精霊の守り人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.22
  • (1983)
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本棚登録 : 12396
感想 : 1278
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302720

感想・レビュー・書評

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  • 小学生の頃に読んでずっと好きだった本。
    当時はチャグムと同じ年でシュガは大人に見えたけど、気がついたらシュガと同じ年になってた
    バルサやタンダの年になったらまた読みたいなあ…

    文化人類学の教授である上橋先生の作品だからか、すごくしっかりしているファンタジー
    大きくなっても楽しめる、結末は覚えてたけれど、驚きと深い感動を持って読める作品
    とくに神話や宗教の設定が深いと思う

  • 正統派のファンタジー。中学生に読んで欲しい本です。もちろん、大人が読んでも楽しめます。ただいま、全シリーズを読破中。

  • 老練な女用心棒バルサ(30歳)は、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。

    精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。


    建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。


    読む前までは、30歳と言う年齢は児童書の主人公にしては老けすぎている気もしましたが...

    様々な経験を経て勝ち得たものであればこそ、バルサの『生き様』が、読み手の心の奥底に響き渡ってきます。

    責任感や優しさ、強さなどが主人公の行動や言動からひしひしと伝わってきます。

    日本製の異世界ファンタジーとしては、いい出来なんじゃないかと思います。


    恩田陸さんが「あなたはラッキーだ。私たちは、母国語で読める、しかも私たちが読むべきファンタジーにようやく巡りあったのだ」と激賞しているこの作品。

    実はこの言葉で購入を決めましたw

  • 仕事を始めると、本当に時間が無くなるのね。それでも読書と掃除はするけど。

    すぐれたファンタジーは現実を映し出す。続きを読むのが楽しみなシリーズを知ることができて嬉しい。

    著者はしっかり生きてきた人なんだろうなぁ。だから、きっと説得力のある登場人物や世界観をつくり出すことができたんだ。

    バルサとタンダはどうなるんだろう。星読みのエリートの人のその後も知りたい。チャグムはどんな王さまになるかな。

  • いやおうなしに「精霊の守り人」としての
    使命を背負わされた一人の少年と
    それを守り役割を担うことになった凄腕の槍の使い手の
    女傑の物語。

    ちなみにこの女傑、30歳です。
    でも、強いし、たくましいのです。
    誰かが思い浮かびますね。

    そして、守り手の少年。
    本当に聡明な少年ですが
    やはりまだ幼さがあるんですよね。
    その描写がらしいなぁと感じます。

    さほどグロテスクな表現はないので
    海外のファンタジーで面食らって
    辟易とした人でも大丈夫です。

  • もっと早く出会いたかった本。子ども時代にこの本を読めていたら幸せだったろうなと感じる。続きも楽しみ。

  • いい!サバイバルより恋愛より、バルサの母性愛を感じる。タンダの控えめな愛情もそそる。バルサにツンデレの素質ある気が(笑)
    このシリーズまだまだ続くそうで楽しみ。欲を言えば中学生くらいに出会いたかった作品。

  • 伊坂本に戻れなくて、ふと手にしたこの本。ジュブナイルとして書かれたファンタジーのようだ。しかし大人向けとしても評価が高いらしく、著者が文化人類学者というところにも引っかかりを覚え、シリーズ一作目を買ってみた。
    日本のファンタジーというと真っ先に「十二国記」が頭に浮かぶ。あれを超えるものがあるのだろうか。
    古代アジアのどこかの地方のような新ヨゴ皇国が舞台。精霊の卵を産みつけられた王子とさすらいの女用心棒バルサが、ふとした出会いから関わりを深めていく。追手との死闘と呪術師が読み解く異世界の存在。
    一気に読んでしまった。言語法則や民族間の関係性、都市や社会の構造など随所に文化人類学的な視点を織り交ぜつつ、圧倒的な物語の力で一つの世界を構築している。それは十二国記とはまた違ったもっと柔らかい世界だった。
    だめだ。ハマってしまった。

  •   すごいすごいすごい。
    圧倒的でした。常に貸し出し中でやっと借りられただけあります。何がすごいって、まずは"サグ"と"ナユグ"の宇宙観でしょう。同じ場所に同時に存在する世界。精霊たちの住まう世界。チャグムを通して見たナユグの美しさと広大さは素晴らしいものでした。

      それとこの物語の主人公、バルサは三十代前半の女性。
    そもそもこの設定の時点で風変わりです。そして彼女はべらぼうに、強い。義父ジグロから教わった武術は天性のものもありみるみる上達し、今ではそこらへんの男じゃ歯が立たないほどの強さ。戦うシーンの緊迫感なんかも凄かったです。

      呪術師や星読みといった人たちの存在も物語をより楽しませてくれました。七十歳にもなるトロガイがその生涯でもまだ学びきれていないというほどに深いこの世界。これほどシリーズになっていてくれて嬉しいと思う本は初めてかもしれない。昔から伝えられているものって時が経つにつれて忘れられていくものが多い、だからこそ今現在も伝えられてきてるものはとても大切だと思うんです。

