かけがえのないもの (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101308357

作品紹介・あらすじ

かけがえのないもの、それは人の手のはいっていないもの、すなわち自然、子ども、からだ…。予測のつかないそれらとの付合い方を、日本人は知っていたはずだ。結果を予測し、何事にも評価を追い求める生き方はつまらない。何が起きるか分からないからこそ、人生は面白い。自分で考え、まずやってみよう。養老先生が一番言いたかったことをまとめた、養老流人生論のエッセンス。

感想・レビュー・書評

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  • 『バカの壁』がベストセラーになる前の著者の、講演の話をまとめたもの。
    かけがえのないものは、自然の一部としての人間ということを、自然と人工、心と身体と対比しながら、述べている。
    あとがきで面白いことを書いている。日本女性の寿命を延ばしたのは、後藤新平である、と。
    彼がまず東京から水道の塩素消毒を始め、それ以降、女性の寿命は延びっぱなしだとか。

  • 「手入れ」の思想。これが、案外深い。

  • 古い。

  • 「正月や冥途の旅の一里塚、めでたくもありめでたくもなし」に生老病死を受け入れること、自ら選ぶ人生は一つしかなく、かけがいのないものでありたいと思った。身についたものだけが財産か・・・考える。
    意識の中に閉じこもることをやめれば、時間的な余裕も生まれてくるか・・・自然に親しみたいなぁ。
    「丈夫でないと病院なんかこれないな」のくだりに納得苦笑〜

  • Y染色体によって無理に男性の方にすること
    自然は無理して男を作っている
    都市は四角 四角に囲まれた空間は自然を排除し人工物つまり意図的意識的なものが置かれる
    都市化は意識されないものは置いてはいけなくなる
    おんな子供はより自然に近い人である 月経妊娠出産と"ああすればこうなる"でいかない自然を持つ女性代わりを食う 男性は女性ほど左右されない 都市化 未来を確定化したいので都市化が進むのか それは子供から未来を奪っているのか?

  • あとがきにも書いてありますが、本書は一貫して自然と人工について書かれています。
    人の意識でコントロール出来ないものを自然と呼び、産業化やIT化はその自然を平均化や数値化してコントロール出来るようにしていて、それは個人の幸福に繋がるのか?不確定な現実を、自然をありのまま受け入れることが幸せな感覚なのではないのかと考えました。
    人と比べずに自分の感覚に素直に生きれたらなと思いました。

  • 普遍的な目を持つ人が書いたのが、平家物語や方丈記。九相詩絵巻。
    型、考えの入っていないもの。
    囲いの中で住む都市が、更に電子世界に囲まれていく。時間も、空間も飛び越え情報の波は、洪水のように何もかも飲み込んでいる。

  • 養老先生のエッセイの中でも、これまでの先生の考えが、わかりやすく、纏まっている一冊だと思います。

  • 都市化、人工、意識に振り回されてはいけない。考えてやることは、信用するな。いつも同じことをするとは限らないから。時が経つと無意識に同じ事を繰り返す。考えなしに。ゆとりの無い生活は、幸せとは呼べない。2021.2.2

  • かけがえのないものとは、自然であり、無意識であり、予想のつかないもの。
    人間は意識しよう、制御しよう、理解しよう、手を加えよう、とすることによって脳化、都市化してきた。
    予測のできないものを大事にすることが必要なのでは。
    人間として現代社会で生きるときにかけがえのないものを意識することはとても難しいが、「だから美しい」ということを覚えておくだけで少し豊かな生活が遅れるのではないだろうか。

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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