子供と向き合う姿に、自分が子供と遊ぶときの姿を思い出し反省しました。心温まる素敵なお話でした。

  • ほっこり、心が温かくなる話。
    「ぶんぶー!」決まった意味はないけど魔法の言葉◎

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著者プロフィール

瀬尾まいこ(せお まいこ)
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2011年の退職までは、中学校で国語教諭として勤務する傍ら執筆活動を行っていた。2001年『卵の緒』で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、これが翌年単行本デビュー作となる。2005年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞をそれぞれ受賞。これまでに映画化された作品に、代表作『幸福な食卓』、『天国はまだ遠く』『僕らのごはんは明日で待ってる』。『そして、バトンは渡された』は第31回山本周五郎賞候補、2018年「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位、「キノベス2019」1位に選出、さらに2019年本屋大賞を受賞。2019年6月13日、『優しい音楽』(新装版)を刊行。

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