心に狂いが生じるとき―精神科医の症例報告 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101305738

作品紹介・あらすじ

最初は心の小さな狂いでも、それをきっかけに、普通の人間が精神全体を蝕まれてしまうことがあり、ときには取り返しのつかない行動をとることがある。しかし、正常な精神と狂気の境目はごく淡く、我々の社会はアルコール依存、統合失調症、人格障害、うつ病など様々な精神疾患とともにある。人は、いつ、いかにして心を病むのか。現役の臨床医師が、虚説を排して実態を報告する。

感想・レビュー・書評

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  • 精神的に病んでしまった人達の症例。
    他の病気などと同じで 誰でもなる得るのが怖い。
    こういう育ち方と環境とか 必ずしもそうなってしまう原因がわかるものはほとんどない。
    どうすればならないか、どうすれば良くなるかあまり記載がなく薬で様子を見るしかないのか

  • 精神疾患の様々な症例を紹介したノンフィクション。

    著者は、うつが増えている原因として、「相互監視のシステムはより強力になり、些細な瑕疵に対する執拗なパッシングがジャーナリズムと一般国民によって繰り返される」我が国の現状を挙げ、嘆いている。また、それは「日本的な「空気」に基づいた、閉塞感にがんじがらめにされた大衆のルサンチマン」が犇めいている日本社会の変革には、我々の意識改革が必要だとも。

    本書を読んで、精神障害により責任能力を問えない状態で犯罪を犯した者を罪に科せない現在の刑法のルールには、疑問を感じた。そもそも、冷静な判断の出来ない異常な心理状態にあるからこそ、猟奇的殺人等の残酷な事件を起こせるんじゃないかなあ。この点については、かなりの議論がありそう。

  • 様々な精神疾患の症例が書かれていた。読んでいるわたしの心に狂いが生じそうになった… 現代社会においてこういった精神疾患は誰にでも起こりうるものだということを理解しつつ、それを回避するためにはどうすれば良いのかを考えながら生きていく必要がある。決して他人事ではない。自分がいかに幸せなのかを自覚するところから、改めて始めていきたいと思った。

  • 現場と常識の狭間でどう丁寧に見ていくか、ひとつひとつを丁寧に見ていて、そういう丁寧さ、慎重さの上にこれからどうするかがあるんじゃないかなと思った。こういう事態に陥った人たちは、どういう経緯や原因があるのか、わかりやすく書かれていて、難しさや課題などもあるのだなと改めて。

  • ただ、ひたすら怖い。なんだかんだ言って精神疾患の原因は未だに判明しておらず、患者のためによくないなどと巷では言われている薬漬けも仕方がないというか他に方法がないというのが現状としか言いようがない。それにしても日々生きていられてちょっとした楽しみがあれば幸せ、という国民性のアメリカ人に圧倒的にうつ病が少ないという事実がものすごく興味深い。やはり病は気から?

  • 「正常な精神と狂気には、厳然とした境界線があるように考えられている。しかし実際のところその境い目は、ごく淡いものであるように思われる」筆者の言葉。

    裁判員裁判しかり、必読の一つと思われる。

  • 心の狂いは、ほんのわずかな日常のきっかけで起こりうる。あらためてうつ病が身近に起こってることからも感じられる。本書は、精神疾患についての正しい理解への啓蒙と、日本の司法、行政の遅れへの警鐘である。14.4.19

  •  失業率から見ると日本はアメリカの半分なのだとか、それに比べて自殺率は1.5倍~2倍なのだ。自殺の原因として、うつ症状から自殺まで発展する人がかなりの人数に上るらしい。うつ症状を発症しやすい日本社会の構造が注目される。

     一度レールから外れると復活がむずかしいのが日本社会である。会社員はレールからはずれないためにストレスを抱え込んでしまう。そして軽度のうつ症状が悪化すると自殺まで追い込まれることになると著者はいう。アメリカは成果主義の国であっても根底にはキリスト教の精神で助け合いが行われている。宗教を持たない日本が成果主義を導入することで更にストレスが社員に重くのしかかるのだ。

  • いろいろなパターンの事例

  • 精神疾患や司法精神医学的問題に対してノンフィクションでありながらただ悲惨な事実を悲劇的に描くのでなく、淡々と且つ人間の生きていこうとする力の存在を裏に小話などはさみつつ途中で読むのを躊躇うこと無く読めるよい本であった

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著者プロフィール

昭和大学医学部精神医学講座主任教授(医学博士)。1959年、神奈川県生まれ。東京大学医学部卒業後、都立松沢病院などで臨床経験を積む。東京大学医学部精神医学教室助教授、埼玉医科大学准教授などを経て、2012年より現職。2015年より昭和大学附属烏山病院長を兼任、ADHD専門外来を担当。精神疾患の認知機能障害、発達障害の臨床研究などを主な研究分野としている。著書に『他人を非難してばかりいる人たち』(幻冬舎新書)、『精神鑑定はなぜ間違えるのか?』(光文社新書)等がある。

「2020年 『医者も親も気づかない 女子の発達障害』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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