- Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101307046
感想・レビュー・書評
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宮本輝さんが描く情景が好き。登場人物が皆人間臭が、上品なところも好き
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ドナウ河に沿った旅もいよいよ終着。
道中様々な人と出会い別れる。
そして突然の死。
道雄は人生をやり直すことができるのか。
麻沙子はシギイと国境を越えた愛を成就することはできるのか。
黒海の港町で物語は終わり、その後の展開は読者に任せられる。
でも、きっといいことに収まるのだろう。
久しぶりに読んだ本書。
記憶していたものとは全然違っていた。
人の記憶は頼りない… -
p.19
夜のウィーンは、雨のパリに似てる。人間をセンチメンタルにさせるよ。 -
再生の物語。「悪いことが起こって当たり前。いいことがあったら不思議だと思って、大喜びするのだ」時代や風土や民族が違っても人間はみんな同じ。願わくは幸せになりたいという点において。見栄や自尊心にだまされずに、他人を愛する。長い長い旅の先に何が待ってるのか知りたくて夢中で読んだ。
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ドナウの如く、読み応えのある小説でした。異国でも、とりわけ共産圏を主な舞台としているため下巻はその社会性に圧倒されながらのめり込むように読んでしまいました。
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ドラマ観てから読んだので、ひたすら佐久間良子の呪縛から抜けられず。しかも高校生ぐらいだったから、正直良くわからなかった。面白かったのは覚えてるけど。要再読。
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ドナウ河に沿って長い旅をしている過程で、様々な人と出会い経験を積むことによって成長し、変化していく様子が自然で引き込まれた。
登場人物たちも個性溢れているし、ヨーロッパの情景が思い浮かぶような文章に浸れました。
この作品や『深夜特急』のような作品を読むと、自分も長い旅をしたくなってくる。
とても無理だけど……。
この作品の頃と、現在では東欧の政治情勢も代わり、ブタペストなんて今では人気の観光地になっているけど、現在に置き換えると少し味気なくなりそう。
当時の共産圏だからこその味わいもあると思う。 -
麻沙子が、イケメンで男っぽいシギィと、見た目はともかくも穏やかで問題解決能力の高いペーターとのあいだで、内心揺れてしまう気持ちはよくわかる。
どちらを選択しても、後悔する人は、無い物ねだりをして後悔するでしょう。
でも、どちらを選択したとしても、幸せにはなれる気がする。
読中、海外の作家の翻訳本を読んでいるかのような、不思議な錯覚を覚えて面白く感じた。