天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302805

作品紹介・あらすじ

大海原に身を投じたチャグム皇子を探して欲しい-密かな依頼を受けバルサはかすかな手がかりを追ってチャグムを探す困難な旅へ乗り出していく。刻一刻と迫るタルシュ帝国による侵略の波、ロタ王国の内側に潜む陰謀の影。そして、ゆるやかに巡り来る異界ナユグの春。懸命に探索を続けるバルサは、チャグムを見つけることが出来るのか…。大河物語最終章三部作、いよいよ開幕。

感想・レビュー・書評

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  • タルシュ帝国の侵略から新ヨゴ皇国を救うため翻弄するチャグム、そしてチャグムの行方を追うバルサ。バルサはチャグムに逢えるのか⁈
    今回もかなり面白かったぁ!シリーズで一番かもしれない!登場人物のそれぞれの立場、思惑がぶつかり合いながらストーリーが展開されていく様が面白さを際立たせる!

  • 「・・・ほんとうに、バルサ、だ。それとも、夢を見ているの、かな」

    上橋作品マイベストが更新されました(・ω・ノノ゛☆

    手紙と再会。目からナユグの水が止まらない。゚(゚´Д`゚)゚。

    この巻の終章を読むためだけにでも、8巻読む価値があるよ!あと2冊。

  • チャグムとやっと会えたところで終わりかー
    続きが気になる!

  • 複雑な利害関係が絡み合い、チャグムの一筋の希望を断ち切ろうとする。
    チャグムとバルサが再会するところは、2人が再会するまでの積み重ねを思うととても感慨深い。

  • シュガへ宛てたチャグムの手紙から始まる、物語の最終章!

    シュガ、タンダ、バルサ、彼らの元にそれぞれチャグムにまつわる使者たちがやってくる。これまでの物語が、全て一つになり、明らかにされていくことがよくわかる。

    バルサはチャグムにやっとのことで追いついていくが、なんとチャグムにより、足止めされてしまう。。

    タンダの元にはあの、タルの民、アスラとチキサが助けを求めにやって来た。ナユグに何か起こっているようだ。だか、タンダは弟の代わりに、草平に出ることになる…。その先にも不思議な若者がタンダの元にやって来る。

    バルサはロタ王国の秘密を知り、今度こそチャグムを探しに行くことになる。
    たった一人で国を背負うチャグム!チャグムへの思いに駆られるバルサ…

    バルサの本当の強さ、女としての脆さ、チャグムの青きまっすぐさ!二人の行方がどうか幸運なものとなるようにと祈りながら読み進めるこの楽しさといったら!!

  • バルサ、探しに来てくれて、ありがとう。
    あなたが、ロタまで来てくれたと聞いて、ふるえるくらい、うれしかった。
    もう一度、一目でもあなたに会いたいけれど、どうかもう、わたしを探さないでください。
    いまは、わたしのことよりも、タンダのことを考えてほしい。
    新ヨゴ皇国は、もうすぐ、戦場になる。
    わたしが間に合わなか、ったら、街も田畑も、火の海になってしまう。
    一刻も早く、タンダたちを山奥へ逃がしてください。あの冬の狩穴でもいい
    あなたたちが無事生きていると思うことができれば、わたしは、がんばれる。
    わたしは、大丈夫です。心配しないでください。
    なにがあっても、かならず生き抜いて、心に決めたことをやり抜いて、故郷へ帰ってみせます。(262p)

    もはや、12歳の少年ではない。なんと何時の間にやらバルサの背丈を越えた16歳の「青年」なのだ。私は前作「蒼路の旅人」の時に「バルサよ、すぐにチャグムを助けてあげて!チャグムの思うようにはいかないと思うけど、バルサと彼女の人的ネットワークがあれば、もしかして!」と書いた。この時に思い浮かべていたのは、ロタの呪術師の長カシャルの「鷹の目」で捜せば、チャグムを見つけることができるのではないか、ということだった。そんなバカなことを、バルサは思いつきもしなかった。やったのはもっと地に足のついた、地道な捜索活動だった。

    本作は、守り人シリーズでも、かなり特徴のある一冊になっている。バルサが物語の八割を活動しているのに、登場していないチャグムが、その間ずっと生き生きと活躍するという仕組みを持っているのだ。守り人シリーズは、何時の間にか、バルサとチャグムの話になっているのだが、全体を読み終わってみると、なんと2人が共に活躍するという巻は、この第一部の最終章と次の巻だけなのだ。おお、なんという不思議な物語なのか!

    2015年7月2日読了

  • 織物を紡ぐかのごとく綴られる、終わりの始まりの一冊。

    守られるだけだったチャグムの逞しさに眩しさを感じながら、一気に。
    何を守って何処を旅していくのか、こういうロードムービー系は結構好きです。

    ”その道に行っても、楽にはなれない”、重い言葉だと、思います。

  • チャグムと会えてよかったね、バルサ。
    草平となったタンダが心配だ。
    バルサは主人公だから絶対大丈夫とおもったけど、いやいや上橋さんだよ。
    エリンの例があるからなー。
    みんな無事で幸せになってほしいけど。

  • 「守り人」シリーズ第七弾。

    タルシュ帝国による侵攻の危機がせまるなか、捕虜となったチャグムは、みずから海に身を投じて、ロタ王国をめざします。チャグムが生きていることを知ったバルサは、チャグムを助けるため、新ヨゴ皇国を脱出し、ロタ王国に入りますが、そこで彼女はヒュウゴと出会い、タルシュ帝国の複雑な内情をうかがい知ることになります。

    チャグムの足跡を追いながら、彼がたどることになった辛い道のりを想像して胸を痛めながらも、戦いのなかに身を投じるバルサのカッコよさが引き立っています。

  • さすがに最終章だけあって、読み応えありますね。すべてのキャラが魅力的で、どのシーンも見逃せない。あと2冊で終わりかぁ。。と思うと次読むのが名残惜しい。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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