蒼路の旅人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 365
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302799

作品紹介・あらすじ

生気溢れる若者に成長したチャグム皇太子は、祖父を助けるために、罠と知りつつ大海原に飛びだしていく。迫り来るタルシュ帝国の大波、海の王国サンガルの苦闘。遙か南の大陸へ、チャグムの旅が、いま始まる!-幼い日、バルサに救われた命を賭け、己の身ひとつで大国に対峙し、運命を切り拓こうとするチャグムが選んだ道とは?壮大な大河物語の結末へと動き始めるシリーズ第6作。

感想・レビュー・書評

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  • まだまだ青くさい部分を残していたチャグムが大人になっていく物語。大きな力を前に自分にできることを考え、何度も悩んだ末に出した結論は彼の成長を感じさせる。
    シリーズとしての物語がここで大きく動きはじめ、チャグムやバルサのいる世界がどういう運命を辿るのか気にならずにはいられないだろう。

  • 旅人編はチャグムの物語。
    けど、捕虜になっと南を旅することになるなんて。。。
    サンガルのタルサンと旧交を温めるのかと思えばとんでもない!
    シュガとも別れ、祖父トーサとも別れ。。
    帝はなんて器が小さいんだ!!!
    でもヨゴの男ヒュウゴや海の恵みの子セナとの不思議な出会いがまた、チャグムを強くした。
    そしてルィンとジン。 みんなが願ったように私も願おう。。
    チャグムに幸あれ。

  • 新ヨゴ皇国の皇太子となったチャグムは、罠と知りながら祖父トーサとともにサンガル国の救援にむかう。
    そこでチャグムを待ちうけていたのは愛する人の死と、あらたな試練だった。故郷をはなれ、より困難な道をめざすチャグムの旅がはじまる。


    <守り人・旅人シリーズ>第六弾です。

    「精霊の守り人」が始まったときは11歳だったチャグムが、もう15歳。
    新ヨゴ皇国から南へはるか遠くにあるタルシュ帝国がしかけた罠と知りながらも、多くの民のことを思い、父帝の意見に激怒して旅に出、拿捕され虜囚になってしまいます。
    でも、チャグムはちょっとやそっとのことじゃあきらめない。
    自分のために犠牲になった人々のことを思い、何よりもみんなの平和のためを考え、絶望的な状況を打破するために行動を起こします。
    そんなチャグムだからこそ、人はついていこうとするのですよね。
    この「蒼路の旅人」は、チャグムがひとつの道を選んで、歩みだすまでの物語です。
    チャグム、立派になったなぁ!

    そして・・・「天と地の守り人」に物語は続きます。

  • サンガルとタルシュとの戦いが進み、サンガルが新ヨゴ皇国に援軍を求める使者が来たところから。

    思いの外宮での風当たりが強く、居心地の悪い思いをしているチャグム。
    帝の怒りを買ったためとはいえ、サンガルに行かされたのはいい機会だったのかもしれない。
    紆余曲折して結局南の大陸までチャグムは連れていかれ、タルシュの第2王子にも会うし。

    あんな遠くの国で、想定外の外交を一人でしないといけない重圧って…
    チャグムは本当に立派になってきてるなぁ。

    北の人々は国が違えど、会って話しをすれば同盟国としてやっていけそうだけど、タルシュという国はもう考え方が違い過ぎて分かり合える気がしないですね。

    どうやってこの嵐を乗り切るのか。
    一人旅でどうやってロタへたどり着くのか。
    ロタでどうやって身分を証明するんだ?
    フィナーレを迎えるのが楽しみなような、もっと読んでいたいような。

  • チャグムの成長、国家間の策略、異界の春の到来…と物語が三次元的に進むので、ずっと手に汗をにぎって読みました。

    個人的にNHK大河の「直虎」とか池上永一の「テンペスト上巻」みたいな“軍事力の弱い小国が巧みな外交力で生き残る”という話が好きなので、この後の展開が楽しみです!

