白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 344
感想 : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101298917

作品紹介・あらすじ

私たち日本人の生活になくてはならない漢字。毎日使っていながら、どうしてその形・意味になったのかは、なかなか知られていません。複雑で難しそうに見える世界には、一体何が隠されているのでしょうか?この本は、漢字学の第一人者白川静さんの文字学体系を基に、古代文字やイラストを使い、成り立ちをわかりやすく紹介します。学校とは全く違う楽しい漢字の授業の始まりです。

感想・レビュー・書評

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  • 俳優の武田鉄矢さんが、何かの番組で白川静さんのお話をされていたのをきっかけに、白川静さんに関する本に興味を持ちました。

    各漢字について、由来の説明とイラストがあり、非常にわかりやすくまとめてありました。
    ちょっと怖い意味の漢字があり、小学校高学年以上の内容かなと個人的には思います。

    ちなみに、「人」という字は、人同士が支えあってできた漢字ではなかったです。


    以下、本書より抜粋

    辛→入れ墨をいれる針や、投げ針が由来。

    妾→罪を受けて額に入れ墨をいれた女性が由来。罪は本来、神に対するものであって、その贖罪として、罪人は全て神の奉仕者とされた。

    童→男性の罪人。結髪を許されなかったので、子供のような髪型に。奴隷、しもべ。労働歌が「童謡」と呼ばれ、現代の子供の歌の意ではなく、呪歌的な性格で恐れられた。

    産→「産」の漢字の上にある「立」の部分は、元々は「文」と書く。産まれた赤ちゃんに悪霊がつかないように、一時的に文身(×の印)を額に書く儀式が由来。

  • 漢字の成り立ちが祭祀に基づくと言うのは一々納得した。繋がりを憶えれば暗記せずとも漢字はわかる。と言うほど簡単では無さそう(^_^;)

  • 漢字のなりたちについてわかる非常に面白い本。子供の時、けっこう漢字好きだったのだが、こういう本があるのを読んでいたらさらに好きになっただろうなあと思う。

    呪術や祭司の形が源になっているものが多いのがとても興味深かった。内田樹さんが白川先生の著作を好んで読んでいる文章などを読むとさらに興味をひかれる。

    「字統」とか欲しいなあ。。

  • 本当に自分も学生時代にこのように漢字の成り立ちから教えてもらうことができればもっと漢字に興味が持てたし、書き取りを間違うこともなかっただろうと思わされる。思わぬところにつながりがあって、言われてみれば確かに、と思わされること多し。自分の子供にも教えてあげよう。どういう反応を示すだろうか。漢字を習う頃が楽しみだ。

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  • 単行本で持っていたけれど、文庫に買い替え。
    小学生でも読める、白川漢字学の入門書、というのは言い過ぎ?
    でも、私も、最初にこの本を読めばよかった、と思う。

    手、足、人などなど、基本的な漢字に関わる字を集め、そのつながりを解説する構成の本。

    白川さんの功績の顕著なものとして、「口」が何度も言及されていた。
    古代文字で「口」は、顔にあるあの口を指すことはない、ということらしい。
    では何かというと、祝詞を入れる祭具(サイ)の形なのだとか。

    『字統』や『文字講話』もいつか読んでみたい。

  • 白川静さんが研究した漢字の成り立ちについて教えてくれる本。

    みんなが学校で習った感じの覚え方は、実は本来の成り立ちとは違うかもしれませんよ。

  • 白川漢字学の入門書。このレベルの浅さではあとがきに伝えられる面白さの1/10も伝えられていないのではないかと思うが、それでも十分に興味をひかれる内容だ。

    確か実家に「字統」が置いてあったと思うのだが、まともに目を通したことがない。今度帰ったときに、パラパラと読んでみよう。

  • 「愛」は真ん中に心があるから真心「恋」は下に心があるから下心、「命」は人は一度は叩かれると書く、などのちまたにあふれるおもしろ話ではない。これは漢字のルーツの真実に迫る本。漢字研究の第一人者、白川静さんから教えを受けた小山鉄郎さんがわかりやすく一字一字取り上げながら漢字学を丁寧に教えてくれる。基本的に漢字はすべて象形文字。例えば「親」という字は、木の上に立って見守るとよく言われるが(白川静さんは「これ一応、理屈におうとる」と笑っておられたそう)、実際は「辛」と「木」と「見」でできた字で、投げ針「辛」で新しく選ばれた「木」でできた位牌を見て拝む字形であったりする。
    目次を見ればわかるのだが
    【手】をめぐる漢字
    【足】をめぐる漢字
    【人】をめぐる漢字
    【示】をめぐる漢字
    など、21項目に分かれていて、漢字というものがいかに体系的につくられているかがわかる。ルーツは神にまつわるものが非常に多く、儀式的なもの、呪術的なもの、霊的なものなどがある。あとは戦や死にまつわるものも多い。読んだことはないが、日本書紀や古事記の世界に触れたような気になった。自分の名前や家族の名前が出てきたときはドキッとした。白川静さんのほんの入門書なのだろうが、この一冊でも充分お腹いっぱいになる。『字統』『字訓』『字通』の三部作はそれぞれ2万円以上する大作らしいが、まだ到底手が出ない。この文庫一冊でも沢山の情報量があり、発見や納得も多いのだが、人にトリビアとして話すのには何度か読み返す必要がある。何千年も前の人々の思いが今もシンボルとして息づいていることがわかり、少し怖い感覚もしたが、最後に俵万智さんが解説していて安心した。
    最近漢字検定3級の勉強をなんとなくはじめた母に渡した。2016.1月。

  • 小学生の頃に買ってもらった字典にあった山や川の漢字の基となった象形文字やイラストを思い出す。甲骨文字から進化した漢字を研究し体系化した白川氏は偉大だ。本書は大人から子どもまで楽しめる漢字のルーツを知る本だ。死や呪術に関する漢字が多く解説され、それらの多くに使われている□が、口(くち)ではなく祝詞を入れる入れ物(さい)に由来するというのは新鮮な説明だった。

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著者プロフィール

1949年生まれ。群馬県出身。一橋大学経済学部卒。共同通信社編集委員・論説委員。村上春樹氏に注目し、85年から取材を続け、以降、村上氏へのインタビューは10回に及ぶ。その一部は、村上春樹のインタビュー集『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』にも掲載されている。主な著書に、『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』(新潮文庫)、『村上春樹を読みつくす』(講談社新書)、『大変を生きる――日本の災害と文学』(作品社)、『村上春樹の動物誌』(早稲田新書)などがある。村上春樹文学の解読などで文芸ジャーナリズムの可能性を広げたとして、2013年度日本記者クラブ賞を受賞。

「2022年 『村上春樹クロニクル BOOK2 2016~2021』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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