われ万死に値す: ドキュメント竹下登 (新潮文庫 い 57-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101310312

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  • 昭和最後の首相にして、政界のフィクサー。でも、今では
    ミュージシャン・DAIGOのおじいちゃんと言った方が通りが
    いいのかも知れぬ。

    飄々として、つかみどころのない人。それが竹下登に抱いていた
    人物像である。そんな印象がどうして生まれたのか。

    政治家になる以前の竹下の体験から来ているのではないかと
    分かって、ちょっとすっきり。

    竹下登といえば、リクルート事件に皇民党事件だが、一連の
    リクルート事件の渦中で30年以上に渡り竹下の金庫番を務めて
    来た秘書の青木伊平氏の自殺の様子は壮絶である。謀殺論が
    根強く残るのもこの為か。

    孫のDAIGOのプロモーションビデオを見て「どれがDAIGOが
    分からない」と言ったり、政治記者に「ロックというのは髪を
    青く染めなきゃ出来ないのか?」と聞いたりする「DAIGOの
    おじいちゃん」としての竹下登は可愛らしい。

    しかし、首相失脚後は小泉純一郎の登場までの内閣誕生の実権を
    握っていたキングメーカーなのだ。そして、地元・島根県では
    竹下系議員が好き放題に公共事業の利益を享受している。

    「気配り、目配り、金配り」。自らそう語っていた竹下登は、
    「小さな田中角栄」だったのかも知れぬ。

  • 暗部を抉り出す、政治家として何を目指していたのだろうか。

  • 90年代の政界に大きな影響を与えてきた竹下登元首相の一生に迫ったノンフィクション。これまでマスコミで報道されてきた表面上の事実だけでなく、裏社会との関わりという面からも厳しく真相に迫っている。

    総理大臣就任前の一大イベントであった皇民党事件にまつわる考察は、中でも圧巻だった。竹下登という一政治家についてだけでなく、80年代〜90年代にかけての政界・財界・裏社会との密接な関係について、より深い知識を得ることの出来るノンフィクションであろう。

    闇社会と政治の繋がりという自分の関心の深いテーマだけに、面白い本だった

  • 竹下登元首相の表と裏の面のうち、裏の面にスポットライトを当てた一冊。さまざまな関係者からインタビューを集めた著者の取材力は圧巻。

    竹下元首相の表の面である政界での歩みについては御厨貴氏の『知と情 宮沢喜一と竹下登の政治観』(朝日新聞社、2011年)を参照されるといいのかも。

  • 「竹下登」その名を聞くと思い出されるのは「消費税」といった人も多いことだろう。その竹下が如何にして権力の座にまで上り詰めたか。竹下の悲惨な過去を振り返りながら、氏の人格形成と権力欲との関連を描く。

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著者プロフィール

1955年、和歌山県生まれ。ジャーナリスト。2004年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』(ともに講談社)により講談社ノンフィクション賞を受賞。同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿 社会保険庁を解体せよ」で文藝春秋読者賞を受賞。2020年『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』(講談社)によって日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。
他の著書に、『われ万死に値す ドキュメント竹下登』『血族の王 松下幸之助とナショナルの世紀』(ともに新潮社)、『新聞が面白くない理由』『ドキュメント パナソニック人事抗争史』(ともに講談社)などがある。

「2021年 『キツネ目 グリコ森永事件全真相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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