- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101302720
作品紹介・あらすじ
老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。
感想・レビュー・書評
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久々に小説を読みました。
旅の途中で立ち寄った古本屋で購入。
行きの車中で読破。
幸福な読書でした。
詳しい感想は、コチラ。↓
http://blue-shine.jugem.jp/?eid=156 -
念願の守り人シリーズを大人買いしました。
主人公バルサがチャグム皇子に偶然出会い命を救うところから物語は始まりますが、まずバルサの年齢が30歳というのが意外でした。
そしてチャグムの口調や好奇心旺盛なところが可愛くて、すぐにのめりこみました。
ああ、これからあと9冊はこの世界に浸れるのかと思うと...もうそれだけで星5つつけたいくらいですが、思った以上に展開が早くて。もっと読みたかったというのが正直な感想。まあシリーズものとしてはこのぐらいがちょうどいいのかな?
サグとナユグというふたつの世界というのが私には想像もつかなかったし、ニュンガロイムとニュンガロチャガが入り乱れてる場面は、え?これほんとに児童文学なの??と思うくらい。世界観がしっかりできているので、今後の展開にも超期待です。 -
老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。
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2014.4.29 am4:07 読了。徹夜。面白すぎる。のめりこんであっという間に読んでしまった。想像以上。著者が文化人類学者であるからか、随所で現実の出来事をモデルにしたと思われる描写が見られる。ヤクーはアボリジニを連想した。サグとナユグという世界観もどこかで見た気がする。現実を投影して物語を構築し、物語を通して人々に現実世界の本性を伝える。双方向の関係。目の前のことだけに目がくらんで、性急になりがちな現代。このような、世界の枠を、自分自身が認識している世界の大きさを知らせてくれるような物語は不可欠だと思う。恩田陸の解説における「生きていくということは、この世界についての自分の地図をつくること」という言葉や、M.エンデと似たような考えを述べていたことが印象的だった。これは全巻揃えるべきか…!次巻にも期待。
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不覚。。次作の感動の予感だけで泣いてしまった。アダルトでもジェンダーフリーで読める。著者の文章力はもとより、別世界の空想話しにも関わらず、登場人物に読者が自身を投影しやすい細かい描写が惹きつけられる。図民は読むべし!詳しくはWikiで。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%88%E3%82%8A%E4%BA%BA%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
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うーん、半分ぐらいからちょっと飽き気味になってしまった。全体的にアニメみたいなんだよなあ(その後アニメ化されてるけれど)。
読んでいる途中からどのへんの年齢をターゲットにして書かれたのか? が気になった。なんというか描写がこってりしているというか、説明が多いというか。あとがきに「児童文学として書かれた」とあり、やはりターゲットはそこなのか、と納得。
作者が文化人類学者ということで、単なる社会風俗だけではなく、構造的な社会システムのような、そういう仕掛けや伏線のようなものを期待してしまったのだが、なんだか食い足りないまま終わってしまったという感じ(児童文学でそこまで期待するのは無理なのかもしれないけれど)。
ファンタジーって世界観をどう作るのかが本当にむずかしいと思う。もうありとあらゆるものをやり尽くされてしまっているような。昔からある中世ヨーロッパふう剣と魔法とドラゴン、ハリーポッター的な世界、アジアチック、中国チックなのもあるし。この作品は平安時代と中国を合わせたようなイメージを受けたが、1996年の作品ということでそのあたりを割り引いたとしても、ちょっと惹きつけられるものがなかった。
10年に及ぶシリーズとのことだけど残念ながら続きはナシで。 -
うーん? 評判がいいので期待しすぎで読んだのかもしれない。
世界観はしっかりしていると思う。でもしっかり地に足をつけた設定であるがゆえに、翔ぶことができていないのかな…という印象。登場人物はそれぞれにもっともな言い分があって、各々の信念を基軸に行動している。誰も彼もが「いいひと」で、共感の余地がある。だからこそ共感しきれない。単純な勧善懲悪がいいというわけではないけれど、どの立ち位置にも納得のいく言い分が用意されていて、これほどに「悪いひと」がいないと、さすがに少々胡散くささを感じてしまう。…私が素直じゃないからかもしれませんが、用意された信念に従って行動する登場人物群に、覚悟も葛藤も感じられなかった。
描写は素朴で、やや平坦かもしれない。固有名詞がアジア系(非欧米系)を狙いすぎているような? この辺りは完全に好みの問題なので、私の好みではなかったというだけですが。
戦闘シーンが多いけど、迫力はあるのに生々しさに乏しい、かなぁ。傷を負う描写にも痛みを自分自身に投影することはなかった。作者が創作したストーリーのまま、プロットをなぞって怪我をしているように感じられた。
巻末の解説で「母国語で読める」幸運とありましたが…ううーん?(やー、指輪やゲドを引き合いに出してるけど比べるほどにはファンタジーとして追いついていないんじゃ…私、指輪にもゲドにもそこまで思い入れないけれど)
全体を通して深みが足りないのかな…世界の息遣いが感じられない。最初に書いたように読む前から期待が過剰だったのだろう。シリーズ続刊を読むかは現時点では未定。読み進めていけば高評価の理由がわかるかな? と期待を捨てきれず迷っているところ。