  • 有名な「守り人」シリーズに手を出してみた。

    「緻密な世界構築」も魅力のひとつらしいが、読んでいて驚くのは刺客との戦いの場面もかなり巧みに描かれていること。モンがバルサとの戦いについて帝への報告において、バルサがおのれ自身が傷つくことを全く恐れておらず、「あれは頭で考えてできることではない」と説明するところなど、剣豪小説かなんかかと思ってしまう。

    続きもどんどん読んでいこうと思う。

  • 案の定ハマって一気に読んでしまった。

  • こちらにレビューが書かれています

    http://booklog.jp/users/ohsui/archives/4101302723

  • 三十代の女用心棒が主人公の児童文学ってすばらしいな。
    「もう、足し算も引き算もできなくなっちまった」

  • 楽しいじゃん!やるじゃん!ファンタジー!!
    苦手分野だけど、これなら読める。
    この長さで、この程度のフィクションで、これくらいの登場人物ならいけるっ!
    もちろん先にアニメを見ていたから、話について行きやすかったってのもある。
    というかそもそも、この本を買ったきっかけがアニメを見てたから、だったんだけどね♪
    ただし本棚から引き出したきっかけは、ゆうちゃんでしたよ。ありがとさん!

    人類文化学の教授が書いた小説だからか、余計な装飾とか会話とか、気の持たせ方がなくて、淡々と、サバサバと話が進んで、それがまたバルサの性格をよりよく説明してていい感じだと思った。
    ドラマチックなファンタジーが苦手な自分も楽しめた。
    それから原作に超忠実に作ってくれたアニメ監督にも感謝。
    お蔭で本を読んでる間もよくある「ギャップ」に苦しまずに済んだ。

    この雰囲気で、この長さで進むなら、シリーズ全部読破でしょう。

  • 2011年3月29日読了

    『狐笛のかなた』の時のような話の進行だなーと読んだ瞬間に思いました。淡々としているようで、けれど物事はゆっくりと根底に動いていて、最後に大きな展開を迎える…感じですが、『狐笛のかなた』が儚い雰囲気に対して、こちらは根底から力強さを感じる作品だなと思いました。
    主にバルサ視点ですが、チャグムの成長物語というような気がしました。チャグムの成長を見て、バルサが己の過去と向き合うので彼女の成長物語ともいえます。チャグムはあのまま宮にいたら、彼本来の良さを失っていたのかもしれない(・ω・`) バルサとチャグムが出会ったのは正に運命と言えるのかも!

    しかし、物語の主軸とは別にシュガとタンダにめちゃくちゃ萌えるんですがwww
    シュガは出てきた瞬間になぜかタツの声が被ってしまい、アニメだとノジ兄なのになーとか思いつつ、いまだにタツの声で再生されています(>_<) シュガは初登場時から「頼むから、悪役にならないでくれ」と願い続けており(笑)どうやら悪役にはならないようなので一安心!
    タンダはもうバルサとの関係の一言に尽きますね!チャグムの前でイチャつくなよ…と思わずにはいられないwww 勿論、当人同士にしたら幼馴染だし、じゃれあいも昔の延長上なんだろうけど、なにも知らないチャグムから見たら「なぜ娶らないのか」というのは妥当な質問だと思うwww バルサのことを思いやって踏み出さないでいるヘタレなタンダもいいですが、たまには男らしくバルサを引っ張るような姿も見たい\(^o^)/ そこでバルサが胸キュンしちゃうとか(笑)この時点でじれったいんだから、今後どんだけ焦らされるのかと気が気じゃありませんwww
    そんな中、バルサの男前っぷりが堪らん(^◇^)女性的な面や母性も見せるんだけど、それを上回る猛者感…www いや、それがバルサの萌えポインツなわけですよ!!アニメのあの美人っぷりを加えると相当いい女ですよね!!(多少腕は立ち過ぎるけどw)
    やはりちょいちょい挟まれる、バルサとタンダのイチャコラが堪らない上、じれったいwww バルサ、早くタンダの胸に飛び込んであげてよ!!!タンダはきっと優しく抱きしめてくれるに違いないよ^^

    綺麗な終わりではありますが、まだまだ物語は続いていくので楽しみに読んでいきたいと思います\(^o^)/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「バルサの男前っぷりが堪らん」
      ホント!
      男複数を相手にしても何とかなるところが強過ぎ。それだけシビアな人生を送ったってコトなのでしょうね、...
      「バルサの男前っぷりが堪らん」
      ホント!
      男複数を相手にしても何とかなるところが強過ぎ。それだけシビアな人生を送ったってコトなのでしょうね、、、
      2012/04/02
  • ファンタジーですね。なかなか世界観が細かく作られてます。読んだときに荻原規子の勾玉シリーズを思い出しました。
    主人公のバルサは30過ぎの女性なんだけど最強。だけど幼い皇子といつのまにか心を通わせてるところが良いですね。
    あと、この本の世界観で、「この世界の他に、同時に違う世界が存在する」って設定があるんですけど、これ面白いなあ…(混乱するけど)ふとした瞬間にもう一つの世界が見えたりしたら良いと思う(笑)

