- Amazon.co.jp ・本 (589ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101306377
感想・レビュー・書評
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桐野夏生は駄作が少ないですよね。
毎回結構驚かされていますね、良い意味で。
とても自由に小説を書いている気がします
OUTでブレークして グロテスク、柔らかな頬、東京島、女神紀、メタボラ...
ジャンル不定の とてもワクワクする作家さんです。
この題材も、え? 林芙美子?
とも思いましたが、ぐいぐい物語世界に引き込まれてました。
読後感、とてもいい感じでした。「放浪記」ちょっと読んでみたくなりました。(ドラマは昔見たんですが、)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦中に活躍した女性作家の遺稿が9割9分、残りは子孫と知人の書簡のやり取り。戦時の南方の戦場以外の雰囲気・濃厚な緑の感覚が伝わる。戦時の、かつ不義の恋についてが題材だからか、やや暗め。
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戦時中ってこういうことなんだ、と主人公が思い知らされる場面が本当に怖い。怖くてたまらない。
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桐野夏生さんの最新刊本。林芙美子のミステリアスな創作評伝。林芙美子は詩人です、知らなかった。さらさらとおもしろく読みましたが、なぜか新鮮味がなかったなあ。
(要再読) -
何度挑戦しても挫折する・・・
また忘れて果敢に挑戦しそうなので備忘録。 -
戦後間もなくの日本を女流作家がたくましく生きていく、みたいな話だったけど1ミリも興味を持てませんでした!
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内容(「BOOK」データベースより)
昭和十七年、林芙美子は偽装病院船で南方へ向かった。陸軍の嘱託として文章で戦意高揚に努めよ、という命を受けて、ようやく辿り着いたボルネオ島で、新聞記者・斎藤謙太郎と再会する。年下の愛人との逢瀬に心を熱くする芙美子。だが、ここは楽園などではなかった―。戦争に翻弄される女流作家の生を狂おしく描く、桐野夏生の新たな代表作。島清恋愛文学賞、読売文学賞受賞。
現代作家の中でも大きな存在感を持つ桐野夏生が、林芙美子の作品から抽出したエッセンスを元に、林芙美子の戦争との向き合いと恋を想像の力で練り上げた力作です。生き生きとしているのでまるで見てきたのではないかと錯覚するようです。愛憎を書かせると本当にいい仕事をする人です。なので前向きな本が好きな僕は実は苦手な作家だったりします。苦手というのとは違うか。どちらかというと彼女の書く人々が怖いのかもしれない。 -
太平洋戦争末期における林芙美子のペンによる翼賛活動と不倫の恋愛やその顛末の話である。彼女は陸軍嘱託のペン部隊役員として偽装した病院船で南方に渡り、戦意高揚の執筆活動を積極的に行うなか、憲兵に見張られた新聞記者の愛人と戦地で逢瀬に身を窶す。夫に内緒で出産し孤児を引き取ったことにして育て、その子を夫に託して47歳で急逝する。彼女の波瀾万丈の生涯で、流行作家になってからの後半生の件である。
桐野が同じ女流作家として温もりをもって書き上げた“文壇から浮いた、成り上がりの嫌われ者”林芙美子へのエールであり名誉挽回の書でもある。モラルを無視した乱倫の末、戦時下にあっても男への執着で夫を騙し不義の子を産み育てる。夫がすべてを受け入れて彼女の死後も子に愛情を注ぐ。女が生きることや書くことに強く拘る生き様は文壇からは顰蹙を買いながらも市井の生活者からは共感される。生い立ちや自儘の奔放さが才能を磨き結実させて諸々の作品を生み出すことになる。
川端康成の弔辞「故人は文学的生命を保つため、他に対して時にはひどいこともしたのでありますが、しかし後二、三時間もすれば故人は灰になってしまいます。死は一切の罪悪を消滅させますから、どうか故人を許して貰いたいと思います」に通底する作品である。
村山由佳が描いた伊藤野枝の話『雨よあらしよ』にも似たものを感じたが、対象が本格的な流行作家と活動家の違いと、何よりも桐野と村山の経験や感性の差による創り出す世界の迫力には抗えないものがある。
桐野夏生の冷静な描写は同志愛を滲ませ十分説得力がある。林芙美子の作品も読んでみたくさせる。 -
戦争に翻弄されながらも、熱い本能に従って生きていた強い女性のお話。
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一気に読みました。
創作ですが、これ本当の話なんじゃ‥と思ってしまいました。