天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)

著者 : 上橋菜穂子
  • 新潮社 (2011年5月28日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302829

作品紹介

ロタとカンバルがうごいた!北の諸国のうねりを背に、瀕死の故国へ帰還するチャグムに父との対決の時が迫る。緒戦の犠牲となったタンダの行方を必死に探し求めるバルサ。大地が揺れ、天変地異が起こるとき、金の鳥が空を舞い、地を這う人々の群れは、ひたすらに生きのびようとする。-十年余りの時をかけて紡ぎだされた大河物語の最終章『天と地の守り人』三部作、ついに完結。

天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 恋人に会うより楽しい。くらい、このシリーズにのめり込み、漫画を読む感覚で今日、完結までを読み終えました。もう分析・批評は考えず、「自分の肌に合う本」と思うことにしました。ごちそうさまでした!!

  • とうとう終わってしまった。
    映画も漫画もアニメもかなわない程の、豊穣な物語を味わうことができた。
    シリーズを読み終えて不思議なのは、よくありがちな「物語のその後」はどうなったのか?できる事なら続編が読みたい…という思いが湧いてこないのだ。いい意味で。
    腹八分目であとは余韻を楽しめば、もう満足、そんな感覚におおわれる。足りないでも、満腹でもない。本当にちょうど良い。最高である。次にこんな感覚を味わえる物語に出会うのはいつになるだろうか…

  • 最終巻。読み始めたら止まらない。息つく間もなく話は進んでいき、抗えない時代の流れを感じた。
    最も心に残っているのは「第三章 天を行く者、地を行く者」。今まで良い印象を持っていなかった帝に、初めて向き合えた気がした。他の国と比べると、新ヨゴは少し変わっているのかもしれない。違うやり方で、国を保っているのかも。ずっとチャグムを応援する気持ちで読んでいたから、帝の考えには反抗する思いしかなかった。でも帝にはそのやり方しかなかったんだろうな、と初めて思えた。形の無いもの、存在するか確かでないもの、そういうものを信じることで、支えられる人がいる。国がある。そしてその頂点にいる帝は、その人や国を守らなくてはいけない。彼らの信じる心ごと。チャグムの言葉を正しいと思う一方で、その言葉を突き付けられている帝のことを思うと、心が悲しみや虚しさでいっぱいになった。「そなたは、そなたの道を行くがいい」この言葉に、帝の父としての姿を見た。チャグムが帝となった新ヨゴは、これからどんな国になっていくのか…。
    長い時間をかけて読んできた「守り人」シリーズ。ファンタジーとしてだけではなく、大河モノとしても質の高い作品だった。とても壮大な物語だったけど、締めはふんわりと優しく。この人と人との繋がりが、「守り人」シリーズの一番の魅力。

  • 守り人シリーズ⑨ 最終巻です。

    半年以上かけて勿体ぶって大事に読んできたのに、とうとう最後の一冊になってしまいました(涙)。

    でもさすが上橋さん、最後まで大満足のフィナーレです。
    それまでの戦の殺伐としたシーンから一転、トロガイが放ったコン・アラミ(金の蜘蛛)の糸の神々しさと浮遊感がすごくって、頭から離れません!
    そして、登場人物それぞれが自分の居場所に帰り着いた、そんな印象を与えるあたたかいラストシーンがとてもよかったです。

    チャグムやバルサはもちろん他のみんなも、それぞれの正義に向かって頑張っている姿に感動して胸がいっぱいになってしまうんですよね。
    本巻には出てこなかったけどシハナだって、チャグムの父でさえみーんなそれぞれの事情を抱えながら、他の誰かのために自分の信念を進むのです。
    単純な善悪ではなく、その事情を丁寧に描いている、それがこの物語の魅力ではないでしょうか。

    新ヨゴ皇国の再生はもちろんなんですけど、ラウル王子を導きながら骨太な国を目指すであろうタルシュの国づくりも見守っていきたかったです~
    全く触れられてないけど、アイオルが今のアイオルになるまでの苦労や葛藤が透けて見え、ヒュウゴの今後を追っていきたくなりました。
    敵でさえこんな気持ちにさせられてしまう、恐るべし上橋作品。。

