神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302775

作品紹介・あらすじ

南北の対立を抱えるロタ王国。対立する氏族をまとめ改革を進めるために、怖ろしい"力"を秘めたアスラには大きな利用価値があった。異界から流れくる"畏ろしき神"とタルの民の秘密とは?そして王家と"猟犬"たちとの古き盟約とは?自分の"力"を怖れながらも残酷な神へと近づいていくアスラの心と身体を、ついに"猟犬"の罠にはまったバルサは救えるのか?大きな主題に挑むシリーズ第5作。

感想・レビュー・書評

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  • アスラを守るためにバルサはシハナという怖ろしい女性と闘う羽目に陥る。そして…
    このシリーズは何度も私を物語の海へ川へ溺れさせてくれます。

  • 過酷な運命を背負ってしまった少女が感情に流されずに冷静な判断をする…それを導き出したのはバルサの言葉。
    しかし、このシリーズ可哀想な少年少女ばかり…。それを放っておけないのがバルサ達。かっこいいです。

  • シリーズ第5弾
    人身売買されそうになったタルの民の兄妹を助けたバルサはロタ王国の対立と陰謀に巻き込まれていく。バルサに少女は救えるのか⁈

    今回もなかなかの内容でした。ホント守り人シリーズはハズレがないなぁ!ところでシリーズ内で登場する食べ物ってちょっと興味あります。とろけるようなラ(ヤギの乳から作ったバター)をたっぶりとかけたバム(無発酵のパン)!ちょっと食欲を刺激されます。どんな食べ物なんだ?笑

  • アスラのことだけではなく、貧富の格差、人種差別など国の根底にある様々な問題がロタ王国全体を揺るがす事態へと発展していく。
    苦しい思いをして生きてきたバルサの言葉には罪を背負って生きていくことの残酷さがあるが、生きていくことの強さも信じている。

  • 守り人シリーズ6巻。神の守り人の下巻です。

    上巻からあげられている「それが正義であれば、殺人は許容すべきか」 という重いテーマに対し、本巻で一定の答えは出たのではないでしょうか。
    戦いを通じてバルサの背負う悲しみの重みがひしひしと伝わり、彼女ならではの理論で殺人をしてはいけない理由が語られた時、とても納得感がありました。
    また、ラストは手放しで喜べるものではないですし、ロタ王国の問題は全く解決には至っていないけれど、わずかな希望の光が見えた感じはよかったです。

    今回の事件では、上記の他にも人種差別や地方格差、新興宗教やテロなど、現代でも悩ましい問題が織り込まれていて考えさせられることが多々あり、しかもそれが、世界のどこかでの出来事ではなく、すぐ隣で起きていることという現実感を以て迫ってきました。
    相手の立場に立つこと、が、ね。解決の一歩かもしれません。

  • 守り人シリーズ第5作!
    女用心棒バルサがますますカッコイイ!
    ただ強いだけじゃなく、母性的な優しさも持ち合わせてるところがまたいい!
    そして人を殺めた哀しみ。
    生きるために、人を殺めるしか生きる道がなかったとしても、人は、動物と違って、心に傷を持つ。
    たとえ相手がどんなに悪人でも。
    人として生きるということはどういうことか、深く考えさせられた。

  • 邪悪な力を解き放つことになってしまったいきさつ。
    力を持ってしまった少女アスラ。
    何とか助けようとするアスラの兄。
    少女の心身を守ろうと奔走するバルサが頼もしい。

  • 初めて本を読みながら涙ぐんだ思い出のある作品。しかも電車の中だった。
    決して幸せとはいえない終わり方かもしれないけど、ラストシーン、大好きです。

  • 守り人シリーズで一番好きな作品、「神の守り人」、その下巻。

    この作品のラストは涙が自然と零れてくる。
    アスラを取り巻く大人の身勝手、そして身に宿る大いなる力。

    純真な子どもだからこそ大人の思うつぼとなり、そしてその純真さがあったからこそ、彼女は自分に与えてくれた優しさや愛情をしっかりとその心に焼き付けていたのだと思う。
    シハナの思惑が大きく崩れたのは、シハナがそういう心を大切にして育ってこなかったからなのだろう。
    だからと言ってシハナだけを責められるわけではないと思う。彼女にも彼女なりの葛藤はあったはずだ。そこは勝手な想像でしかないが……。

    物語の最後、アスラが下した決断は、彼女を一生縛り付ける呪縛となってしまったのだろう。
    それでも、彼女はとてつもない覚悟と、たくさんの自分が貰った愛情や優しさを受けて決断した。
    それは、アスラの強い心と勇気、そして優しさがあったからこそで、彼女にしか出来ない素晴らしい決断だったと思う。

    この中で一番好きなシーンは、悪夢を見たアスラがバルサに泣きつくところ。最後の決断のシーンは言わずもがな。

    狼の群れを虐殺し、自分に与えられた力に気づいたこと。そしてバルサがその力を使うアスラが何を考えているのかわかってしまったそのあとのシーンだ。
    アスラが信じてやまないカミサマへの考え方をアスラが傷つかないように優しく諭すバルサの言葉選びに深く考えさせられた。

  • なんとも胸キュンなエンディングで、もおもお!でした。

    なんだかんだ、やっぱりバルサなんですよね。かっこいいなあ。もう。
    タンダの頑張りにも拍手!でしたし、どう考えても無理だろうっていう状況でも絶対に諦めないふたりの姿がもうたまらなくて。泣けました。

    最後のチキサとバルサの会話にもぐっときたし。
    相手が子供でも対等に接するバルサの姿勢がすき。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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