  • 2019.1.18
    面白いー!!
    チャグムの強さ、成長と葛藤、
    人物描写。物の名前。
    良いなぁ。
    守り人シリーズの旅人シリーズはかなりツボってる。
    これからどうなるのか気になるー!!

  • チャグム……もう最初からかわいそうでしかたない。帝は帝だから、チャグムが自分の子供っていう感覚がないんだろうね。産んだわけでもないし、抱いたこともない。ただ自分が死んだ後に帝になるやつっていう認識なんだろうけど。でもチャグムが少しずつ力をつけていくと、自分がしたようにチャグムも自分を殺すのかもしれないって考えたのかな。神として崇められているのに、誰よりも人間らしさを感じた。
    チャグムは世界の広さと自国の小ささを知った。けれど、やはり普通の皇太子と違うのはその小さい自国の民を守りたいと思う気持ち。自分がどうなったとしても。その根底にあるのがバルサやタンダと過ごした日々なのだとひしひしと感じる。チャグムが口にしなくても、バルサやタンダがずっと心にいるんだ。


    2019/01/09

  • 著者:上橋菜穂子(1962-、東京都、小説家)
    解説:大森望

  • 【再読】
    今までの物語が寄り集まって、大きく動きはじめる。
    捕虜となりながらサンガルを旅して、チャグムが自分と自分を取り巻く運命と向き合う姿はとても切ないけれど、力強い。船の上で真っ赤に燃える夕陽に照らされた海を眺め、重なる世界を見ながら自身が皇太子として生まれてしまったことの行先を苦悩するシーンが印象的でした。

  • チャグムが世界がいかに広いかということを知って、これからの国の振り方を考え考え考え抜く話。
    ジンやヒュウゴがとてもいいキャラなのでこれからラストスパートまでちょこちょこ出て欲しいなと思いました。
    チャグムは国を弟に預けられるようになったら自由に生きてほしいと切に願います。
    次の最後の章を読みたいですが、結末を知るのがちょっと怖いです。全部上手くいってほしい限りです。
    個人的には祖父は生きていて欲しかった。

  • 守り人シリーズ6作目。主人公はチャグム。

    新ヨゴ皇国をとりまく状況はどんどんきな臭くなってきます。1作目・2作目の、主人公たちは大変だけど周りはのんびりしていたあの空気が懐かしくなってしまう。

    旅人シリーズ前作でチャグムが訪ねたサンガル王国は、既に南のタルシュ帝国に密通済み。罠の誘いを新ヨゴにかけ、サルーナ王女は”我が国の安全のために大人しく罠にかかって、身の安全は保障するから"(意訳)と言って来る。罠と分かっていて眼の上の瘤の将軍を向かわせようとする父帝に激高するチャグム。

    祖父の死、自分を守って傷つく者たち、異なる民族たちの風習、虜囚生活、そしてタルシュのラウル王子。一生宮から出ることのない父の何百倍もの経験を積んで、チャグムは皇太子としての決断をくだします。すごい。

  • まさに、大河ドラマ。

  • 80:実はシリーズでこれのみ未読で、続編の「天と地の守り人」は既読なので、こうしてあの怒涛の展開に続いていくのかと感慨深いです。そしてバルサとチャグムの物語は、「獣の奏者」へと続いていく。上橋さんの語る世界のシビアさと人間の強さと柔軟さ、思いの強さ、そういったものが大好きすぎて、これからもことあるごとに読み返すんだろうな、と今から思います。

  • 旅人シリーズは、チャグム君が主人公。
    今回は、背景としてはタルシュ帝国が侵攻を開始しており、サンガルから応援の要請があった、
    というところから話がはじまります。
    若者らしく率直な意見をいいますが、これがまた帝のご機嫌をそこねて、また試練がやってきます。
    結局サンガルからの応援要請はやっぱり罠で、タルシュの密偵につかまってしまい、タルシュ本国へつれていかれます。
    チャグムは、その過程で、苦難を乗り越え、人と出会い、加速度的に成長していきます。
    なんていうか、清濁あわせて、すべてを自分の中にとりこんでいく姿が感動的です。
    人ってこうやって大人になっていくのか、って感じ。
    20160531

