炎路を行く者: 守り人作品集 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 764
レビュー : 103
  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302843

作品紹介・あらすじ

『蒼路の旅人』、『天と地の守り人』で暗躍したタルシュ帝国の密偵ヒュウゴ。彼は何故、祖国を滅ぼし家族を奪った王子に仕えることになったのか。謎多きヒュウゴの少年時代を描いた「炎路の旅人」。そして、女用心棒バルサが養父ジグロと過酷な旅を続けながら成長していく少女時代を描いた「十五の我には」。──やがて、チャグム皇子と出会う二人の十代の物語2編を収録した、シリーズ最新刊。

感想・レビュー・書評

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  • 「守り人シリーズ」大好き
    ヒョウゴ、あれっ!
    ぼんやりしている
    これを読むと大好きになったんだけど
    バルサの印象が強すぎてるのかな
    またドラマが始まる
    最近 NHK 頑張ってるような
    綾瀬はるかさんすてきだもんね
    見なくっちゃ
    監督の解説もよかったね
     
    ≪ 堕ちてなお 心の誠 尽き果てず ≫

  • 時間をかけて読んできたシリーズもついにここまで来たか。読みきった達成感が大きい。
    中編と短編の2編で、シリーズのファンに響く話だった。今回はヒュウゴの過去をじっくり読むことができたけど、「守り人」シリーズに出てくる他のキャラクター達にも、本編では描かれていないドラマがあるんだろうな、読んでみたいな、と思った。様々な思惑が絡み合って複雑に見える歴史も、紐解いていくと、一人一人の人生になる。
    何年か経ったらまた改めて最初から読み返したい。

  • 大好きなヒュウゴとバルサの、つらい過去の暮らし…
    それでも乗り越えて、強くなった二人が素晴らしいと思う。
    ますますヒュウゴ、好きになっちゃったなー!!

  • 安定の!
    同じ地球のというわけですらない世界観を、文章だけで思い描けるって本当にすごい。
    ちょっと時間が経ったので、完全にどの地点なのかわからなくなったけど 笑

  • 最後の外伝である。もうこれで終わりなのだろうか、と少し淋しくなった。ヒョウゴの青年期を描いた「炎路の旅人」は、その序章と終章で「天と地の守り人」の第二部最終盤の状況を見せ、15歳のバルサを描いた「十五の我には」では、「天と地の守り人」第三部の序盤の一シーンをも見せた。本篇は、これにより膨らみはしたが、未来は見せていない。未来を見通す眼を見せてくれたのかもしれない。

    いまは亡きヨゴ国武人階級「帝の盾」の息子だったヒョウゴは、九死に一生を得て市中で暮らしている間も、自分の居場所がわからない。命を助けてもらった女性に商売人になったら?といわれて反発する。

    「タルシュの枝国になっちまったこの国で、そんなふうに根を下ろすってことは、タルシュに征服されたことを納得したってことじゃねぇか!土足で踏み込んできた強盗に、のうのうと自分の家に居座られて、そいつらを食わせるために身を粉にして働くなんて冗談じゃねぇと、なんでだれも思わないんだ?なんで、そんなに簡単に納得しちまうんだ?」

    守り人シリーズ通して現れる「異界」、それを見ることの出来る女性は、しかし病気の父親を抱えた貧しい市井の人だった。

    ー降っても照っても‥‥
    かすかな苦いものをふくんだ、しずかな思いが伝わってきた。
    ーわたしらは、ここで生きてきたし、ここで生きていくんだもの。(215p)

    枠の中にいる限り、枠の世界は見えてこない。飛び出さねばならない。しかし、それは枠の外のタルシュ帝国に入ることを意味するだろう。それが出来る人間と出来ない人間がいる。ヒョウゴは意を決してタルシュの武人になる道を選ぶ。それは確かに炎路を行くことになるだろう。むつかしい道だったと思うし、具体的にどんな困難があったのかは、本篇で少しは描かれているが、全体像はわからないし、本篇以降のことは更にわからない。ただ、「異界」を見ることの出来る女性のことがずっとヒョウゴの中にある限り、私たちは安心して彼のことを見ていられる。

    ナユグといい、ノユークといい、バルサの世界の「異界」について、上橋菜穂子さんは「別の生態系を持った、人や神の意思とは全く関係のない世界です」とテレビシリーズの演出家に語ったらしい。バルサの世界も、我々地球上の現代風に科学が発達すれば、そろそろ「異界」を本格的に解明しているのかもしれないが、中世のこの頃では、むしろ「異界」とは、我々のいう「運命」と云われるものだったのかもしれない、とふと感想を持った。もしそうならば、21世紀になっても未だ我々に目に見えない「運命」は、微かに見える彼らを手本にして、乗り越えていくべきモノなのかもしれない。

