狂気という隣人―精神科医の現場報告 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101305714

作品紹介・あらすじ

人口の約1%が統合失調症という事実。しかし、それが我々に実感されることがないのはなぜか。殺人、傷害にかかわりながら、警察から逮捕もろくな保護もされず、病院さえたらい回しにされる触法精神障害者。治癒して退院したはずなのに、再び病院へ戻ってくる精神病患者。疲弊する医療関係者。社会の目から遮蔽されてきた精神医療の世界を現役の医師がその問題点とともに報告する。

感想・レビュー・書評

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  • 書かれている内容は大変興味深い。
    にも関わらず読みにくさを感じるのは、著者の文章力に難があるからだと思う。話題が飛びに飛び、脱線に脱線を重ねてから「そんな訳で冒頭に出てきたこの人は〜」などと話を巻き戻されると首を傾げながら章の冒頭に戻ることになる。

    ただ、現代社会への問題提起や医療現場の実情はよく描かれているので、興味がある人は一気に読み進められると思う。

  • 現代日本における精神医療と犯罪。

  • 娘が大学の講師から借りてきたとのことで、
    机の上に置いてあったもの。
    何となくタイトルに惹かれて読んでみた。
    (もちろん娘に断わりを得て、
    汚さぬようにと最新の注意を払って読んだ。)

    あけてびっくりしたのは松沢病院のことが書いてあったこと。
    春頃にちょっとこの病院のことを調べてた。
    あの『逆噴射』で大事故を起こした機長が入院しているとか、
    財界の有名人など、コネが無いと入院できないとも聞いていた。
    しかしこの本を読んで、東京都のお寒い精神科救急医療体制が、
    かいまみれた気がした。
    (書いた当時とは微妙にタイムラグがあるだろうが。
    →娘も所沢にもいい病院ができたよと言っていたしね。)

    警察官が付き添う緊急措置入院はここの病院しか、
    ほぼ受け付けないらしい。
    中には受付に患者を置いて帰ってしまう警察もあったようで、
    ところどころにうらみがましい文面もあった。
    精神病を持つ患者を引き受ける一般病院は、
    まずないと言うことも怖く感じた。
    (精神疾患患者の内科、外科などの病気は
     診てもらえないと言うこと。)

    ただ、著者は精神科医であって、
    作家ではないためか、何となく論点が定まらず、
    最後の方は尻切れトンボのようで読後感があまり良くなかった。
    忙しい仕事の合間に書きためた、そんな感じを受けた。

    同い年というところが何とも言えない。
    精神関連は、とても難しいと言うことなのだろうな。。

    ※ 岩波明(いわなみ あきら)
    1959年神奈川県生まれ。東京大学医学部卒業。
    精神科医。医学博士。
    都立松沢病院、昭和大学病院精神科、東大病院精神科など
    精神科臨床業務に従事。
    現在、埼玉医科大学精神医学教室准教授。

    ○ 娘大学講師所蔵

  • 東京某所に現存する重度の精神病患者の収容施設で勤務していた著者のレポート。狂気とあるが、淡々と各症状ごとに行動パターン、思考をレポートしている。題名と内容が結構かけ離れてるのが残念。

  • 主に前半に書かれている精神病に対する歴史的背景や松沢病院の成り立ち等は面白く読めたが、後半の個別事例は読んでてあんまり惹き込まれなかった。

  • 犯罪者が精神病だった時の取り扱いは触法障害者に対する扱いよりも更に寛大であり、事実上処分は無く医療機関に丸投げされている事実を再確認し驚き。五体満足で屈強であったとしても障害者が犯罪を犯した場合よりも処罰が甘い、というか事実上無処罰な事に大きな矛盾を感じる。単純に普段知らない世界を垣間見れるという点だけでも興味深い一冊。スキゾフレニック。幼い頃に周囲の音や声が強迫的に聞こえて物凄くイライラする事がたまにあって、当時それを周囲の大人に説明できなかった。あれもスキゾフレニックな現象だったのかなと思う?もう30年も無いけどあれが続いたり悪化したらヤバかった気がしている。

  • 興味深い一冊。行政と司法のあり方を考える必要があるんだね。

  • こうタブー視されている(と、わたしが感じている)ことについて、もっと知りたい欲求がある。

    まぁ、だがしかし、よくわからない。

  • 重苦しく暗澹たる気持ちになった。我が国の精神医療の現状について、だ。特に救急で収容された場合、一時的に錯乱状態が収まれば今後も錯乱による暴力などの事件を起こす可能性があっても放免として、後警察も行政も何の責任も持たないなど。精神医療を取り巻く実態が赤裸々に著わされていてこわすぎる。

  • 宮崎勤に関しては多重人格の精神鑑定が世間を騒がせたが、著者はそれはばっさり否定。統合失調症の鑑定を支持し、本書で詳しく考察している。犯行時点での責任能力までは言及せず、死刑判決に否定も肯定もない。ただ精神病が考慮されなかったことは問題と考えているようだ。

    触法精神障害者に関しては後に優れた新書を著している(『精神障害者をどう裁くか』)。

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