狐笛のかなた (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.12
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本棚登録 : 6728
感想 : 676
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302713

感想・レビュー・書評

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  • 少し切なくて、でも優しい、恋の話。
    上橋さんは『守り人シリーズ』や『獣の奏者』が大好きでしたが、これも期待を裏切らずとても面白くて、本の世界にどっぷりつかりました。派手さはあげた2つの話のほうが上だけれど、日本が舞台でさらに描写が溶け込みやすく想像しやすさが増し、日本古来の美しい情景や登場人物の描写が目に見えるようです。政治的どろどろがあるけれど、その分小夜や野火のまっすぐで清らかな相手を想う心が温かい気持ちにしてくれました。

  • どうして上橋さんの描く男の子はこうも良いんだろう。まっすぐにこころに飛び込んでくる感じ。
    やはり「児童文学」なので文が平易だったり展開が速かったりというように感じ、それが少々物足りないように思ったけれど、全体として上橋さんの優しさがつまったような心温まる作品でした。

    ラストもとても素敵でした。

  • 上橋さんの書く小説が大好きです。
    ファンタジーはあまり得意ではないのですが、上橋さんの創り上げる世界は意識がぐいぐい引き込まれてしまいます。
    野火がかっこよかったです〜!
    醜い因縁とある二人の恋…最後は涙を流さずにはいられませんでした。

  • 小夜と野火の二人がやさしくて健気でまっすぐで。

  • 懐かしさすら感じる、日本の原風景の景色が最後まで目に浮かぶ作品。物語の中には悲しい部分もあるが、それを感じさせない小夜の存在。

    ラストはあっぱれ!ずっと手元に置いておきたい作品。

  • 初めて呼んだ,上橋菜穂子さんの著書。
    おもしろかった。

    なんかファンタジーを読みたいと思って本屋に立ち寄り,本帯に「本書の魔法は超一級品です」と宮部みゆきさんのメッセージが書いてあったのが購入に当たったきっかけ。

    物語はとてもよかった。

    わけありで,人里離れた小屋に婆さんとふたり暮らしの小夜が主人公と,霊弧である野火の物語。
    「孤独で健気なふたりの愛が燃え上がる」と新潮文庫の説明にはあったが,それほどとは思わなかった。

    小春丸の登場が少ないとちょっと思った。

    登場人物的には,高飛車な妖美な霊弧の玉緒が好き。あぁいうキャラクタはいいな。

    世界観が日本であり,まだ武士という言葉があった時代。それ以上の舞台の細かい説明はない(押し付けない),というのは,読み手がその世界に自分の形で入り込むことができる。

    「10の期待をもって5割満足できればいいかな」と思い読み始め,読み終えたら8割以上の満足が得られた。

    終わり方もとてもよかったと思っている。

  • 野火の想いが健気で哀しい。最後に小春丸と小夜を合わせてあげたかったけど、お互いに相手の幸せを見られて良かったんだろう。ほのぼのと切ない物語り。2012.12

  • 懐かしい自然の匂いを感じる小説でした。
    優しくてあったかい空気感の中に切なさもあり、大人の心に沁みる話だったと思います。

    呪術というものに捕らわれ翻弄されながらも、侵されない大切な気持ちがあると証明してくれた野火と小夜に心打たれます。


    2012.11.23

  • 初めての上橋さん。中学生くらいに出会っていたらはまっただろうなあ。今でもファンタジーとして、十分面白い作品だったけど。ラストまで、あきずに読める。美しい物語。

  • 内容…★★★★
    人物…★★★★★
    文体…★★★★★

    上橋先生の自然の描写が凄く綺麗。
    読んでいると描かれていない水や風の音まで聞こえてきそう。
    最低限の幸せだけを手に入れた小夜と野火。
    なんて純粋でなんて強い愛。
    私も大朗と小春丸と一緒に2匹を見守りたいです。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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