    2017年2月読了

  • 2017.2.17読了。本当に上橋さんの作品は読んでいる最中でさえ色々と考えさせられる。毎回どこかしらでハッとさせられる言葉がある。本編では油断ならない一癖も二癖もある人物だなと思ってたがメインの輩の話を追うのでいっぱいいっぱいであまり気に留めてなかった。今回まあ予想はしてたがやっぱりヒュウゴ大好きになった。安っぽい言い方になってしまうが上橋さんは運命に翻弄される魅力的な人物書くの本当に上手い。それに上流武人から望まずして平民になった者、平民から望まずして上流武人になった者(獣の奏者のイアル)、両方書けるって凄いなぁ。ヒュウゴがオウルから食事代を受け取って(なんとまあ、肝がすわった人だぜ)ってところで「お前もだよっ!」って心の中で思わず突っ込んでしまった。拷問を受けても上手な嘘のつき方をしているし、くすぶってても頭の切れも、度胸も人並みはずれて持ってるし。こういうの宝の持ち腐れって言うんだろな。そして新知識ゲット!殴る蹴るで人は吐血には至らないとは知ってたけど腎臓は打撲でも傷ついて血尿が出るとは知らなかった!今度から殴る蹴るの暴行にあった輩はトイレで血が出てると思おう!そして感覚や匂いの描写がやっぱり凄い。ヒュウゴがリュアンの手当を受けてる時のくすぐったいような感じとかなんていうの生々しい?リアル?自分に語彙力がなくて上手く当てはまる言葉が思いつかないけど凄い。思うんだけど幸福な記憶って本当に宝物で自分の芯を築くものだと思う。オウルが言ってた自分への忠誠はそれに繋がるものがあると思う。それがあると踏み止まったり立ち上がったりできるんだと私は思う。読む前は炎路って題だからごうごうと目まぐるしい激動の中を進んで行くような話かと思っていたが、実際は業火で一気に燃え上がり辺りが真っ黒な焼跡になってその熱のこもった陽炎の中を出口もなくさまよい歩いているような話だなと思った。ジグロは武術以外でも働き方で信頼を得たとあったけど武人としての日頃の心構えみたいのがあるんだろうな。でもバルサと旅をしていくうちになったのであってもとから「一流の用心棒」ではなかったんだよな。「王の槍」だったんだよな。バルサが見上げた星空の美しさとバルサが感じたくだらなさが胸に沁みる。あとがき見るとドラマ化の前に『十五の我には』は読みたかったかもなぁ。でも何はともあれ念願の文庫化を感謝したい。やっとだよ〜。展覧会も行ったしメッセージに「『炎路を行く者』の文庫化まだですか⁈」って書いたかいあったのかなあ⁈ああーでもこれで長かった守り人シリーズの旅が完結してしまう。本当に素晴らしい時間を過ごせたなぁ。『鹿の王』文庫化してからって思ってたけど読もうかな…

  • シリーズ後半に出て来たヒュウゴの少年時代を描いた中編と、シリーズ主人公のバルサの少女時代を描いた短編。どちらも本人による回想という形で物語に誘われます。
    ヒュウゴは確かに印象深い人物ではありましたが、外伝で主人公になるほどの役回りだっただろうかといぶかしくも思いましたが、読んでみるとなるほど彼を描くことで守り人シリーズの核となるものが浮き彫りになるのだと気付きました。
    何を信じて何のために生きるのか。それは自らが信じていたもの生きる目的としていたものを奪われ無くしたからこそわかるものでもあったのでしょう。目の前のことでいっぱいになった時に、自分を高見に放り投げてくれる人の言葉。それにより視野が広がること。果たして成長した自分は誰かを高見へと導くことができるのだろうかという想い。それは2編ともに通じるものとして書かれていました。そしてそれが守り人シリーズが書いてきたものだと思うのです。シリーズ本編が完結した今だからこそ、より一層ヒュウゴのバルサの若き日の荒々しい猛りがシリーズの核を見せてくれます。

  • おお、文庫になったので、で即買う。

    ヒュウゴとバルサの青春期。
    とはいうものの
    青い春どころか、極寒である。
    ここを生き抜いてあの場所まできたんだなあっと
    ただもう尊敬の念しかわかないわー。

    ドラマ第二シーズンがもうすぐ。
    いやあ楽しみ楽しみ♪
    これを機にもっともっとたくさんの人が原作を
    手にとってくれたら嬉しいなあ。

  • 好きなシリーズの外伝文庫版。再読だけどわりと記憶がおぼろげ。あとがきがドラマに向けて、という感じだった。ヒュウゴは鈴木亮平が演じるそうで。楽しい作品になるといいなあ

  • 思えば2008年の年頭に「おすすめ文庫王国 2008」でベスト1とされた「精霊の守り人」に出会って以来のこのシリーズ、この本も年頭に読む。
    漆黒の闇、紅蓮の炎、山の蒼さ、海の碧さ…、相変わらず色彩感豊かに描かれる物語は、ヒュウゴがタルシュ帝国の密偵になる前の経緯を語る。
    正直言って、ヒュウゴがどのような役回しになっていたか定かに覚えてないのだけれど、自分の「天と地の守り人〈第3部〉」の感想を読むと、『苦い思いを胸に抱きながらそれでも拷問に耐えるヒュウゴの信念』と書いてあり、この前日譚に繋がるものがあるんだろうなと感じた。
    シリーズが大団円を迎えた後にこうしてぽつぽつと出される短いお話は、勿論それぞれに味わい深いものがあるけれど、この程度ではなかなか満足出来ず、最早良く覚えていないこともあって、いつかもう一度、シリーズ通して読み返そう。

    短いバルサの話で紹介された“ロルアの詩”は、なかなか味わい深いなぁ。

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著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

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