河童が覗いたインド (新潮文庫)

  • 新潮社 (1991年3月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784101311036

感想・レビュー・書評

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  • 本書の発行は1985年なので、ほぼ40年前であるが、今でも色あせないインド旅行記だと思う。40年の間にインドも変化しているのかも知れないが、当時のインドの様子と、それを覗いた筆者の妹尾河童氏のインドでの経験に対してのワクワクしている感じが、今でも新鮮だ。
    インド旅行記としての最大の特徴のひとつは、筆者のスケッチと自筆の文字で文章が書かれている点であろう。筆者のスケッチは素晴らしいし、自筆の文字と文章も綺麗だし、その組み合わせは、職人技の極致だ。
    現在のインドの人口は14億人を超えている。本書発刊当時のインドの人口は、そこまで多くはないが、日本の数倍の人口は抱えていた。国土も広大だ。従って、インドの本質のひとつは「多様性」だと思う。地理的な多様性、民族的な多様性、言語的多様性、宗教的多様性、階級的多様性、文化的多様性。それはまた、「格差」という言葉で言い表される側面もある。筆者も書いているが、妹尾河童氏が本書で記録したインドは、そのような多様性の一部でしかない。しかし、内容はとても深い。

  • ホテルの部屋を上から見た見取り図(立体)が、調度品含め細かに描かれています。観光地もまた(今ではドローン映像で身近になりつつありますが)バードビューのような眺めによって現地を感じられます。白黒ですが(白黒だから)いいのかもしれません。繊細です。
    現地では少し高級なホテルと泊まり歩いていますが、ドライバーさんとの交渉もまた楽しそうです(楽しそうなところが伝わるところが流石)。個人的には歴史よりも人との触れ合いの記載のほうが楽しめますね(ガンジス河は最高・・・なのでちょっと辛めの評価になりました)。

    生まれながらの差別は、やっぱりあるようで、そこについても触れられています。
    5ルピー置いて行ってくれれば写真撮ってもいいよ。。。でも撮れなかった、と。

    先日、「あなたの名前を呼べたなら」を観ました。こうした本を読んでいたこともあったので、ヒロインの立ち位置について、いろいろと考えさせられました。

  • 大学生のときに読んだものを懐かしくて再読。
    精巧な絵に手書きの文字が一緒に行った旅仲間の絵日記を読んでいるようでわくわくしながら楽しめた。
    内容はインド一周旅。
    各地のお寺、泊まったホテル、電車内の様子から宗教やカースト制のことまで真面目に書いているんだけど、それが興味深くおもしろい。
    私はインドに行ったことがないが、こんなふうにインドに溶け込みつつも客観的に見られたら外国を深く知ることができるだろうなと妄想

  • 中身をペラペラ見た瞬間、買いたいと思った。
    全ページ手書きアンドイラスト図付き!
    妹尾河童といえば、『少年H』のイメージだったけど、ちょっと何者か分からなくなった(笑)

    まず、この手書きの文字がすごくいい!
    小学生時代のなんとか新聞みたいな感じで、フォントも工夫がされてあって、楽しい。
    これ、一つ書くのにどれくらい時間かけてるのかなって気になりました。

    それから、イラスト図もすごい!
    インドの風景、名所やホテルの部屋を描いていて、モノクロでも味わえます。
    船なんか、二百艇くらい描いてるページもあって、めちゃくちゃ細かい。
    ホテルの部屋紹介も、間取りの俯瞰図や説明書きを読みながら、色合いや備品が想像出来る。(蚊がいるとかも、笑)
    このスケッチが現地でも大人気で、ピンチをイラストで切り抜けるエピソードも出て来るほどだった。

    このエピソードには、名所の紹介やタクシー?ドライバーとのやり取りなんかが書かれている。
    ただ、ところどころで、自分がふとしてしまった行為に自己嫌悪を抱くシーンがある。

    聖なる動物の牛に道を開けようと退いた時に、何かを踏んづけてしまい、それが死にかけ?た人だったというエピソード。
    それが分かって、5ルピーを彼の手に握らせて去った後で、あれは何のお金だったんだ、と自分自身にコメントをする。
    併せて、あんな場に居合わせた牛に対して怒るんだけど(笑)その感じが、私には良かった。

    旅をしていると、きっと色んなことが見えてくる。
    自分自身のこともなんだろうな。

  • 河童が覗いたインド。
    イラストが細かくて素晴らしい。絵が描けたら旅がスムーズに行くことがあるんだな、というシーンがいくつかあった。いつかインド行ってみたい。旅の参考になる。歳のせいもあって小さい字が読みづらい。
    ヨーロッパ編も読んでみたい。

  • 筆跡を知ってる人にはちょっと親しみを感じる。例えば父、母、兄弟、友達、先輩、後輩…普段意識しないが、筆跡を覚えてる人は思い出が幾つもでてくる。
    その意味では妹尾河童さんは友達なんじゃないかと錯覚するほど筆跡を知っている。驚くべきことにこの本は全部河童さんの自筆(たぶん)でかかれてる。しかも読みやすいし絵もとっても上手。絵本でもない、そんな本は私は他に知らない。
    40年程前のインドの旅行記である。今のインド旅行の参考になるか、正しく反映しているかは保証しないが、なんでこんなにわくわくするんだろう。たぶん河童さんがめちゃくちゃ楽しんでるからだと思う。お腹を壊そうがボラれようがめげない。そして絵がとてつもなくうまい。寺院やホテルの俯瞰図、目の付け所がおもしろい。旅行記では深夜特急が圧倒的に有名だけど、牧歌的で穏やかな自分の足で歩いた旅行だなと感じて好感度が高かった。
    この本の影響で私も旅に出る時は絵を描くことになった。多様性の国インドも見る人見る場所によって感じることは違うよなと思った一冊。

