闇の守り人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.29
  • (1180)
  • (820)
  • (450)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 5663
レビュー : 626
  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302737

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名を晴らすために。
    短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは。
    バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。壮大なスケールで語られる魂の物語。

    <守り人・旅人シリーズ>第二弾です。

    25年前の事件が事実とは全く異なった形で語られていたこと、そしてさらに新たな危機をカンバル王国は迎えつつあること。

    ジグロの弟であるユグロ。
    ジグロとは似ても似つかぬ非情な人物で、こんなヤツらのためにジグロがあれほど苦しんだのかと思うと、腹が立って仕方ありません。
    ユグロ!ジグロがお前を許しても、私は絶対にお前を許さん!

    ジグロのこの言葉が大好きです。
    「もう一度、少年の日にもどって、人生をやり直していい、といわれても、きっと、おれは、おなじ道をたどるだろうってことだった。おれは、これしかえらべないっていう道を、えらんできたのさ。――だから、後悔はない。」
    想いを受け継ぐということの大切さが心にしみました。

    サグとナユグは、やはりうまく調和しながら世界を守っているのですね。

    この作品が子供より大人からの支持が多いのも理解できます。

  • <blockquote>おれは、これしか選べないっていう道を、選んできたのさ。 −だから、後悔はない。 p180</blockquote>

  • 守り人シリーズ2作目。短槍使いのバルサが、過去の清算のために故国カンバル王国に乗り込みます。

    自分を守るために近侍していた王を殺し、口封じに殺された父。親友から託された娘を守るために、全てを捨てて友人を殺し続けた養父。うすっぺらい物語なら養父は天使のような存在に描かれるかもしれないけれど、実際は長い年月葛藤の日々だったことをうかがわせます。

    愛憎相半ばだったけれど、でもやっぱり自分は愛されていたし、自分も愛していた、と実感して、バルサはまた旅立つでしょう。

  • 前作であともうひとつ何か…と、つかめそうでつかみきれてないようなそんな感覚があったのだけど、コレだ!
    父やジクロ追い詰めた陰謀が時を越え形を変えてつながる中、バルサが抱え続けた心の重荷の正体が、具体的に明らかになってゆく。

    圧巻はやっぱり洞窟での短槍のシーン。
    むき出しの、怒り、悲しみ、苦しみ。
    吐き出しながら槍先を突きつける、その相手は。

    1作目よりグッと引き込まれた。
    人間のにおいの濃いめの、けれどやっぱり素敵にファンタジーだった。

  • ジグロ、バルサ、ジグロを追った討手たちの痛いほどの苦しみ、恨み…陰謀に巻き込まれてしまった人々の、どうにもならない苦しみが哀しい。
    相変わらず政治を、人の闇に紛れてしまった部分を描くのが上手で、こんな政治家いるよなあと実感を持って読める。

  • 2013.6/9 シリーズ2作目。悪者側の描写って稚拙なものが多いけど、これはなかなか。そうなっていった流れも納得出来る構成だ。不可思議な生命体の描写が上手いなぁ。

  • バルサが過去と向きあう物語。ジグロとの思い出にひとつの決着をつけるため、故郷 カンバルを旅する。闇の向こう側にあったものは。

  • 再読でもとても世界にのめり込みました。故郷で、過去と向き合うバルサが、力強くも哀しくて。ヒョウルとなったあの人との槍舞いのシーンは涙してしまいました。ジグロの思いも、バルサの思いも辛くて切ないです。このシリーズは、登場人物たちがこれからも自分の道を強く真っ直ぐ進んでいくだろうと感じさせられるところも好きです。ユグロは難しいだろうけど。。続きも読みます。

  • 児童向け書籍とあなどってはいけない。

    寝る間を惜しんで指輪物語を読んだ、幼い頃のわくわくした気持ちを思い出させてくれる素晴らしい作品。
    女主人公バルサは30代。闇の守り人は、傷をかかえて生きるオトナの心にこそ響くのかもしれない。

  • おもしろい。読み始めたら一気に読んでしまいました。

全626件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

闇の守り人 (新潮文庫)のその他の作品

上橋菜穂子の作品

ツイートする