オーケストラが好きになる事典 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2009年12月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784101303819

感想・レビュー・書評

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  • 最近よくクラシック番組を見るようになった。わかりやすく面白い漫画「のだめカンタービレ」を筆頭に、青柳いづみこや中村紘子などのすぐれた音楽評論本にも触発されて、なんとなく数百年の歴史を持つクラシック音楽の奥深さの一端が覗けた様な気がする今日このごろ。
    私自身は楽譜が読めないのに楽器経験も多少ある。中学から始めたトランペット(ヤマハ)はブラスロックバンド、シカゴの影響だし、大学や社会人になってからもピアノ(コルグ)やフルート(ヤマハ)、ソプラノサックス(セルマー)もヤマハ音楽教室や個人レッスンを受けるため購入した。残念ながら人様の前で演奏出来たり、履歴書の特技に書けるレベルではない。ちなみに、今も弾けないエレキギターとヴァイオリンも手元にある。
    要は、音楽好き素人を我流でエンジョイしています。
    さて、本書はオーケストラで使われる楽器と奏者にフォーカスを当てた内容。
    弦楽器では、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ハープ、クラシックギター。木管楽器は、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、サクソフォン。金管楽器は、ホルン、トランペット、トロンボーン、ユーフォニアム、テューバ。打楽器はティンパニなど。鍵盤楽器は、ピアノ、オルガン、チェンバロ。また、指揮者や作曲家のインタビューもあります。
    以下は私の備忘録。
    ・指揮者の考える事故率の高いソロ。「ボレロ」のトロンボーン、「春の祭典」のファゴット、ラヴェル「ピアノ協奏曲」のトランペット、「展覧会の絵」のトランペットとテューバのソロなど
    ・マウリツィオ・カーゲル「フィナーレ」は、曲が終わる5分前に指揮者が倒れるという指示が譜面にかかれている。事情を知らない観客は、動揺の走る楽団員(もちろん演技)が指揮者をそのままにして最後まで演奏する状況がのみこめずパニックになる
    ・オケのチューニングではオーボエが基準になる。しかし、このチューニングが国や楽団によって違う。N響は442ヘルツ、ドイツでは444ヘルツ
    ・サクソフォンとユーフォニアムはオケに定席を持たないため、エキストラとして呼ばれる
    ・ハイトーンを出して血圧が上がる曲。ラヴェルの「ボレロ」のピッコロトランペットは、長い時間吹かない状況から曲の終盤あたりからパワー全開で何十小節も吹き続ける。また、チャイコフスキーの「交響曲第4番」のテューバ
    ・オケの金管セクションをバンダと呼ぶ。NHKホールのように広い会場では、一拍早く吹いているので、近くで聴く人は、「めちゃくちゃ吹いている」と思われがち。従って、バンダはオケの音を聴いては遅れるので、指揮棒が振れるよりも先に吹くのが鉄則
    ・N響のベースは、ドイツスタイル。黎明期の指揮者がユダヤ系ドイツ人やゲルマン系という影響を受けている
    ・打楽器の活躍曲
    小太鼓は、「ボレロ」
    大太鼓は、「春の祭典」
    木琴は、「剣の舞」や「動物の謝肉祭」
    チェレスタは、「くるみ割り人形」
    ヴィブラフォンは、「ウェスト・サイド・ストーリー」
    シンバルは、ブルックナーの「交響曲第七番」では1時間以上で出番は一回のみ
    カスタネットは、「スペイン狂詩曲」
    トライアングルは、リストの「ピアノ協奏曲第一番」
    タンブリンは、「ローマの謝肉祭」
    鈴は、モーツァルトの「三つのドイツ舞曲」
    銅鑼は、チャイコフスキーの「悲愴」やムソルグスキーの「展覧会の絵」
    ・コントラバスの苦行曲。チャイコフスキーの「悲愴」、マーラーの「巨人」第四楽章、ラヴェルの「ボレロ」(10分以上の曲中CとGの2音のみ弾き続ける)
    ・オルガンの譜めくりする人はストップ(組み合わせて音色を作る)の操作も重要な仕事
    ・オーボエ奏者はハゲが多く、フルート奏者は白髪が多い(噂話)
    ところで、金属製のフルートやサックスがなぜ木管楽器なのか知っていますか?
    《木管楽器と金管楽器の主な違いは、音を出す仕組みです。木管楽器はリードや空気の振動を利用して音を出し、金管楽器は唇の振動を利用して音を出します。具体的には、サックスやクラリネットなどのように、リードを振動させて音を出す楽器が木管楽器です。一方、トランペットやホルンなど、マウスピースを使って唇を振動させて音を出す楽器が金管楽器です》Wikipedia
    あとがきで、作者の緒方英子さんは(彼女自身サックスを吹きますが)、自分の娘に習わせたい楽器ベスト3を挙げています。ピアノ、ハープ、チェロ。5年後の文庫本あとがきでは、娘2人ともピアノを習っているそうです。

