いもうと物語 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101301112

作品紹介・あらすじ

夢みる少女は冒険がお好き-。舞台は昭和40年代の北海道。小学校4年生のチヅルの周りでは、毎日騒動が持ち上がる。家に石油ストーブが入っては大騒ぎ。転校生が来ても大騒ぎ。すて猫を拾ってまた大騒ぎ。友だちや先生、そして家族と泣いたり笑ったりしながら、チヅルは確実に大人になってゆく…。著者が自身の生きた時代と土地を舞台にいきいきと綴る甘ずっぱい連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • チズルが主人公の短編集。

    短編集といっても時系列に沿って続きが描かれていたりもしたので、あまり「短編集」っぽくなくて良かった。

    なかみは、チズルが成長していく過程を描いており、この時代はこんなんだったのかな、と想像し、わくわくさせてくれた。

  • 昭和だけど、少し自身の記憶よりは前の時代背景と地方であることで、出来事自体は想像の域を越えないが、そこにある感情や思い、みたいなものは、誰もが共感できるのかな、と思いました。

  • 今年100冊目がこの本になりました。
    私のことはさておき、面白かったです。
    ちょっと昔の北海道は石炭から石油に燃料が変わる途中であったり、今はIHヒーターになりつつある調理台が石油台からガス台に変わるときだったり時代の移り変わりがわかる作品だと思います。

    小学生の気持ちが移り変わったり、理不尽なことがまかり通ってり。。。今と違うことが多くて面白かったです。

  • 著者の少女時代と思われる思い出たちを綴った連作小説。
    少女らしい瑞々しさと、子供特有のわがままさ、残酷さを持った視点で自身の周りの出来事を生き生きと描いている。
    自分が小学生だった頃のことも思い起こさせてくれて、懐かしい気分になれた。
    名作。

  • 氷室冴子氏の作品

    私は氷室さんを知ったのはジブリ映画【海が聞こえる】から。。。

    やっぱり面白い本は面白い!


    舞台は昭和40年代の北海道

    チヅルの周りで起きる日常の出来事、でも小学生にすれば大きな事件ともいえる出来事を描いた作品

    4人一家で2人姉妹のいもうと、学校や家庭で起きる日常の出来事に小学生の視点で見ているために

    非常に昔を懐かしみながら見ることもできる作品


    特に女性の皆さんは共感できることが多いのではと思える作品

  • 図書館で。
    印象としては文章版ちびまるこちゃん、みたいな。自分、ちびまるこちゃんきちんと読んだ事無いんですが…
    やっぱり地方は電化製品の普及が都市部に比べると少し遅いのかなぁと思ったり。昭和40年かぁ…確かにこの50年、60年で生活様式もインフラも随分変わりましたしね。

    すごく素直でパワフルなチヅルさんスゴイ。私、小学生の時こんなに元気いっぱいだっただろうか… 多分違ったな… 何事にも全力な感じで読んでいて何故か謎の疲労感がありました…

  • いろんな意味で懐かしい。
    子供ってつくづくばかだなぁ~~。こんなことあったな~~。足りない頭でそれなりに計算して、結局短慮でぶちこわす、とか。
    放っておかれ加減も、同世代だと実感される。
    楽しかった一冊

  • 氷室冴子さん。はじめて氷室さんを知ったのは、高校生のとき『クララ白書』すごく面白かった。それから氷室さんの小説にハマったのよね。
    先日、古本屋さんでこの小説手に入れた。氷室さんが懐かしくって。でもこの短編集は読んでなかった。そっか。もう氷室さんから卒業してたんだ。
    今、ウンジュウネンと時が経ち、少女だったわたしは、大人になった。そして再び氷室さんと巡りあった。
    やっぱり好きだ。氷室さん好きだ。
    今回4年生のチヅルが主人公。昭和40年代の北海道。どのお話も、子どものころの上手く表現出来ない心のモヤモヤ感や、切ない情景が目に浮かぶ。わたしもそうだったよ。もどかしさや言葉に出来ない感情や、そんなものがいっぱいだった。だから泣いた。
    めでたしめでたし、みんな幸せになりましたとは終わらないけれど、どれも大人になっていく上での大切な感情がいっぱい詰まった甘酸っぱい物語。

  • 小学生の女の子の心情が細かく描写されていて、自分の経験に重なる。小さなことで一喜一憂する主人公の感情が、大人になった今でも生々しく思い出されて、小学生時代の自分が帰ってきたような感覚になる。「知らないけれど懐かしい」。

  • 【あらすじ】
    夢みる少女は冒険がお好き―。
    舞台は昭和40年代の北海道。小学校4年生のチヅルの周りでは、毎日騒動が持ち上がる。
    家に石油ストーブが入っては大騒ぎ。転校生が来ても大騒ぎ。すて猫を拾ってまた大騒ぎ。
    友だちや先生、そして家族と泣いたり笑ったりしながら、チヅルは確実に大人になってゆく…。
    著者が自身の生きた時代と土地を舞台にいきいきと綴る甘ずっぱい連作短編集。

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著者プロフィール

氷室冴子(ひむろ・さえこ)
1957年、北海道岩見沢市生まれ。 1977年、「さようならアルルカン」で第10回小説ジュニア青春小説新人賞佳作を受賞し、デビュー。集英社コバルト文庫で人気を博した『クララ白書』『ざ・ちぇんじ!』『なんて素敵にジャパネスク』『銀の海 金の大地』シリーズや、『レディ・アンをさがして』『いもうと物語』、1993年にスタジオジブリによってアニメ化された『海がきこえる』など多数の小説作品がある。ほか、エッセイに『冴子の東京物語』『冴子の母娘草』『ホンの幸せ』など。 2008年、逝去。

「2021年 『新版 いっぱしの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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