「少年A」14歳の肖像 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.43
  • (22)
  • (45)
  • (87)
  • (7)
  • (5)
本棚登録 : 458
感想 : 60
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101304328

作品紹介・あらすじ

一億人の心臓を鷲づかみにした「神戸連続児童殺傷事件」。審判は終わった。真実は詳らかにされることなく、少年Aは闇の中に消えた-。彼の内なる「酒鬼薔薇聖斗」はいつどんな家庭で産声をあげたのか。母親は魔物の誕生に気付かなかったのか。第一級捜査資料に綴られた生々しい「肉声」。少年が初めて語る狂気と虚無、そして両親の慙愧…。今ようやく浮き彫りとなる驚愕の全貌。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • こういうドキュメンタリーは当たりハズレが大きいが、
    これは事実を淡々と描いている印象。
    周辺事実はいろいろと勉強になったが、
    この少年の内面はやはりわからない。

  • この手のルポみたいなものは
    嫌いじゃないけど少年Aに関しては
    読み込んでしまう。

  • 神戸連続児童殺傷事件の少年A、彼がどんな場所で、どんな家庭で育ってきたのかに主に焦点をあてて書かれた高山文彦さんのルポルタージュ。

    場面ごとの風景描写が丁寧だと感じる部分が多く、その都度イメージを持ってから本筋に入ることができるような感じで、内容がより入ってきやすい印象を受けました。

    過去の作文やカウンセリングの内容などこの事件関連の他書籍では見かけなかった少年Aについての情報もあり、地震の際に隣人を懸命に助けた場面は特に印象的でした。宮部みゆきさんの解説部分も短くシンプルながら、とても考えさせられる文章でした。

    少年Aの家庭環境に全く問題がなかったとは思わないのですが、だからといって故に事件が起きたという簡単な理解もできないし、わかりやすい理由や明確な問題点などないのだなと思いました。すべて読んだうえでそう思えただけでも、読んでよかったと感じます。

  • 加害者側メイン

  • 少年A=酒鬼薔薇。
    その猟奇性で世間を震撼させ、捕まってからは未成年による犯行だったことがまた世間を脅かした。

    彼の生い立ちを追い、なぜあんな行動を起こしたのか迫ろうとしたルポルタージュ。

    こういう本、私は時が経たないとなかなか読む気になれなくて…

    もうどうにもならない倦怠感に襲われた深夜、酒を飲むか本を読むか…と思って、手に取った。

    一気に読んだ。

    結論はわかっていて、「わからない」。

    近づくけれど、こうでこうでこうだからこう!みたいな、単純な理解は強烈に拒む、それが誰であれ人のこころというもの…

    これを、わからないままに、わかろうとすること。それが大人に求められる精神の強靭さだと思う。

  • クッソおもんね!

  • 文章の書き方が好きだった。読みやすかった

  • 孤独はこわい。

  • 被害者の心情を考えると「この手の本は!!」ということになりますが…。
    全てが正しいかはわかりませんが、少年Aの心情がよくわかりました。
    少年法。
    なかなか難しいですが、やはり少年であろうと障害者であろうと重大な犯罪を犯した場合は重罪に処すべきだと個人的には思います。

  • あの事件はおそらく何かの分岐点であっただろうと思う。もう二十年も前になるというのに、多くの者が今だに投げかけられた問いに答えられないでいる。この書は核心にできるだけ肉迫しようと心血を注いだ1冊であろう。しかしその努力は認めるとして、Aを止める術はなかったのか、なぜ犯行をあそこまでエスカレートさせなければならなかったのか、Aは特別の存在として切り捨てることはできるのか、闇は変わらず闇のままである。

全60件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年、宮崎県高千穂町生まれ。法政大学文学部中退。2000年、『火花―北条民雄の生涯』(飛鳥新社、2000年)で、第22回講談社ノンフィクション賞、第31回大宅壮一ノンフィクション賞を同時受賞。著書に『水平記―松本治一郎と部落解放運動の100年』(新潮社、2005年)、『父を葬(おく)る』(幻戯書房、2009年)、『どん底―部落差別自作自演事件』(小学館、2012年)、『宿命の子―笹川一族の神話』(小学館、2014年)、『ふたり―皇后美智子と石牟礼道子』(講談社、2015年)など。

「2016年 『生き抜け、その日のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高山文彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×