  • オーボエやファゴットなど、リードを自らつくっているんですね。優雅なイメージのあるハープにはペダルが7本もあり、かなりハードな事や、弾いていると指の腹が堅くなり、金属の爪やすり削っているとか。素晴らしい演奏を披露するための影でもいろんな努力があることを知り、また違った目で演奏会を楽しめるなと思いました。

  • 著者自身プロのサクソフォン奏者だそうだが、これまでに“蒐集”して来た楽器や奏者のエピソードと、主にN響の演奏者のインタビューをまとめたものである。

    オビなどにあるように、「ヴァイオリニストは乗り物(新幹線や航空機)でトイレに立つ時、楽器をどうするか」とか「演奏中にあくびやくしゃみがしたくなったらどうするか」など、いささか下世話で楽しいこぼれ話の一方、「弦楽器の弓に使う松ヤニにはさらさらタイプとしっかりタイプがある」とか、「靴の中にアルミホイルか1円玉を忍ばせておくと、出す音の輪郭が際立ち、伸びがよくなる」とか、「バスクラは低音楽器にも関わらず向かって左側に座る“完全アウェイ楽器”である」とか、思わず唸りたくなるちょっとした蘊蓄が滅法面白い。

    中でも特に気に入ったのは、世の中にはヴィオラ・ジョークという他の楽器にない一大ジャンルがあり、論文まで書かれているという話(ヴィオラの微妙かつ愛すべき位置関係を示しているらしい)。
    例えば、「次の中でこの世に存在するものは何か。(1)ピンクの象 (2)サンタクロース (3)上手なヴィオラ弾き」といった具合。(答えは、「どれも存在しない」だそうな)

    今まで関心のなかった人が、この本を読んでオーケストラが好きになるか…というとどうかなと思うけど(若干下地が必要だと思うので)、ちょっと知っている人が読んでへぇー、ほぉーと言っているうちにもっと好きになる本、とは言えそうである。

  • まぁ、一般向けって感じなのかな。
    打楽器を詳細にってのはやはり無理だろうしね。(^^;
    こういった本からオーケストラに興味を持ってもらうのもいいかも。
    楽器ごとの目立つ曲とかあればもっと良かったかも。

  • 各楽器について、楽器の開発の歴史、機構の話が一番先にあって、その後楽器についてのコネタ、そして奏者へのインタビューと続く、3部構成になっている。
    へ~、と感心する話から、思わず笑ってしまう話まで。
    分厚い本だけど、それほど長いと思わなかった。
    フルートを、通常の歌口からと、筒の末のところから、同時に吹くという離れ業(もちろん、正式な奏法でない)なぞは、一体どんなものか。見てみた・・・いや、聞いてみたい。
    舞台上のハプニングの話なども、演奏家には申し訳ないけど、やっぱりとても面白い。

  •  「事典」と銘打っているが、楽器の解説は最小限で、それぞれの器楽奏者の小話や裏話が中心。改めて楽器の演奏とは肉体労働なんだと確認させられた。

  • オーケストラのそれぞれの楽器の特徴や秘密、
    コンサートの裏情報などが載っていておもしろい。

  • オーケストラに登場する楽器たちを、定番からレアなものまで、奏者への取材を通じて、その特徴や聴きどころなどを紹介してゆく。楽器特有の面白さや難しさ、裏話も満載。それぞれの楽器奏者のエッセイも収録する。 類書と一線を画す、楽しい本。

  • 楽器はやったことがない私にとって、こういう内容の本を読むと
    それぞれの楽器の演奏者の苦労が伝わってきます。
    また、コンサートの時にもこういうところを見てみようかななんて楽しみも出来て面白いです。

  • 吹奏楽をやっていますが、
    楽器についてはまだまだ知らないことだらけだな
    と思いました。
    楽器って奥深い!!

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