  • チャグムは運命に立ち向かう、たとえ自分の無力を感じていても。

    バルサが出てこない、チャグムが主役の<旅人>の巻。少年が青年に変わる。まだまだ未熟なチャグムが、この巻の中だけでもぐんぐん成長する。いかに国や人々のことを守れるか、それは為政者になるために考えなくてはいけないこと。理想だけでは、国も民も守れないけれど、自分の譲れないところは。

    大国の王子ラウルの考え方は、自分が獲得できる土地がもうこんなに少ない、というもの。チャグムはまったく異なる考えに衝撃を受ける。王位に就きたいのか、父との関係など、まず自分の周囲のことを考えていたチャグムには、持ちえない考え。けれど、チャグムは、自分の落ち度からではあったが、父から罠に送り出され、サンガルの手に落ちて、タルシュへ送られ、様々な国の形、人の想いを知った。チャグムは、国の中では、そして小さな宮の中では、得られなかった知識を得て、自分の力に気付いて、自分の国と民を守るために考え、動き出す。

    少年から青年に変わる頃、その頃の、潔癖感や正義感、倦怠感、それがくるくると入れ替わり、自分が翻弄されていく苛立ちが伝わってくる。同様にファンタジーでいえば、4巻くらいのハリーもこんな感じだったような。期待が大きいほど、誇らしさや使命感もあるけれど、苛立ちは募るのだ。けれど、彼らは結局責任から逃れない。主人公だから。過ちは犯すかも知れない。でも、その過ちから最終的には目を背けずに、自分の使命に立ちあがる。主人公だから。ファンタジーではなくて、現実世界の場合、自分が自分の物語の主人公だとしたら、やはり逃げないで立ち向かいたいもの。

    次は三部作という。読むのが楽しみ。

  • 2013~2016 読了

  • 2018/6 8冊目(通算97冊目)。チャグム皇子が主人公の外伝第2弾。とはいえ、内容的にこれからの本編の話の筋に非常に重要なつながりを持つ。読んだ感想としては、チャグム皇子はまだ幼い所はあるけれど、大きな理想とそれを現実にする行動力と知恵をもつ男性になりつつある印象。(オーバーな表現ですが)。あと、解説でファンタジーと時代小説の親和性が良いということが書かれていたが、その通りだなと思えた。巻末である行動に出るチャグム皇子。バルサといつ出会えるのか。世界の運命は。続きも読んでいきたいと思う。

  • 順番飛んで、図書館で借りて先に読んでしまった。
    新ヨゴ皇国にせまるタルシュ帝国の脅威。皇太子チャグムと帝の対立。最終章に向けて、俄然盛り上がってきた!チャグムは無事にロタ王に会えるのか?
    終わり方も鉄板ですな。

  • とても面白かったです。
    新ヨゴ皇国の巻き込まれていく情勢に、チャグムはこう立ち向かって行くのか、と思いました。
    登場人物たちにはそれぞれ、置かれた立場がありますが、チャグムの味方というか、チャグム側へ近付いているのも良かったです。チャグムが良い青年に成長したからだな。
    ジンもヒュウゴもいい人だ…
    ラウル王子に宣言したチャグムの言葉には驚きましたが、これからのチャグムと新ヨゴ皇国の行く末、そしてバルサたちはどう関わってくるのか…続きもとても楽しみです。
    次の三部作で終結するのですね。

  • チャグムが旅に出るぞー!
    国取りの思惑、チャグムの思い、国を背負うことへの恐怖…いろんなものが混じった一冊。読み切りではなくて続き物なので、次を用意の上読み始めるのがよろしい。

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著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

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