  • 長い間読んで無かったのを不覚と思う位、面白かった。日本にもこうした良質なファンタジーが有るんだな、とか思うと嬉しくなった。

  •  女用心棒が幼い皇子を守りながら刺客や魔物と戦う冒険ファンタジー。もともと児童文学として出されていたためか、あまりきわだった特徴がなかったかなと感じてしまった。世界設定は緻密で結構読みやすく、後巻を読むとまた印象が違ってくるのかもしれない。

  • 上橋菜穂子の守り人シリーズ!

  • 面白かった、んだけど、熱中して一気読みという感じではなかった。
    世界に入りきれないままエンディングを迎えてしまったというか…。
    もう一度読み返してみたら、また違ってくるかな。

  • 皇帝の第二皇子チャングを救ったバルサ。皇子の母から皇子を守るように依頼され旅に。皇子の体内に産み付けられた卵と建国伝説に隠された秘密。皇子を追う狩人と異界の魔物。
     2009年9月6日購入

    2010年4月8日読了

  • まず、表紙に惹かれた。
    綺麗だと思うのです。

    著者はアボリジニ研究してる人だっけか?
    うん、なんか、そんな感じ。

  • やー、面白かったです。
    最後のほうで鳥の骨のことやらすっきりしたし。
    バルサかっこいいし…
    読んでいこう。守人シリーズ。

  • 1つの島の先住民、新しく移り住み国を作った民。
    先住民の伝承と国に伝わる捻じ曲げられた神話。
    星読博士たちによって仕切られる政。
    多くの事が現在社会とリンクしているのですよ。

    この著者の本は2冊目。
    物語に引きずり込むのが上手い。というか早い。
    3人の妃と2人の皇子。
    第二皇子に異変が起こったのを見た星読博士は
    よからぬものが皇子に宿った事を知る。
    神の子である皇子ならば、そんなものを宿すはずがない。
    それが民に知れれば国が傾く。

    命を狙われる12歳の皇子。
    二ノ妃に皇子を託されたバルサ。
    皇子暗殺に放たれた狩人。
    そしてまたしても起こる皇子の異変。
    皇子の運命は?
    バルサは皇子を守りきれるのか?
    呪術師は解決策を知っているのか?

    登場人物たちも実によく描かれていて
    物語の進め方も実にうまい。
    緊張の場面と静かな場面が波のように連なり
    ドキドキヒヤヒヤわくわくと気持ちが忙しい。
    文化人類学者の描く物語。読まない手はないと思います。

  • 【老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。痛快で新しい冒険シリーズが今始まる】

    守り人シリーズの第一弾。
    児童向けかと思いきや、大人でも充分楽しめました。
    まず主人公が30代の女用心棒というところがいい!
    そして脇を固める登場人物も人間味があって惹かれます。
    物語自体も世界観がしっかりしているし、
    戦闘シーンも実際に想像できるほど描写がうまくて引き込まれました。
    今後のタンダとの関係も気になります!

  • ファンタジー 守り人シリーズ1

    作者は文化人類学者でいらっしゃる。地元に古くから伝わる祭りについてなど、さすがですね。

  • 30代の女用心棒が主人公のアニメがあると聞いて驚き、そして興味を持った。アニメは残念ながら見なかったが、原作を読んでこの世界にのめりこんだ。まるで民俗学の本でも読んでいるような印象でとても面白い。これは児童書ではなく、ハリーポッターや指輪物語のようにあらゆる年代の人間が楽しめるファンタジーだ。新潮文庫で発刊されて買いやすくなったのは感謝!

  • 臨場感があったというか戦いの場面にスピード感があって面白かった。日本の昔の生活のような描写も好き。後半から一気に謎が解け始めて読むのが止まらなかった。特にナナイの記録を読み進めるにつれて200年前のことが明らかになっていくのですっきりした。夏至祭りが重要な意味を持っていることも興味深かった。ナージが飛んできた場面がよかった。バルサとチャグムがだんだん姉弟か親子のような仲になっていくのがわかるけど、そのために最後は残念だったな…。国のためにいいように扱われるチャグムがかわいそうだと思ったし、どうしようもない力が働いていることに虚しさを感じた。最後、山影橋に戻ってきたのが懐かしい感じがした。(20081223)

  • 2008年11月1日義理の妹に借りてたのを読。
    アニメ化されたのはこの本に収録されている部分。
    続編がたくさん出てるのでこれも借りて読む。
    アニメだとサグとナユグの説明のあたりが少しわかりにくかったので、文章で読んで、ああこうなってたのか、と再確認。

  • こーいうファンタジー書ける作家さんって、本当に尊敬する。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

上橋菜穂子の作品

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