  • 長い長い苦難の末に、チャグムもバルサもタンダもそれぞれの暮らしへと戻ったところを見届けることができて、読み終えてこれだけ切なく、同時に胸の内がくすぐったいような温かい気持ちになれた物語は久しぶりだったと思います。
    これからチャグムが作り上げていく新たな新ヨゴ皇国の姿を、そしてバルサとタンダの暮らしをずっと見ていたい気もします。
    本当に素敵で素晴らしい物語でした。

  • バルサとタンダが幸せに穏やかに暮らしていて、それだけでいいと思いました。チャグムが目指したのはこれだものね。。もう一度最初から読み直したいです。

  • 最終章、最終巻。

    10年余りをかけて紡がれたこの物語も、閉幕となりました。
    ”父上、おさらば!”、生命と血統の二つの父への惜別の言葉、なのでしょうか。

    ”天”が示すもの、”地”が示すもの、それぞれを守るためにみんながもがきます。
    そんな劇中の重さがあるだけに、ラストシーンの春の描写が愛おしい、そんな一冊。

    しばしの余韻に包まれた後、ゆっくりと読み返してみようかと思います、”精霊”の旅から。

  • 守り人シリーズ最終章三部作第3巻完結。
    シリーズ作品に登場した今までの人物たちが登場し、まさに集大成とも言える最終巻でした。

    牽引する者、影で支える者、統治のなかで生きる者、統治のそとで生きる者、人ではない者、見えている世界<サグ>、見えない世界<ナユグ>。シリーズを通して読んでいる最中に感じていたのは「多様性」。そして読み終わった今感じているのは「共生」です。
    この作品には様々な立場で、様々な考えを持つ人々がそれぞれの生活を営みながら、悩み、苦しみ、考え、ふとした瞬間に幸せを見出しながら生きています。その中で人と人との縁が随所に感じられ、その縁は何歳であろうと人を飛躍的に成長させます。さらに彼らすべての受け皿となっている自然――恵みにも脅威にもなり得る自然の壮大さ荘厳さは神秘的で、その描写は常に敬意を払っているように感じます。
    ジャンルとしては児童書かつファンタジーになるのでしょうか、人の関わりが絡む場面はとても現実的ですし、ハッピーエンドの一言では終わらせないシビアな面も多く残します。生きていれば経験する悲喜交々、一方向からだけでは判断できない人の心情、振り返れば心に留めておきたい場面や考え方に多く出会えたように思います。

    作品としては一旦完結しますが、この先もそれぞれの地で、バルサの、タンダの、チャグムの、それ以外の全ての人々の物語は続いている。その緩やかな日常が垣間見えるような心地良い読後でした。

  • すごい。
    ものすごい愛を感じました。バルサとタンダの中の想いの深さが、タンダを生かすためにタンダの腕を切断するという行為の中に、どんな愛の言葉よりキスとかそういう行為よりも、深い。
    そして大きくなったチャグムとバルサの永遠の別れ……なのに、悲しみはない。それどころか、清々しささえ感じます。もう二人は会えないのだろう。でも、精霊の守り人の最後のような悲しい、寂しい別れではないんです。二人は、二人の歩む道をきっぱりと見つけて、それがもう交わらない、それだけ。
    大団円。と呼んでいいのだろうか。新ヨゴは救われたし、タルシュもきちんと皇帝が決まった。トロガイ師も生きて戻った。タンダとバルサは夫婦になったし、どこも丸く収まった気もする。が、そこまでに、あまりにも多くの命が失われたし、タンダの腕も、死んだコチャも帰っては来ない。
    帝のあり方とかチャグムとの対峙のところとか、すごいなあすごいなあと思いながら読んでいました。
    ヒュウゴとジンが大好きなんです!
    ところで、上橋さんの講演会に行った話をここでしたか記憶がないのですが、「こういうところでは必ずバルサとタンダは結婚するんですか?と聞かれますね~」と語っていた、と書いたんですけれど、むしろそこ読み取れなくてどうする!?めっちゃ書いてあるじゃん!はっきりと結婚とか夫婦とか書いてないけどめっちゃ書いてあるじゃない!と思ってしまった。
    あとがきの鼎談なんかを読んでいると、やはりゲド戦記や指輪物語に再チャレンジしなくてはならんな……と思う。

  • バルサとチャグム、二人を取り巻く壮大な物語の、完結編。



    2014.02.04

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