蒼路の旅人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302799

感想・レビュー・書評

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  • 今回は物語が大きく変わる転換点となるお話です。
    しかもかなり大掛かりな前振りです。

    まさか一話の話を考えていたところで、
    ここまでの展開を考えていたのでしょうか。
    ご本人はあまり先のことを考えないで書いているそうですけど。

    世界観、描写、この物語を子供向けとした
    人達は一体何を読んでいたんでしょうね。

  • チャグム皇子の旅はスコーンと一気に世界が広がる感じが果てしなく心地よい。それが囚われのものであっても、だ。

    それは取りも直さず、筆者の情景描写の素晴らしさであり、聞こえてくる様々な異国の息遣いや、各国人の活き活きとした生活模様だ。

    侵略せんとする南方タルシェ帝国の企図と、新ヨゴ皇国帝室の派閥争いに翻弄されたチャグムは、囚われの身となり世界を巡る。そこで触れ合う人々を通じて成長していき、同時に覚悟も深まっていく様が、ワクワクしつつ哀しみも誘う。

    チャグムの物語は歴史そのものだ。この世界をさて、どう舵取りするか。

  • チャグムが、国を統べる者として大きな決断と責任を果たす本作。
    第1作の時には11歳だった少年が、15歳になり、子どもと大人の中間という繊細な時期に、国の存亡を左右する困難に一人で立ち向かわなければならない過酷さを思うと、胸が苦しくなる。

    過酷な旅路の中で、出会う人の多くがチャグムの人柄に惹かれ、彼のために危険を冒して助けの手を差し伸べる。
    その手に助けられているのはチャグムだけでなく、読者もだ。
    チャグムの未来が少しでも明るいものとなるように…
    そんな願いを込めて、次の物語を読もうと思う。

  • 2013.6/15 シリーズ7作目。帝との確執が露になって悲しい。サンガル王国、祖父トーサ、タルシュ帝国密偵ヒュウゴ、味方が善なだけでなく、敵が悪なだけでなく、思惑が交錯していくのが深い。

  • 2017.12.19
    チャグムの若さ故の青さと葛藤、成長が一気に見られる作品。
    まだまだこれから骨太な青年になって行くのだろうなあと、背中を見送っている気分になりました。
    最後の急展開で今後にへの期待が盛り上がって鳥肌たちました。
    ここまでのシリーズでのファンタジー要素はかなり少なめですが、蒼路の旅人で全体の物語がぐっと奥行きを深めたと感じました。

  • チャグムの、更なる成長が見られた一冊。
    たくさん試練があって、読んでいるほうも辛いのだけど、何とか乗り切ってほしい。きっとチャグムなら、乗り越えられるはず!

    続きが気になるので、三部作に進みますー

  • サンガル王国行きは罠!
    虜囚となり、タルシュ帝国へ連行されたチャグム。
    広大で強国のタルシュ、先祖の故郷ヨゴ皇国の現実、
    広い世界の情勢を見せつけられたが、
    国を民を救いたい!その想いが彼を行動へ駆り立てる!
    そして、今後の物語の核にもなる
    アラユタン・ヒュウゴとの出会い。
    息をもつかせぬ物語の展開に、一気読みでした。
    ルィン、セナ、ソドク、ラウル王子・・・新たな人物たちの
    個性あふれること(^^♪
    そして、思い出の中のバルサたち。
    そう、ジンもシュガも頑張っている。
    さらに成長しているチャグムの姿がすがすがしかったです。

  • 再読。海に飛び込むフラグ最初から結構立ってる…!

  • 風雲急を告げる。

    終盤への舞台は万端整った。

  • 強大な帝国の前で、国を、民を守るには、帝国の枝国となるしかないのか、本当に民を守れるのか、なんて厳しい決断が迫られるものか。結末は、作者の上橋さんは書いていてとても幸せな気持ちだったそう。このラストシーンが頭に浮かんで、一気にこの話を書き上げることになったのだとか。次巻の最終巻「天と地の守り人」につながる、続けて読まずにはいられない結末です。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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