(本編には関係ないツッコミだけど、解説、「有象無象の異世界ファンタジーが世界中に溢れた」のはハリポタ以降のことじゃないと思う)
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別の場所で『精霊の守り人』について書いた文章を追加します。参考までに。(2016/10/06)
(前略)
「大人も充分楽しめる児童文学」というフレーズを前もって聞かされていたら、期待するのは正直に「モモ」とか「果てしない物語」レベルだよね…。これは「児童文学だけど大人も楽しめます!」と期待を煽ってしまった売り手側の甘さに責があるのであって当の「精霊の守り人」という物語自体に落ち度があるのではないとは思うんですが。
ただ「精霊の守り人」という物語は、とても精巧につくられた「箱庭」世界のように私には感じられました。
文化人類学という分野を研究する作者が、その知識と経験をつぎこんでつくった、ほぼ完ぺきな「箱庭」世界。
地理、歴史、神話、伝説、人種、民族、気候、風土…。そういった要素を考慮して、現実にありうべき精巧さで創造した世界。
知識と経験をつぎこんでつくりあげたその文句もつけようもない「箱庭」に、登場人物と物語を付与して披露された小説。
登場人物のそれぞれにも背景と価値観、それぞれの正義を用意してあって、精緻に設計された小説。
でも、箱庭、というだけ。
というのが率直な私の感想です。
文句のつけようもない、歴史やら地理やらの背景を用意された世界。学問的には完璧なモデルケースなのかもしれない。
でも箱庭でしかない。
もっと、学問的にはありえない、突拍子もない、理論的には成立しない、奇天烈な、ファンタジー世界設定で描かれた物語でも、もっとずっと圧倒的にこちらを巻き込んで物語られる小説は存在して、私はどっちかといえば、そちらのほうに高評価をつけたい。
小説って結局は虚構です。ファンタジー小説に限らず、小説というものは虚構です。嘘です。たとえ私小説であっても、小説である以上は虚構がある。嘘を物語ることによって、真実を語る。嘘を通して真実を示す。それが小説だと思っています。
どれだけもっともらしい世界を構築できるか、ではない。
そこに築きあげる世界が理屈にかなってるか、あるいは薄っぺらいか、ではない。世界の信憑性は正直なところ、あってもなくてもかまわない。
そこで何を語るか、なのだと思うのです。
世界の重厚さに比べて、「精霊の守り人」という物語で語られる物語は、あまりにもありきたりで薄っぺらい、ように私には見えました。登場人物も、設定が現実的かとかではなく、その人物に真に迫る覚悟が感じられない。
児童文学として子供に薦めるなら、「果てしない物語」のほうを挙げたい。「大泥棒ホッツェンプロッツ」とか「エルマーと竜」とか「ぼくは王様」とか「ドリトル先生」とかね。いかに学問的に整合性のある「世界」か、よりも、たとえ破綻があったとしても生き生きとした「世界」を、躍動する登場人物の笑顔や涙に読みながら巻き込まれる感動を、子供には味わってほしいかな…。
(注・例として挙げた物語には世界設定に破綻があると言ってるわけじゃありません)
(後略) -
2016/3/17読了。
ドラゴンクエストやファイナルファンタジーやスタジオジブリを想像力の立脚点としない、まっとうな一次創作であり、ハイファンタジーであり、児童文学だった。
ファンタジー耐性のない人がこの作品の世界にすんなり入り込めるとしたら、それはこの作品の想像力の立脚点がアジアの古い社会にあるからではないか。ガジェットや用語を少し変えれば、東アジアから環太平洋域のどこの民話にも翻案できそうな懐かしい普遍性がある。
加えて、設定に淫していないところも、幅広く読まれる理由となるだろう。この作品の世界の設定は、この作品の世界を描くためだけのヴァーチャルな閉じたものではなく、私たちが生きるこの現実の世界の摂理を照らすためにある。
ハイファンタジーとはそういうファンタジーだと僕は理解している。だからこの作品をハイファンタジーと評している人が多いことにも肯ける。 -
日本人作家が、カタカナの人物名の物語を書くとことに違和感、嫌悪感(日本のCMなのに外国人ファミリーが出てくると、そんなに外国人に憧れてるのかよと思ってしまうのと似てる)を持っていたので、その手のファンタジーは敬遠していたが、評価が高かったので読んでみた。
まず感じたのは、名前は外国っぽいけど、意外に和風だなということ。自然が舞台になっているせいだと思った。
アクションシーンは、バルサが短槍使いということもありあまりバリエーションはないが、まあ、時代劇のチャンバラシーンを見ていても飽きないのでいいかなと。
精霊の守り人などにナンタラカンタラという少し長いカタカナ名が付いているが、結局覚えられず適当に読み流した。(子供だとすぐに覚えるだろうから、それが物語に没頭できるか出来ないかの差かなと思った)
バルサが助けるチャグムという子や、幼なじみのタンダなどはキャラが上手く描けていたと思うし、謎をとくための古い文献や妖術使いなどのお約束グッズ/キャラが出てくるのも良かった。
心理描写が長い恩田陸さんと上橋菜穂子を足して二で割ったような作者が書いたらもっとのめり込めたかな?と思っていたら、なんと、本の最後の解説を恩田陸さんが書いていた^^;
この本を借りた後、綾瀬はるか主演でドラマ化されると聞いて、いいタイミングで読むことが出来たなと思った。
おっさんなので、そんなに没頭できなかったけど、若かったらこの世界観が好きになっただろうと思えるので星4つとなりました。 -
こういうファンタジーを読むには大人になりすぎたかなー、と読む前は思ったけど、全然そんなことはなかった。
文化人類学者でもある作者ならではの知見が各所に見えて素晴らしく面白かった。
結局大人が面白いと思えるようなすごいファンタジーを描ける人ってこの世界のことをむちゃくちゃ理解した上で再構築してるんだよね。ピカソみたいに。
著者プロフィール
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わたしも未だに続刊は手に取っていないです(汗)
続きは気になるんですが…。
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私も半分くらいで、足踏み中。サラッと読めると思うと後回しになってしまって。。。
私も半分くらいで、足踏み中。サラッと読めると思うと後回しになってしまって。。。