- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101306711
感想・レビュー・書評
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あまり印象には残らなかったので感想も書けない。なんとなくスラスラ読んでしまったので、つまらなくはなかったということか。この著者は相当な読書家であることも確か。
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元NHK池田信夫によるとTVニュースは50代の高卒の女性をターゲットに作っているそうだ。
そういう発言がこないだ読んだあるBLOGに引用されていた。
それが大衆の中庸(平均ではないことに留意)だから、だそうである。
また、同ブログでは「視聴者を馬鹿にしたようなプロデューサーに限って、数字を取る。残念ながら。」という発言を引き合いにだしている。
『すばらしき愚民社会』という皮肉めいたタイトルの本書はそのタイトルから後者の"バカ"にされているのにも拘らず、そこに飛びつく"大衆"について論じた本と思い手に取ったが、ここで糾弾しているのは前者の中庸な層にしかアプローチできない知識人だ。
大衆というのは相対的に定義されるから、常に一部でしかない知識人の水準が下がれば大衆の水準も下がる。知識やモラルというのは底上げよりも天井吊ではないのか?
いや、まてよ。江戸時代の寺子屋をはじめとする底上げの教育によって、日本は経済大国への道程を歩むことが出来たわけだしなぁ。 -
読んでおいて損はない
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西部邁や呉智英らの知識人批判の衣鉢を継いで、大衆に媚びる知識人たちを痛罵した本です。フェミニズムや精神分析、ポストモダン思想のほか、格差社会論やネット社会論、禁煙ファシズムなども著者の批判の対象となっており、主として実証主義の立場からその学問性に対して疑義を投げかけています。
ポストモダン左派の一部に、学問的な誠実さに欠くような振る舞いが見られることは事実だと思うのですが、著者の実証主義的なスタンスはすこし狭きに失するのではないかという気がしないでもありません。この点では、著者とおなじく辛辣なスタンスで、やはりポストモダン左派の批判をおこなっている仲正昌樹のほうが巧みに問題点を衝いているように思います。 -
どの方々に愚民という称号を冠しますか、
選考する際は何を参照にしましょうぞ?私 -
名前負けしている感は否めないけど、
レビューで酷評されているほど悪くはない本。
愚民社会批判というより、著者が気に食わない
知識人を、片っ端からぶった斬ってるだけという…
日本のフェミニズムに常々疑問を持ってた身としては
なるほどーと思うところもいくつかありました。
ただ、最後の禁煙運動に反対するロジックがどう考えても馬鹿なのと
どんだけ頭良いかわかりませんが文章が根本的に読みづらすぎです。
引用ばっかなので、引用元の知識人の
著作及び主義主張について予備知識がなければ
カスリもせずに投げ出してしまうでしょう…。
あ、でもゴー宣読者なら面白いと思います。
なので☆3つ。 -
本書は大衆に媚びる軟弱な知識人を愚民と呼び欺瞞を叩く時事評論である。私には難しい部分もありそこは読み飛ばすとして第五章「説得力のある説明」を疑えと第九章アカデミズムとジャーナリズムは特に面白いです。(前章は納得し後章は共感しました)本書は、多くの人にとにかく読んで欲しい本です。
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途中で止めたら負けのような気がして一応最後まで読んではみたが、一言で言うと、太古の昔から連綿と続く「今の若者はダメになった、昔の俺はもっとすごかった!」という、オッサンのベタな愚痴を本にしたものである。
今の若者は勉強しない、フェミニズムは悪であると断罪しながら、その根底には「女や若者」から立派な人生の先達としてちやほやされたいというスケベ心が見え隠れしているところが何とも痛々しくて、何だろうな、大人ってもっとかっこいい存在だと思っていたのにな、と一応まだ若者世代に入るはずの人間の一人として何だか残念でならない。
東大生が大学の図書館にハリー・ポッターをリクエストした、だから今の大学生は堕落した愚民であると小谷野は語る。
だがリクエストされる本の中の一冊がハリー・ポッターだったからといって、それが何だというのだろうか。
同じ税金を使うなら専攻の人間しか読まず、すぐに内容が古くなって廃棄しなければならなくなる専門書より沢山の人に長く読まれる本をリクエストした方が公益に利するという考えもあるのではないだろうか。
昔は大衆小説であった司馬遼太郎は今ではインテリの親父しか読まない純文学という扱いになっている、だから文学というものの質が下がった、だから今の若者は愚民であると主張されたとて、元々大衆小説とは時代が下ると純文学化するものではないのだろうか。
「源氏物語」だって「神曲」だって「こころ」だって発行された当時は大衆小説だったのが時が過ぎていくうちに気がついたら名作古典だの純文学だののカテゴリに入ってしまったわけで、そこを無視して文学の質が下がったと焦るのは早計のように思える。
何というか、これを読んでイヤァスッキリ! 小谷野さんはいいこと言ってるな! と思う人だけが読めば良い本である。
独断と偏見と、それでもなお自分を善人に見せたいスケベ心に満ちた本ではあるが、威勢がいいのは確かなので、そういう芸だと思って読めばそれなりに面白いかもしれない。
私の失策は真面目な社会批判を期待して読んだことであり、それについては私に100%の非があるのに違いない。 -
『グーグル革命の衝撃』の巻末出版社広告にて