  • 「インドに行った事がある」と人に話すと「"何で"インドに行ったの?」という質問が返ってくることがある。これが不思議なことだと気がついたのは、つい最近のことである。
    ヨーロッパはもちろんのこと、タイやフィリピンに行ったという話をしたとして、どこに行ったかや、何をしたかと聞かれることはあるが"Why?"と動機の部分に触れられることはほとんど無いからである。

    それは日本人一般がインドに対して描いてるイメージに起因するのだと思う。人口が多くて、主食がカレーで、カースト制度があって、最近はRRRなんてインド映画が流行っている。その程度の認識しかない、人口世界一にも関わらず謎の国なのである。

    一般的にいう混沌の国というのは極めて正しい。ただその混沌は無秩序さを表すのではなく、様々な多様性を内包しているという意味である。それはヒンドゥー教が多神教で色々な神を吸収してできた宗教というのが関わっているのであろう。

    悪びれもなく騙してこようとする人から、よくわからん外人2人にチャイを奢ってくれる人、何もあげないのにカメラを向ければ笑顔を向けてくれる物乞いの少年。本当にさまざまであった。とりあえず彼らは生というものに対して日本人より明らかに情熱的であった(そうせざるを得ない事情もあるのかもしれないが)。わたしはあの国が割と好きだし、もっと知りたいし、また行きたいと思っている。

  • この本を持ってインド旅行。ボロボロになるまで読みました。眺めました。楽しかったー

  • カースト制の建前と本音、神を全て飲み込んで信者を増やしたヒンドゥー教、「バード」はイスラム、「プール」はヒンドゥー、性根逞しいドライバーの優しい素顔を怪しんで懺悔、などなどインドのこれでもか!を詰め込んだ一冊。なんと言っても精緻な部屋のデッサンと、全部手書きの本文が圧倒的!
    めっちゃ面白いので旅のお供に、トイレの本棚に、だらだらしたい午後におすすめ。

  • ただの観光ではなくインドに入り込んだ記録。

  • スケッチ番長

  • インドの魅力が詰まった本。字が小さくて細かいので、大きな文字で読みたい人には文庫本はおすすめできません、一度読みだすととまらない、インドの魅力と著者の執念にも思えるくらい細かなイラストがつめこまれた一冊。

  • 舞台美術の専門家が1978年と1983年にインドを旅して、そこで見たものの記録。ホテルや電車内の様子、町の人々の営みなどがイラストで豊富に描かれている。

  • 文章も親切で、何より図が多くてわかりやすい。
    時代的には一昔前ではあるので現在のインドとは違うのかもしれない。20150921

    • chikachanさん
      初めまして。chikako0420です。フォローしていただきありがとうございます。本棚拝見しました。すてきな本棚ですね!実用書とか多くてすご...
      初めまして。chikako0420です。フォローしていただきありがとうございます。本棚拝見しました。すてきな本棚ですね!実用書とか多くてすごいなあと。これからもよろしくお願いします!
      2017/09/19
  • 絵も字もすべて妹尾さんの手書き。
    すごく丁寧に書いてあるから、すごく丁寧に読みたいし、隅から隅まで眺めたくなる本。

    インドに留学前にこれ読んで、どんなところかとワクワクしながらインド行きました。

    もうだいぶ前に書いてある本だけど、内容は全然色あせていなかった。

    何度も読み返したくなる本です。

  • 単行本で子供の頃に読んで、最近漫画家や作家のエッセイで本書が紹介されているのを目にしもう一度読みたくなり文庫本で再購入。
    子供の頃は辞書を片手に夏休みに読んだのが懐かしい。イラストだけではなく文字も手書きなのでルビがない。子供には辞書が必須かもしれないがイラストだけでも圧巻である。

  • イラスト付きのインド旅行記です、雑誌か何かに連載されていたものをまとめたものなので幾つもの短編が収録されています。
    とにかく絵が上手いそして緻密、新聞の橋にこのコーナーがあったら毎回目を通したくなります。
    著者自身の自由奔放な感じも好印象で親しみが湧きました、歴史的な内容も多いので私にはちょっとややこしかったですが、日本とは全く異なる異文化に触れた気がしました。

  • 働く大人の週末ゼミ | ischool「読を以て独を制す―「本」と「社会」と「つながり」と」の中で開催されたビブリオバトルで紹介されました。
    2025.2.28

  • インドに行きたくなる、最高の本。インド各地の面白さが詰まっている。私もこうして旅をしてみたい。

  • インドに興味がある人ならきっと面白い。
    クスッと笑えるジョークや小ネタも多く、現地の人とのやり取りが一番面白かった!!
    全部手書きでビックリしたけど温かみがあって良かった。イラストも凄い
    久しぶりに残りのページが少なくなっていくことを残念に思いながら読んだ。
    思ってた国と違うかったけど、知れてよかった。

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著者プロフィール

妹尾河童
1930年神戸生まれ。グラフィック・デザイナーを経て、1954年、独学で舞台美術家としてデビュー。以来、演劇、オペラ、ミュージカルと幅広く活躍し、「紀伊國屋演劇賞」「サントリー音楽賞」など多数受賞する。また、エッセイストとしても、『河童が覗いたヨーロッパ』『河童が覗いたインド』などの大人気シリーズで知られている。著書多数。『少年H』は、著者初の自伝的小説で、毎日出版文化賞特別賞受賞作である。

「2013年 『少年H(下巻) (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

妹尾河童の作品

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