血の日本史 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101305110

感想・レビュー・書評

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  • 作者のデビュー作。1日1短編、ゆっくり読み進めたが、どれも面白い充実したラインナップ。

    どの話も物語の形式や語り手の目線が同じでないのが面白い(例えば「団十郎横死」や「俺たちの維新」のように目玉の人物目線で描くものもあれば、「山門炎上」のように全く無関係の第三者目線から描くもの、「鬼界ヶ島」や「比叡おろし」のように語り口調のものなど)。

    特に好きなのは「銭屋丸難破」と「孝明天皇の死」。前者は全く知らなかった金沢の商人の話であり、「守りに入ったら負けなのだ」という死や失敗を恐れぬ信念がビジネスマンの私には刺さった。後者は文学作品の質が高い。孝明天皇と対立し、過去には死んでくれればと思ったことも、死んだことでこれで世界は変わると思ったこともある岩倉具視が死の直前の孝明天皇の手紙を読んで酷い後悔を覚えるシーンは非常に印象深かった。

  • 知らなかった史実を学ぶ

  • 各編を5日で調べて2日で書いていたとは、驚愕。

    護良親王や磐井を引き立ててるのは、奥八女出身のマインドが見えて良い。

  • 歴史の勉強になりました。
    各章、読んだ後にwikipediaで復習しながら。

    官能表現がなければ子供にも勧められるのですが…。

  • 正直かなりマニアックな作品だったと思う。
    大和時代から明治維新にかけての
    日本の血が流れたという
    裏の裏のそのまた裏側に触れたような。
    読んでいてあまりの恐ろしさに
    背筋がぞわぁ〜っとしたのもあるし
    なんか感動すら覚えたのもあるし。
    たくさんの血が流れて今があるのよね、ってしみじみ。
    この作品を読んで
    生前の隆慶一郎先生がこの作家にお会いしたい!!と言ったそうな。
    ほほう、やはり!と思うほど中身が濃い〜です。
    大和からそれこそ戦国時代前までには
    疎いので勉強になった気もする。

  • 筑紫国造・磐井の反乱から西郷隆盛自刃までの46話。歴史を勉強中等の時はイメージを膨らませるのに良いかもしれないが、話が面白くないところが残念。大きな出来事でもサブキャラからの視点が多く、短編の為かとも思うが共感出来ない。

  • 筑紫国造磐井の反乱から紀尾井坂の変までの歴史の破れ目に遭遇した人たちの葛藤の記録を描く46編の短編集。

    タイトルの通り、裏切り、謀略、反逆、暗殺など歴史の暗い部分を集めながらも、歴史的事象における人物の心の動きや背景も含めて物語にしてくれているので、歴史の勉強にもなる入り込みやすい内容。

    「闇」の部分を集めたというコンセプトに、こういう作品は今までみたことがなく印象深かった。

    なかでも平将門、木曾義仲、高師直の話は熱いものがこみ上げて来るものがあって良かった。

  • 歴史には咬ませ犬がいっぱいいる。その中には勝てないとわかってた、争っても利はないと知っていた人もいる。いつか身を滅ぼすと感じながらも戦った人がいる。その人たちは歴史を作らないけど遺図はなんらかの形で紡がれる。そう感じた。

  • 歴史を流れで読むには(・∀・)イイネ!!

  • 短編小説で、日本史を俯瞰するという試みは意欲的。歴史小説で描かれない時代ってまだまだあるようだ。題材がマニアックに過ぎる部分があり、少々感情移入がつらい部分も。もう少し作者の歴史観が出れば面白かった。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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